リオのファヴェーラ、ロッシーニャの人口急増
今回はところ変わってリオデジャネイロの話題です。
2007年5月、『Favela(ファヴェーラ)、格差社会の国』という記事を書きましたが、リオデジャネイロ最大のファヴェーラ(貧民窟)といえば、Rocinha(ロッシーニャ)。
リオのZona Sul(南区)にある高級住宅地区、Gávea(ガーヴェア)とSão Conrado(サン・コンラード)に隣接し、住民の多くはブラジルのNordeste(北東地方)からの移入者が占めています。
リオ州政府はこのほど、ロッシーニャの人口が2000年の5万6千人から、2009年には10万818人になったと発表しました。何と、ここ9年間で人口が80%増!
ロッシーニャの住民の割合は女性51.5%、男性48.5%。
ファヴェーラ内には3万8千の住宅があり、そのうち、35.8%は2000年以降に建てられました。住宅の34%は賃貸だそうです。
ファヴェーラの公道の多くは狭い路地となっていて、自動車が通れる道路はたった7.5%。そのため、住民の、消防車や救急車など公共サービスへのアクセスが困難になっています。
また、住民は自らの住環境について、狭い、暗い、自然の換気が少ない、壁や地面の湿気などを問題点に挙げています。
事業的観点からみると、ロッシーニャには6500の会社もしくは企業家(自営業など)がいますが、そのうち、正規企業として納税をしている団体・個人は全体の8.1%のみ。業種内訳は79.7%がサービス業、18.5%が商業です。
雇用の面では、ファヴェーラの住民間での雇用率は非常に高く、インタビューした人のうち、7.7%だけが失業者と申告しています。
労働手帳に登録のある雇用者は30.8%、登録なしは13.8%、年金・恩給生活者は4.3%、学生は23.5%とのことです。
日本では遠い世界のミステリアスな空間として、好奇の目で見られているブラジルのファヴェーラ。
でも、私たちのようなリオやサンパウロの住民にとって、ファヴェーラは身近な存在です。
ブラジルの経済格差を反映し、また、犯罪の温床としても悪名高いのですが、実際にファヴェーラに住んでいる人は高級住宅に住む人以上に正直者だったり。
本当にブラジル社会は複雑で一言で語ることはできません。
(イメージ写真はサンパウロ市内のファヴェーラ。今は取り壊されて跡形もなくなりました)
[参考サイト]
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。