ドミニカ人の好む車

公開日 : 2009年06月26日
最終更新 :
筆者 : monalisita

ここ、ドミニカ共和国は車社会。自家用車がないとちょっと不便な国である。もちろん、公共のバスや乗り合いタクシー、それから最近はメトロ(地下鉄)が首都を走り始めたが、サービスは不親切で慣れないと使いにくい。おまけに、ちょっと危険でもある。だから、みんな車を持ちたがる。

2007年の統計によると、120万の家族が少なくとも1台の車を持っている。人口が1,000万弱なので、総人口の約11.7%が車を持っていると言うことになる。途上国にしては多いのではないか。しかも、この内訳は3.9%がPick-up、3.3%がSUVとなっている。つまり、ドミニカ人の好みは高額な大きな車(通称ジペータ)なのである。

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なぜ、日本より小さい国でしかも燃費の悪く、環境にも悪い大型な車を好むのか。ドミニカ人の平均月給が2万5千円以下という現状で、どうしてウン百万円とする大型車が購入できるのか、と私は疑問に思わずにはいられないが、ここにいくつかその理由を挙げてみよう。

まず、一つ目として「道路がガタガタであること」。穴ぼこがそこいらにあったり、舗装されていない道路だったりと、道路の状態はさほどよくない。(というか、日本が良すぎるのかもしれない) だから、タフな車を選びたがる。

二つ目に「雨季は雨がしょっちゅうで、雨が降ると洪水になりやすいこと」。1,2時間のスコールであっても、雨が容易に排水されないため、20cmぐらい浸水することがしょっちゅうある。そして、最近は気候変動の影響もあってか、集中豪雨が雨季以外にも良く降る。そうすると、車高の高い車がダメージを受けにくい。

三つ目に「ドミニカ人は見栄っ張り」であること。燃費や小回りのしやすさを気にする日本人とは違い、ドミニカ人にとっては「大きい=美しい=お金持ち」。実際お金は持っていなくても、お金持ちだと思われたいがゆえに、大きい車を乗り回して自慢したいのである。20〜30%もの高利子のローンで買う人が多いけれど、ローン地獄に陥る人が少なくない。クレジットカードの魔法にかかって、返済することを考えていない。返済できないから、リスク回避のため、ローンの利子がどんどん高くなっていくといった悪循環。

そして、最後に「大きい=強い=優先という法則が交通ルールの暗黙の了解」であること。信号のない交差点でランクルとヴィッツが出合ったら、車道の広さに関わらず、ランクルに道を譲るのが普通。ランクルは頑丈だから、少しぐらいぶつかってもヘッチャラさと言った傲慢さ。逆に小型車は車を損傷させたくないから、止まらざるを得ない。

交通ルールだけでなく、大型の車には全ての優先権が与えられる。駐車するにしても、買い物するにしても、大型の車というだけで、優先的に駐車スペースを確保してくれたり、より良いサービスを受けられたりするもんだから、みんな大型を買いたくなると言うわけだ。

ま、これらの解析はちょっと誇張も含まれているが、ある程度本当である。と言っても、やはり月2.5万円の給料の人は、そんな大型車を買える訳がない。一部の高額所得者、そして無理して高額所得者と装いたい人が、このような車を持っていると言うことになる。

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