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2010年1月17日

ハイチ大地震(ハイチのための支援とは)


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ハイチ大地震(ハイチのための支援とは)

地震が発生してから5日が経過しようとしている。瓦礫の下に生き埋めとなり、その時は生存していても救出されないまま死んで行く人もいるだろう。また、道端に山のように積み重なる死体は処理されないまま放置されているほか、家を失くし公園等で暮らす生存者の日々の排泄物の処理の問題もあり、今後不衛生状態がもたらす病気が蔓延する可能性も充分ある。死体の山の中を歩き回り、行方不明の家族を探そうとする人、人、人。物理的な被害だけでなく、人々の精神的なショックも非常に大きい。


海外からの支援が続いている。ドミニカ共和国の大統領が14日ハイチ大統領と面会し、支援の拡大を約束したのに続き、アメリカ合衆国のクリントン国務長官も16日にハイチ入りし、緊急援助のみならず、国復興のための長期的な支援をしていくことを表明した。同時に、オバマ大統領はクリントン・ブッシュ両元大統領によるハイチ大地震支援のための募金が開始されたことを述べ、広く国民からの募金を呼びかけている。また、大物スターであるコロンビアのシャキーラはファンからも支援を募り、アメリカのアンジェリーナ・ジョリーやブラッド・ピットも百万ドルを寄付した。


しかし現状は、支援物資が全く足りていない状況である。差し迫って必要な物資は、食糧、水、医薬品、そしてシェルター(避難所としてのテントなど)である。物資は次々と運ばれてきてはいるものの、雀の涙でしかない。300万人、つまり国民の3人に一人が被災していると言われる状況で、彼らの生存に必要な物資は充分届いていない。そんな中、ハイチ人警察少なくとも5人が殺害(射殺)され、暴動や窃盗も起こり始めている。食糧や水不足に絶望的となった人による犯罪である。刑務所にいた囚人も、この地震により脱走し始めており、治安の悪化が心配されている。ハイチ政府による支援分配の明確な声明が出されていない中、市民は不安になり、社会はますます混乱している。


何が問題か。支援が続々と到着するものの、ハイチ政府あるいはハイチ人によるリーダシップが取れていないため、支援活動はうまく機能していないようだ。ロジスティック(支援活動遂行のための調整)が皆無に近い。今後、アメリカが派遣する軍隊がこれらの問題を解決してくれることを願うしかない。しかし、ハイチの政府機関の弱体を責めることはできない。


ハイチは西半球の最貧国。アフリカの発展途上諸国と同様に、貧困層の割合が非常に高い。乳児の死亡率は高いし、識字率は低い、またHIV/AIDS感染者も高い。貧困ゆえに治安も悪く、国内でも高所得者を狙った身代金誘拐事件などが相次いでいた。国の主な資金の収入源は、海外からの援助と海外で出稼ぎする人からの送金。自国の産業が発達しておらず、まさに誰かに頼らないと存続できない国になってしまっている。国連機関からの援助は、まず国の治安を確保することに充てられている。このような中、行政は組織として機能していない。これは、地震で行政機能がストップしたわけではない。長期にわたる援助にも関わらず、その成果がなかなか見えてこないのは、弱い行政機能が大きな原因となっている。


それでも、国の発展に貢献しようとしているハイチ人はいる。多くの政治家や役人が、国民のためではなく自分や自分の家族のために働くなか、祖国の発展を願って協力しているハイチ人もいる。私の主人もその一人であるが、彼らは、母国が受けた大きな傷を癒すため、そして自分の同輩を助けるため、必死になって支援活動をしている。私は、今回の緊急援助が、一時的の援助に留まらないためにも、ハイチのための支援をするべきだと考える。つまり、今回の支援が収束したときに、国が独自の力で発展できるレベルになれるように(と言ってもそれは容易なことではないが)、ハイチ人によるハイチ人のための支援をサポートすべきである。もちろん、支援物資の提供は必要不可欠であるが、この援助は永遠に続くわけではない。将来海外からの支援の提供がストップしたとき、彼らが自力で歩けるように、国を担うハイチ人を強化していくことが重要である。ハイチの首都およびその近郊が大被害にあったとは言え、他の地域はそれほど大きな被害を受けていない。食糧や水の調達も、ハイチ国内から可能なはずだ。膨大な資金を出して食糧や水を海外から調達し、さらに輸送費をかけて運んでくるのであれば、その資金でハイチ国内から調達する方が、ハイチのためでもある。もちろん、それだけでは被災者に対する需要を満たせないかもしれないが、少なくともハイチ各地の産業をいくらか活性化できるだろうし、それにより地域の貧困レベルを改善することにつながるだろう。

ハイチは緊急援助だけで立ち直れるほど経済的・社会的に強い国ではない。これを念頭に入れた援助が必要なのではないだろうか。

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2010年1月17日
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