Favela(ファヴェーラ)、格差社会の国

公開日 : 2007年05月04日
最終更新 :
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ブラジルに少しでも触れたことがある人は、どこかで必ず、「Favela(ファヴェーラ)」という言葉を耳にしたことがあると思います。

写真はサンパウロ市内ショッピング・モルンビー近くのファヴェーラ。

車の中から撮影しましたが、道路に覆いかぶさるように作られたバラック小屋に威圧感を覚えます。

ファヴェーラとは、貧民街のことを指します。

内部が非常に入り組み、強盗などの隠れ家として使われることがあるため、国内外のニュースで犯罪の温床として恐れられています。

でも、ここの住民は、地域による所得の不平等に苦しんで都会にやってきた地方出身者が多く、廃品回収や臨時雇いの石工、掃除人など様ざまな職種に就いて、実直に日銭を稼いでいます。

たまに、ファヴェーラ内にタイヤ修理工場やカキ氷屋などを開業する逞しい人も見かけます(笑)。

ブラジル地理統計院の発表(2001年)によると、同国の23%にあたる1269都市が行政区内にファヴェーラが存在すると申告しています。

国内のファヴェーラの数は1万6千余り、236万3千近くの人が住んでいるそうです。

世界的に有名なのはリオ・デ・ジャネイロのRocinha(ロッシーニャ)というファヴェーラ。

夜間に同地区の前を通ると、各家庭の幾千もの裸電球がまるで光の海のように広がり、幻想的な気分にさえなってしまいます。

私が住むサンパウロは、2000以上のファヴェーラを有します。

そこには約116万人、サンパウロ市民の10.6%が居住し、ほとんどが最低月給350レアル(約2万650円、1レアル=59円)で細ぼそと暮らしています。

でも、不衛生な小屋に住み、子どもの教育費も払えない家族がいる一方、年収50万レアル(約3千万円)のエグゼクティブや、通勤にヘリコプターを使う企業家が街をかっ歩しているのも事実。

サンパウロでは、地面に這いつくばるように建てられたバラックの向こうの高台に、1億円の高級アパートが建ち並ぶ光景をよく目にします。

格差社会が生んだ悲しい現象――

ですが、富と貧の共存する国、それがブラジルなのです。

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