リオ五輪振り返り

公開日 : 2016年08月29日
最終更新 :

17日間にわたるリオ・オリンピックが先日終わってしまいました。

今回のイベントはリオだったので、治安等が心配で結局観戦に行きませんでしたが、

心配していたテロ等もなく、大盛り上がりのリオの様子をテレビで観て行けばよかったなあ、と後悔真っ盛りです。

ただ、連日テレビでは観ていたので、私的ハイライトを纏めておきたいと思います。

現地のテレビで見ていたので、主にブラジル人選手にフォーカスが当たっていて、いつもとは違う感じで楽しめました。

1.開幕式で優雅にウォーキングしたジゼル・ブンチェン

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開会式自体もアットホームな雰囲気で良かったのですが、その中でも特に私が印象に残った一場面。

   昨年ランウェイを引退したブラジル出身の元スーパーモデル、ジゼル・ブンチェンがアントニオ・カルロス・ジョビン作曲、ヴィニシウス・ヂ・モライス作詞の「イパネマの娘」に合わせてウォーキングしました。

   一瞬、随分シンプルな演出だなあ、と思いましたが、はっと思い出しました!

   「イパネマの娘」の歌詞にぴったりだったんです。

   「イパネマの娘」の歌詞は、リオのイパネマ海岸近くを歩く小麦色に日焼けした美しい女性への憧れを描いたものです。

   巨大な会場にジゼルだけにスポットライトがあたり、皆がはっと息を飲むような美しさが映し出された様子は、まさに現代のイパネマの娘!

   50年以上前に発表された名曲が今も生き生きと輝いている様子に感動しました。

2.柔道でハファエラ・ダ・シウバが金メダル獲得

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柔道女子57kg級で優勝したブラジル人ハファエラ選手、ファベーラ(貧民街)出身の選手だとは聞いていましたが、優勝した瞬間の涙や監督との抱擁がただの喜びとは違ってじわ~っと心に響く感じでした。

   そして調べてみて納得、壮絶な経験を経ての優勝だったんです。

   彼女を見て、希望を持って育ってくれる子供が増えると良いなあ。

    タイトル「人種差別主義者の侮辱を受けて金メダリストへのキャリアを諦めかけた」

      彼女は有名なブラジルでも有名なファベーラ「シティー・オブ・ゴッド」の出身(このファベーラの名前がタイトルとなったブラジル映画が有名)、小さいころは喧嘩っ早かった。住環境は劣悪で母親のゼニウダさんは当時の家についてこう言っています。「そこら中水漏れしていて、家とは呼べないくらいの家だった。新聞紙を敷いて寝て道端で暮らしているみたいだった」。  

      5歳になると、元柔道ブラジル代表の監督に見いだされ柔道を始めます。最初は遊びの延長線上だった柔道ですが、同じく柔道をしていたお姉さんが頭角を現し始め、海外遠征をし出すと、ハファエラ選手も泣きながら「私も旅行に行きたい」と言い始め、真剣に柔道と向き合う様になりました。

      そして2008年にはバンコクで行われたジュニア世界選手権で優勝し、プロとしてのキャリアを積み上げながら、家族にとっても大黒柱の役割を果たし、家族でファベーラから引っ越し、両親に車をプレゼントもできる様になりました。ゼニウダさんは「私たち夫婦が娘に与えられなかった環境を彼女がくれていて、まるで彼女が一家の父親みたい」と話しています。

そんなハファエラ選手ですが、2012年のロンドン五輪で屈辱を味わいます。反則を取られ2回戦で敗退、その後インターネット等でエゴサーチしたところ、自分を応援してくれるどころか「猿」等と誹謗中傷するコメントばかりで非常に落ち込み、柔道をやめることも考えたそうです。しかしその後恩師や心理学者の力を借りて復活を果たし、2013年の世界選手権に続き、この大会で金メダルを獲得しました。

3.ブラジル男子サッカー優勝!

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ご覧になった方も多いでしょう。相手はワールドカップで大敗を喫したドイツ。絶対負けられない一戦でした。

   結局PKの最後の一本まで勝敗が決まらない緊張しっぱなしの一戦で、その後の選手の歓喜の涙は忘れられないものになりました。さすがブラジル人が大好きなサッカーの試合だけあり、スポーツバーみたいなところで観ていたのですが、これにはみんな大盛り上がりでした!

   もちろん、翌日の新聞は「チャンピオン復活!」と大見出しで報道していました。

4.美しい閉会式

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閉幕式ってこれまであまりちゃんと見たことが無かったのですが、今回は日本への引き継ぎもあるということで、最初から最後までじーっくり観ました。

   素晴らしかったです。(開会式もそうですが、)ブラジルはまだまだ発展しきれていない部分もありますが、世界に誇れる文化がたくさんあるな、と改めて感じられる仕上がりでした。

(番外編) 意外とオリンピックに興味がないブラジル人

今回のオリンピックはリオ・デ・ジャネイロが開催地。サッカーの試合の一部だけ他の地域で開催しました。

するとどうでしょう、サンパウロでは先日の聖火リレー以外、ほぼ一切オリンピックの雰囲気がありませんでした!!

一部のレストランでは試合のテレビ放送をしていていて、サッカー等は盛り上がったものの、街の飾りは一切なし、お土産を売っているお店も無し、盛り上がっているのはメディアの中くらいなんです。

周りのブラジル人に聞いてみても、「オリンピック?うーん、興味ないなあ、ブラジルはワールドカップが盛り上がるくらいだよ」という回答ばかり。

日本人ってオリンピック好きな人多いですよね?こんなに人気ない国もあるんだな~とびっくりしました。

あ、もちろん、現場のリオや、サッカー会場となった一部地域は盛り上がっていた様ですよ。

(番外編2)テレビ放送の多さと便利だったアプリの存在

私はSporTVというテレビのチャンネルで試合を観ていたのですが、このチャンネル、16チャンネルもある上に、 

アプリをダウンロードしておけば外出先でもすべての生放送&録画番組&過去のハイライトの試合等が見られて本当に便利でした。お蔭でたまに外出しても見逃せない試合は携帯でチェックができたので。

東京五輪もこんな感じのアプリがあると良いなあ。

ブラジル男子バレーボールの優勝等他にも語りたい所は色々あるのですが、長くなりすぎるのでこのくらいにしておきます。

さてさて、ワールドカップとオリンピックという派手な2大イベントが終わりましたが、

これからも味わい深いブラジルを少しづつご紹介していけたらと思いますので、引き続き宜しくお願いします。

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