ラムサール条約登録湿地「宮島沼」で、マガンの「ねぐら立ち」~美唄市

公開日 : 2015年10月08日
最終更新 :

近年、にわかに注目を集め始めた

春と秋の宮島沼。

数万羽の水鳥が飛び立つ「ねぐら立ち」が

見られることで知られています。

札幌から北へ約50km、美唄市にある宮島沼は

日本一・日本最北端のマガンの寄留地です。

多様な生態系を育む湿地を世界的に保全しようとする

「ラムサール条約」の登録湿地でもあります。

Moon shining over Miyajimanuma at 5:20 in the morning

Moon shining over Miyajima-numa bog at 5:20 in the morning

マガンをはじめ水鳥が"ねぐら"の宮島沼を飛び立ち

周囲の田畑に餌を探しに行く「ねぐら立ち」は、

夜明けとほぼ同時に見られるそうです。

今回は日の出を目指し、午前5時に宮島沼に到着しました。

この日の夜明けは5時20分頃の予定。

雲ひとつない空に月がまだ光っています。

宮島沼に近付くと、水鳥の声がはっきり大きく聞こえてきます。

White-fronted geese taking away from Miyajimanuma

White-fronted geese taking away from Miyajima-numa

5時30分頃、鳴き声が一層大きくなり、

マガンが飛び立ち始めました。

Time dawn breaks

Time dawn breaks

5時48分、太陽が顔をのぞかせました。

実はこの日、前夜から急激に気温が下がり、

辺り一面が霧に包まれています。

Fowlbirds floating on Miyajimanuma

waterfowls flying away from Miyajima-numa to their feeding ground

ピーク時は6万羽以上にも達する宮島沼のマガンの群れは、

通常、数分の間に一斉に「ねぐら立ち」をするそうです。

この日は霧が深く、ねぐら立ちは

少しずつ、幾度にも渡っていました。

Fowlbirds floating and waiting for the time to flight in the mist

waterfowls floating and waiting for the time to fly in the mist

空は雲ひとつない快晴ですが、

放射冷却現象の影響で気温が下がり、

時間が経つにつれてますます霧が濃くなっています。

宮島沼は目を凝らしてようやく見える程度ですが、

水面にはまだたくさんの水鳥がいるようです。

White-fronted geese flying in the morning sunlight

White-fronted geese flying in the morning sunlight

日が高くなるにつれ、空は青く、

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Fog getting heavy above the water surface

Fog getting heavy above the water surface

沼の水面近くは霧が濃くなっています。

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Moist grass with morning dew

Moist grass with morning dew

霧でできた朝露が朝日に照らされ

あちこちで輝き始めました。

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Interesting contrast of the colour, blue skay and white misty Miyajimanuma

Interesting contrast of the colour, azul-blue sky and white misty Miyajima-numa

数分おきに飛び立つマガン。

晴天の青い空と水面近くの白い世界の対比が印象的です。

Dawn at Miyajimanuma

Dawn at Miyajima-numa

太陽が顔をのぞかせて数分で、

辺りは次第に明るくなってきました。

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Waterfowls flying away at the peak of the number

Waterfowls flying away at the peak of the number

この日の「ねぐら立ち」クライマックスを迎えたようです。

⑬宮島沼PA061985

午前6時20分。

太陽は随分高くなりました。

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それに反比例して霧は沼の上だけではなく、

辺り一面を覆い始めます。

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沼はますます見えなくなりましたが、

予想を超える幻想的な光景が現れました。

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"Miyajima-numa Waterfowl and Bog Center"

宮島沼のほとりには「宮島沼 水鳥・湿地センター」が

あります。

この日は朝早すぎたので、今度は開館時間に訪れたいと思います。

White rainbow over Miyajima-numa

White rainbow over Miyajima-numa

気象条件により、今回、水鳥が一斉に飛び立つ

豪快な「ねぐら立ち」の代わりに

幻想的な風景をいくつも見ることができました。

そのひとつ「白虹」(はっこう)↑。

Foggy fields and mountains in Bibai-shi

Foggy fields and mountains in Bibai-shi

一層霧が立ち込める宮島沼を後にすると、

いつもは何気ない田園風景もまた、

幻想的な姿で目の前に現れました。

      *

最近は、水鳥が渡る時期に限り

旅行会社が企画するツアーもあります。

宮島沼HPによると、今季は10月6日・7日で

マガンの多くが渡ってしまったようなので、

「ねぐら立ち」「ねぐら入り」を観るチャンスは、

来年4月ごろです。

なお、宮島沼周辺および水鳥・湿地センターには

ごみ箱がありません。

行かれる際は、ごみを持ち帰ってください。

また、水鳥が驚くような大声や大きな音を出さない、

などのルールを守ってください。

早起きは少し辛いですが、

水鳥や湿地の光景はその甲斐があると思います。

チャンスがあれば、ぜひ!

【宮島沼/宮島沼水鳥・湿地センター】

北海道美唄市西美唄町大曲3区

TEL: 0126-66-5066

開館時間: 9:00~17:00

     (※マガン最盛期は早朝もトイレのみ使用可、開館時間の延長有)

休館日: 月曜(祝日の場合開館、翌平日休館)

     祝日の翌日

     年末年始(12/31~1/5)

     (※マガン最盛期は休館日なし)

入館料: 無料

http://www.city.bibai.hokkaido.jp/miyajimanuma//index.php

アクセス

・札幌より車(一般道経由)で約1時間15分(約53km)

・札幌より車(道央自動車道経由)で約1時間8分(約65km)

・JR「札幌駅」より特急「オホーツク」「スーパーカムイ」「スーパー宗谷」でJR「美唄駅」下車(所要時間約35分)、JR「美唄駅」より車で約18分

筆者

北海道特派員

市之宮 直子

小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。

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