新型コロナウィルス :沖合のグランド・プリンセス:コンテナ施設オークランド港へ入港

公開日 : 2020年03月09日
最終更新 :
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対岸に見えるのが、オークランド港。

月曜日、いよいよグランド・プリンセスが、母港サンフランシスコではなく、コンテナ船施設オークランド港に入港します。症状の重い方から順次下船し搬送、数日かけて作業します。カリフォルニア州住民は州内の医療機関や隔離施設、州外の住民はほかの州にそれぞれ送られるようです。日本のニュースによれば日本人乗員1名、乗客3名がいるようですが、外国籍の方たちはどこに行くのかははっきりしていません。港湾関係者のこぼれ話でオークランドの方が、作業がしやすいこと、ピア27ではやはり大騒ぎになるよね、といってました。 

入港するオークランド港は、サンフランシスコ港の対岸に位置し、1927年に開港。コンテナ船ターミナル港としては太平洋側最古の港です。ロングビーチ・LAと並ぶ西海岸の3大港のひとつで、全米でも混雑する港としてトップ5の港です。2012年には、史上最大のコンテナ船がやって来て、船底剃っちゃうんじゃないかと心配したり、動く灰色の島みたいな大きな船体を見に行った思い出もありました。

オークランド港クレーン - 1.jpeg

巨大なキリンみたいなコンテナクレーン(ガントリークレーン含)が、いっぱいあって、夜の風景もまた雰囲気がいいです。このクレーンはスターウォーズのキャラクターのモチーフにもなっていますが、名前は忘れてしまいましたが、森のなかをガシャンガシャンと走り回る怪獣みたいなキャラクターです。またオークランド港自体が、スターウォーズのさまざまなイメージ作りにも使われいるので、映画を観たりする楽しみもありますよ。

さて、このオークランド港を抱える港湾都市オークランドは、人口約43万人。かつては日本からの移民の方多く住んでいた場所です。チャイナタウンもたいへん有名ですが、残念ながら1960年代以降、治安が悪い都市でも有名となってしまいました。特に港近くのウエストオークランド地区は、犯罪率が全米でもワーストクラスという怖いエリア。これは"コンテナ革命"ライバル港でもあったサンフランシスコ・オークランド両港、オークランドは広大な平地が豊富にあり鉄道や道路のインフラが整っていましたが、サンフランシスコ港はその両方がなかったのでコンテナ事業としてオークランド港の方が優っていて、サンフランシスコ港は衰退という流れになり、一気に加速した1960〜70年この事業に移行するにあたりでは、今まで人手として働いていた荷役・港湾労働者の方たちが職を失った時期でもありました。

ただ、近年この周辺も住宅の値段が上がってきており、2ベッドルームの家が5000万円から取引されてます。都市化の波が押し寄せてよくなってきてはいますが、もうしばらく時間がかかるかなというエリアです。

港の話になりましたが、乗員乗客合わせて3533名の皆さんが無事に下船でき、治療を受けられ、1日も早く健康で安心できる生活に戻れますように。また新型コロナウイルスの世界的な拡大が、一刻も早く終息するように祈らずにはいられません。

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

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