黒人奴隷解放から120年
1888年5月13日、ブラジルで奴隷解放宣言があって120年・・・・・・。
これを機に、 「Secretaria Especial de Políticas de Promoção da Igualdade Racial (Seppir)=人種平等促進政策特別局」と「Instituto Brasileiro de Geografia e Estatística (IBGE)=ブラジル地理統計院」が『Mapa da Distribuição Especial da População Negra=黒人人口特別分布地図』を発表しました。
2000年の国勢調査がベースとなっています。
地図によると、ブラジル北部、北東部全域において(インディオ保護区を除く)、黒人であるという自己申告率は平均75%に達成しています。
リオ、サンパウロ以南のブラジル南東部、南部においては平均40%ですが、ドイツ系などヨーロッパからの移民が多いリオ・グランデ・ド・スルやサンタ・カタリーナの各州ではたったの25%。反対に、アマゾナス、パラー、アマパーの各州のほか、バイーア、マラニョン、ピアウイー、トカンチンスなどの各都市では85%を占めています。
(ちなみに写真は東洋人街リベルダーデ。私たち黄色人種はブラジル人口1億7千万人のうち76万2千人、総人口のたった0.4%なんて、少ないですね)
この地図の目的は、一般の指導者たちに地域の人種構成を理解してもらい、人種平等政策に役立ててもらうこと。
現在、黒人たちにとって、一番の問題は「教育」です。
黒人運動家たちは5月13日夜、ブラジリアにおいて連邦最高裁判所の最高裁判長と会合を開き、黒人の教育権に関する宣言を提出しました。
そこでは大学での黒人枠保護と国内総生産(GDP)から最低7%を黒人教育に投資することを訴えています。
教育と黒人枠制度は現在の黒人運動のもっとも主要な項目となっています。
ブラジルのオンライン新聞『estadao.com.br』の記事中、ある運動家は、「教育は偉大なる戦い」と表現し、「不平等は大学入試の時点から起こっている。入試では学生の知識の蓄積を評価するだけで、 潜在的な学習能力を軽視している」と訴えていました。
この記事を読んで私は、去年卒業したサンパウロ市内の私立大学で経営理論を教えていたJésus(ジェズス)先生を思い出しました。
彼は黒人で30代半ばまで読み書きを知らなかったそうです。
幸運なことに公務員試験に通過してオフィスボーイ(雑用係)となり、仕事の傍ら、大人になってから夜間の小学校、中学校、高校、大学、大学院と進みました。
学んでいくうちにキャリアもステップアップし、今では、昼間は税務局のコーディネーター、夜間は大学教授です。
潜在的な学習能力が花開いた一例だと感心しました。
[参考資料]
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