"けあらし"(蒸気霧)の桂沢湖~北海道三笠市

公開日 : 2015年10月09日
最終更新 :

朝7時過ぎ。

気温6℃のなか、宮島沼(美唄市)で

水鳥の"ねぐら立ち"を見たあと、

三笠市の桂沢湖へ向かいました。

桂沢湖は桂沢ダム建設とともにできた人造湖です。

Misty Katsurazawa lake and a T-rex statue in the lakeside park

Misty Katsurazawa lake and a tyrannosaurus statue in the lakeside park

地元では、桂沢湖といえば恐竜像。

なんともユーモラスな像が桂沢湖畔公園に建っています。

というのも、1970年代に桂沢湖近くで

中生代白亜紀後期の恐竜の化石が

発見されたからです。

ティラノサウルスと同類の恐竜として

"エゾミカサリュウ"と名付けられ、

その発見を機に日本に化石ブームが起きたそうです。

後にその化石はトカゲの一種であるとされ、

恐竜ブームも消えてしまいましたが、

三笠市はアンモナイトの化石が採れることでも有名で、

化石に縁があることには変わりありません。

三笠市立博物館は「アンモナイトの博物館」として

全国的にも有名なアンモナイトのコレクションを所蔵しています。

Forest beginning to turn red and Katsurazawa lake with steam mist

Forest beginning to turn red and Katsurazawa lake with steam mist

気温は低いものの、快晴のこの日、

ティラノサウルス像の向こうに

紅葉し始めた森と蒸気霧が水面を覆う

桂沢湖が見えました。

北海道では蒸気霧を方言で"けあらし"と呼びます。

背景に霧と"けあらし"を従えたティラノサウルスは、

映画の効果のように迫力満点。

Surface with steam mist of Katsurazawa lake

Surface with steam mist of Katsurazawa lake

前夜、三笠市が位置する空知地方全体で、

気温が急激に下がり、明け方には霧が発生。

水温が気温より高くなり、蒸気霧になったようです。

Remained mist over the lake and steam mist

Remained mist over the lake and steam mist

晴れ渡る日差しの中、湖面から立つ

湯気のような"けあらし"は、

なんとも不思議な光景です。

Autumn leaves starts

Autumn leaves starts

日本で最も早い"大雪山系の紅葉"は

すっかり終わってしまいましたが、

北海道のその他の地域は、本格的な紅葉はこれから。

それでも真っ赤に色づいている木がありました。

Autumn red leaves and Katsurazawa lake with steam mist

Autumn red leaves and Katsurazawa lake with steam mist

紅葉とけあらしの桂沢湖。

どちらも思いがけない現象です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

再びティラノサウルス。

到着してから15分ほどで、

"けあらし"は大分なくなっていました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

気温が急激に下がり始めたら、

紅葉が深まる合図です。

この日の"けあらし"現象は、

紅葉シーズンの合図ともいえそうです。

桂沢湖は紅葉の美しさでも知られています。

「今年はとりわけ美しい」と評判だった大雪山系の紅葉。

それに続く鮮やかな紅葉を期待し、

桂沢湖周囲の森の葉が

昨日からの温帯低気圧・暴風に負けずに

たくさん残っていることを祈ります!

【桂沢湖】

北海道三笠市桂沢

アクセス

・札幌より車で約1時間40分(約67km)

・札幌より道央自動車道経由で約1時間10分(約67km)

・JR「岩見沢駅」バスターミナルより中央バス「美唄・奈井江行き」乗車、終点「幾春別」停留所下車(所要時間約54分)下車、タクシーで約10分

筆者

北海道特派員

市之宮 直子

小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。

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