サンフランシスコバレエ2021シーズン始まる。意外な繋がりのオペラハウスにも注目

公開日 : 2021年12月12日
最終更新 :
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アメリカで最も古いバレエ団がサンフランシスコバレエ。その年末恒例の演目『くるみ割り人形(Nutcracker)』が、12月10日から『戦争記念オペラハウス(War Memorial Opera House)』で始まりました。昨年パンデミックで、即座にシーズン中止と発表があり、団員もスクール生も2年近くオンラインでレッスンを続けていました。待ちに待った本番、初日に行ってみました。

復活にひときわ華やぐゲスト達

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▲エントランスホール

ドアが開くと、先ずワクチン接種カードとIDのチェックがあります。イベントによっては"さら見"でOKな場合もありますが(苦笑)ここはしっかり確認していました。確認後手の甲にスタンプを押してくれ、エントランスホールに入ります。

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▲メインロビー

エントランスホールからメインロビーへ、ここでチケットの確認と再度手の甲のスタンプ確認。いつも感激しますが、豪華さの中にも優雅さのあるメインロビーでしばらく待ちます。初日なので特にドレスアップした人が多く、寒かったこともあり、サンフランシスコでは非常に珍しい"毛皮のコート"の方もいました。男性のネクタイは"ナッツクラッカー柄"が圧倒的に多いです。

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フォーマルもあれば、お揃いのセーターでいらっしゃる方もいます。思い思いのセンスでシーズン初日を祝っています。毎年恒例"ホリデー行事"として捉えているのがサンフランシスコバレエのファンです。とても素敵な恒例行事ですよね。

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もう一つの恒例として、毎年買い足していくツリーのナッツクラッカーオーナメント。15ドル以上と少々お高めなので、少しずつ増やしていく楽しみ方をしているファンの方もいます。ギフトショップは、メインロビーにキオスク、2階に大きなショップがあります。

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▲レストラン"プレリュード"

プレシアターの腹ごしらえ?は、地下にある『Prelude at the Opera House(サイト)』があります。ワールドクラスのコースを提供するレストランで公演時間2時間前よりサービス開始です。ダイニングは利用したことないですが、併設されている雰囲気たっぷりのフルバーでカクテルも美味しいですよ。カフェもあります。

予約電話:415-861-8150

ウエブは(予約サイトページ)

カフェバロー:https://sfwarmemorial.org/cafe-valor

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オーケストラの方も徐々に準備開始。使い込まれてる楽譜です。最前列と二列目はおそらくソーシャルディスタンシングでしょうか?黒いシートでブロックされていました。

バーチャルツアーのリンクこちら

イベントスケジュールこちら

戦争記念オペラハウスは、1932年11月15日にオープニングナイトを迎えています。サンフランシスコをベースに数々のランドマーク作りあげたアーサー・ブラウンJrがアルベルト・ランスバーグと手掛けています。国内では最後に建てられたボザール様式の建物の一つと言われています、客席は3146。アーサー・ブラウンは、UCバークレーをでてパリで学び、サンフランシスコの建築事務所に籍をおきました。UCバークレー、スタンフォーと大学にもいくつか彼の作品があり、バンネス(Van Ness ST)の反対側にある市庁舎(1915年完成)も彼の作品です。戦争記念とは、1918年11月に終戦を迎えた、第一次世界大戦で従軍・奉仕した全ての方々への記念として命名されました。

 また、第二次世界大戦中、1945年国連の最初の会議場所として使われました。1951年9月のサンフランシスコ条約では、隣のハーベストシアター(Herbst Theatre)とで調印式が行われています。その時の写真はハーベストシアターに展示されています。奇しくも12月7日テレビでパールハーバーをとりあげていました。切ない過去の歴史ですが、オペラハウスは日本とは思わぬ縁のある建物です

アメリカが世界に誇る伝統のバレエ団

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現在オペラハウスを本拠地として、世界屈指のダンサーを有するサンフランシスコバレエ団は、1933年、全幕演じられるダンサーの育成養成を目的に、サンフランシスコオペラ・バレエ団として結成されました。アートディレクターのウィリアム・クリステンセンの元で、1938年コッペリア、1940年白鳥の湖、1945年ナッツクラッカーを全米で最初に全幕上演しました。12月から5月くらいまでの公演が終わると、世界中の公演ツアーがあるそうで、皆さんの街にもサンフランシスコバレエ団がやってくる日がくるかもしれません。現在のアートディレクターのヘルギー・トマソンさんが着任した事により、更に実力に磨きがかかり、1994年にはパリ公演を成功させ、2006年にはダンス・ヨーロッパ誌が選ぶ、最も素晴らしい劇団として、初めてヨーロッパ以外の国で表彰されています。

芸術系は東海岸のイメージがあるのですが、意外にもアメリカを代表するバレエ団が、サンフランシスコバレエ団なのです。公立学校で芸術指導も盛んに行われ、才能が見出せる子にはスカラシップが出ます。もちろん世界中からダンサーが集まってきています。日本の親元を離れ一人頑張っている留学生もいて、小さい役ですが出演していました。

素晴らしい劇場で優雅な舞を眺める、師走と聞いただけで忙しくなるのですが、2時間ちょっとの間、まるで別世界に行った気になりました。変種株がとても気になりますが、4月29日〜5月8日は白鳥の湖公演が予定されています。日本のゴールデンウィークの頃、その頃にはなんとか行き来が楽になっていてくれればと祈ります。

サンフランシスコバレエカレンダーこちら

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

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