ブラジル出産事情(終)――サンパウロ市、女の天下に?
ブラジル出産事情シリーズ最終回は、ブラジルの社会現象ともなっている少子化、そして、サンパウロ市での赤ちゃんの出生の傾向に迫ります。
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日本ではずいぶん前から少子化問題が取り上げられていますが、ここブラジルも例外ではありません。
ブラジル地理統計院(IBGE)によると、ブラジルで1人の女性が産む子どもの数は、1970年に平均5.8人だったのに対し、2000年には2.3人へと減少。
サンパウロ市を含むブラジル南東部の平均値は全国でも最低で2.2人となっています。
しかも、サンパウロ市では、この少子化のほかに、出生の傾向について、ある深刻な話題が・・・・・・
「サンパウロ市における大気汚染は雄の実験用マウスと男の子の出生を減少させる」
これはサンパウロ総合大学(USP)医学部の医師たちによって発表された調査のテーマ。
健康医療雑誌『SAÚDE!(健康)』が実施した「2008年健康プレミアム」の人間健康部門で栄誉を勝ち取りました。
医師たちは、サンパウロ市の大気品質を管理する環境衛生技術公社(Companhia de Tecnologia de Saneamento Ambiental =Cetesb)のデータと公証人役場の情報を掛け合わせ、大気の浮遊粒子の数が多ければ多いほど、男の子の出生率が低くなることを発見、2006年だけでも、男の子の出生が1180人減少したと報告しています。
報告書によると、大気の汚れが、男の子だけが持つY染色体の形成に影響を与えるそうで、さらに、男性の精子量の減少にも関係があるとしています。
この調査は、世界で初めて、精液の品質の低下と大気汚染の関係を指摘したことでも話題を呼んでいます。
さて、人間という種の存続のために、男の子の出生率を上げる方法は?
まずは、大気の品質をよくすること、ですよね。
(写真説明:あれれ、赤ちゃんはどこに???――サンパウロ市内産院の保育室にて)
[参考資料]
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