リオのファヴェーラ、ロッシーニャの人口急増

公開日 : 2009年07月22日
最終更新 :

今回はところ変わってリオデジャネイロの話題です。

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2007年5月、『Favela(ファヴェーラ)、格差社会の国』という記事を書きましたが、リオデジャネイロ最大のファヴェーラ(貧民窟)といえば、Rocinha(ロッシーニャ)。

リオのZona Sul(南区)にある高級住宅地区、Gávea(ガーヴェア)とSão Conrado(サン・コンラード)に隣接し、住民の多くはブラジルのNordeste(北東地方)からの移入者が占めています。

リオ州政府はこのほど、ロッシーニャの人口が2000年の5万6千人から、2009年には10万818人になったと発表しました。何と、ここ9年間で人口が80%増!

ロッシーニャの住民の割合は女性51.5%、男性48.5%。

ファヴェーラ内には3万8千の住宅があり、そのうち、35.8%は2000年以降に建てられました。住宅の34%は賃貸だそうです。

ファヴェーラの公道の多くは狭い路地となっていて、自動車が通れる道路はたった7.5%。そのため、住民の、消防車や救急車など公共サービスへのアクセスが困難になっています。

また、住民は自らの住環境について、狭い、暗い、自然の換気が少ない、壁や地面の湿気などを問題点に挙げています。

事業的観点からみると、ロッシーニャには6500の会社もしくは企業家(自営業など)がいますが、そのうち、正規企業として納税をしている団体・個人は全体の8.1%のみ。業種内訳は79.7%がサービス業、18.5%が商業です。

雇用の面では、ファヴェーラの住民間での雇用率は非常に高く、インタビューした人のうち、7.7%だけが失業者と申告しています。

労働手帳に登録のある雇用者は30.8%、登録なしは13.8%、年金・恩給生活者は4.3%、学生は23.5%とのことです。

日本では遠い世界のミステリアスな空間として、好奇の目で見られているブラジルのファヴェーラ。

でも、私たちのようなリオやサンパウロの住民にとって、ファヴェーラは身近な存在です。

ブラジルの経済格差を反映し、また、犯罪の温床としても悪名高いのですが、実際にファヴェーラに住んでいる人は高級住宅に住む人以上に正直者だったり。

本当にブラジル社会は複雑で一言で語ることはできません。

(イメージ写真はサンパウロ市内のファヴェーラ。今は取り壊されて跡形もなくなりました)

[参考サイト]

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