人工の海岸に珍しい訪問者
首都サント・ドミンゴには、通称「マレコン通り」という海岸道路があり、週末や平日の夕方は、多くの家族連れやカップルが心地よい海風とともに散歩やローラースケートなどを楽しんでいる。そんなマレコン沿いに、近年人工の砂浜と公園が整備され、さらに多くの人が遊べる場所となった。その名も、Plaza Güibia(プラザ・ギビア)。泳ぐには不適であるが、ブランコやシーソーなどの遊具があるし、運動器具もあり、しかも身近な場所で海を楽しめるため、市民にとても人気。
そんな多くの人で賑わうプラザ・ギビア。周辺からは、多くのホテルやレストランから未処理のままの廃水が海へ直接流されている(もちろん、処理施設を持つホテルもある)。つまり、悪く言えば、プラザ・ギビアはドミニカで最も汚染されている海岸(!!)ともいえる。そこに珍しい訪問者、ウミガメのタイマイが8月末に参上。しかも、215個の卵を産んで帰っていった。タイマイは絶滅危惧種に指定されており、とても貴重な動物。
専門家によると、今回卵を産みに来たタイマイは40歳以上ではないかと推測されている。幸い、卵の発見者が環境省に連絡したため、これらの貴重な卵は国立水族館の保育器で無事孵化できるよう保護されている。
実は、今年が初めての訪問ではないようだ。2008年、2010年にも海岸清掃中に、卵や孵化したてのタイマイが海岸のゴミの中から発見されている。ウミガメは卵を産んだところに、戻ってくるという習性がある。きっと、この習性が今でも続いているものと思われるが、本当にたくましいタイマイである。こんな賑やかな都会の人工海岸に産卵しに来たとは、タイマイもドミニカ化してしまったのだろうか^^;)。
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