ブラジル出産事情(2)−−働く女性と産休制度
ブラジル出産事情の第二弾!
今回は産休制度について紹介します。
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ブラジルの女性はよく働きます。
妻であっても、母であっても、おばあちゃんであっても、働く女性の仕事への意欲は変わりません。
そんな彼女たちを支えるシステムがブラジル政府の産休制度です。
ブラジルの労働基準法(Consolidação das Leis do Trabalho=CLT)では、第391条で「結婚や妊娠を理由に女性の労働契約に規制をかけてはならない」とした上で、第392条において、「出産前4週間と出産後8週間の女性の就労を禁止し、120日間の産休を保証する」と規定しています。
第392条の内容を大まかに訳すと、
第1項:産休の開始日は医師の診断書によって決定される
第2項:例外として、医師の診断書により、産前産後休業期間はそれぞれ2週間延長することができる
第3項:早産の場合でも、妊婦は同条にある12週間の権利を有する
となっています。
続く第393条では産休手当について規定があり、「産休期間中、前条に該当する妊産婦は労働手帳に登録されている給料を満額で受け取り、産休後は元の職場に復帰できる」という権利が記されています。
この期間の妊産婦への産休手当は雇用主から支払われますが、後に社会保障省(Previdência Social)から雇用主へ同額が還付されます。
要するに、ブラジルは政府が産休手当を払ってくれるところが、日本と違いますよね。
日本の労働法は産前産後の休業については規定されていますが、賃金支払は規定がなく、各企業・団体の労働契約に基づいて産休手当が支払われたり、はたまた、支払われなかったり。
ブラジルのように政府が払ってくれるのならば、雇用主側の負担も少なくなり、女性の雇用に対するネガティブな考えも薄れていくのだと思います。
あと、個人的におもしろいと思う規定が第396条です。
「職場復帰後、生まれた子どもが6ヶ月になるまで、妊産婦は授乳のため半時間の休憩を1日2回もらう権利がある」というもの。
また、法律とは関係ありませんが、積極的に女性を雇用している企業は社内に託児所を設けているところもあります。
私自身もブラジルで働いて、この国は女性の社会進出が進んでいると感じています。
このような支援があるから、働くお母さんも頑張ることができるのでしょう。
写真説明:子どもが生まれて大喜びの友だち夫婦(記事内容とは関係ありません)
[参考サイト]
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