北の海のサカナがズラリ。早起きして行きたい「厚田港朝市」(北海道石狩市)

公開日 : 2021年07月11日
最終更新 :

札幌近郊の漁港と朝市

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▲ Atsuta fishing port in Ishikari City

北海道といえば、新鮮な魚介を思い浮かべる方は多いと思います。
札幌近郊の石狩エリアや後志エリアには、札幌から車で1時間~2時間圏内の漁港がざっと数えただけで15以上あります。
そのなかで1時間ほどでアクセスできる漁港は10ヵ所弱。
小樽方面では、祝津漁港、塩谷漁港、忍路漁港、余市漁港。
石狩方面には、濃昼漁港(ごきびる!)、厚田漁港、古潭漁港など。
季節の新鮮な魚介を販売している生鮮市場は、小樽の「三角市場」や「南樽市場」が有名ですが、春になると、同じく生鮮魚介を直売する「朝市」でにぎわう漁港があります。
今回は石狩市で開催される「厚田港朝市」を紹介します。

厚田港朝市(石狩市)の生鮮魚介

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▲ Morning market at Atsuta fishing port in Ishikari City

札幌中心部から車で約1時間。石狩市厚田区に「厚田漁港」があります。
生鮮魚介が並び、近郊の市町村や札幌からも買い物客が訪れる人気の朝市のひとつです。
朝市が始まるのは、朝7時頃。
札幌を朝7時過ぎに出て、到着したのは8時頃でしたが、駐車場にはすでにたくさんの車が並んでいます。
さっそく車を駐車場に停めて朝市会場へ。

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▲ Freshly caught fish: small flatfish and starry flounder

ぐるりと広場を囲むように立ち並んだ魚屋さん。
どの店も、まだたくさん鮮魚が並んでいます。
個人的に北海道の豊富なサカナを実感するのは「カレイの種類」です。

釧路に住んでいたときは、まさにカレイ天国で、サメガレイ、ババガレイ、マツカワ......など、それまでは実際に見たことがなかったカレイをたくさん目にしました。
厚田港朝市では、まず最初に砂ガレイとカワガレイを見つけました。
見るからに、おいしそうです(カレイ漁期:4月~6月)。

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▲ Salted and dried pointhead flounder

こちらには干した「宗八カレイ」も。
どのカレイもおいしそうで、目移りします。

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▲ Whelk shell

魚だけではありません。
こちらはツブ貝。北海道で最もおいしい貝のひとつです。
(屋根の赤いテント地が水に映って少し赤味を帯びています)

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▲ Scallop

そしてホタテ貝(漁期:4月・7月)もありました。
大きなホタテ貝から小さな稚貝まで。

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▲ Mantis shrimp

そして北海道でも石狩湾だけで漁が行われている「シャコ」が並んでいました。
春漁は4月~6月なので、ほぼ最後のシャコです。
オスが一尾100円、メスは120円。
5尾入って500円のオスを買ったら、おまけで増量してくれました。

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▲ Squid
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▲ Monkfish
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▲ Pickled herring in fermented rice bran, "Nuka-nishin", that is local delicacy in Hokkaido

袋にたっぷり入った「夏イカ」や丸ごとの「アンコウ」まで並んでいました。
鮮魚だけではなく、北海道のローカルグルメ「糠ニシン」や「糠ホッケ」も。
ひと皿500円~1000円くらいで販売している魚介ものが多く、一尾に換算すると100円前後です。

今回購入したシャコのように、おまけで増量してくれることもあります。
地元の人なら思わず何種類も買ってしまう鮮度と価格で、人気がある理由がわかります。
道産子の食卓を垣間見られるスポットともいえます。

旅行中は、鮮魚の買い物は難しいかもしれませんが、ここ、朝市で"北海道でよく食べられる魚"ウオッチングを楽しめると思います。

厚田港朝市で感じた北海道、夏の風物詩

北海道の夏、恐らく多くの道産子が楽しみにしているモノが並んでいました。

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▲ Sea urchin

「ウニ」です。
この日、恐らく一番人気だった「ウニ」。店前には、行列ができていました。
ウニ漁の解禁は、6月。8月までとりたてのウニを食べられるチャンスです。

札幌のレストランなどで、ウニを使った料理が出るのも6月頃から。
お店でウニ料理を味わうもよし、足を延ばせるなら、朝市で磯の香りたっぷりのウニを直に見ることも北海道の夏を感じる風物詩のひとつです。

そしてもうひとつ、漁港の朝市ですが、一角に出店している魚以外の店がありました。
思いがけず、八百屋さんです。

そこにも北海道を代表する夏の風物詩が。

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▲ A pile of corn husk

緑色の山は、とうきび(とうもろこし)の皮です。

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▲ Corn from Furano

とうきびの皮を剥いて販売している場合もありますが......。

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▲ Boiled corn

ここでは、その場で皮を剥いてゆで、「ゆでとうきび」を売っていました。
北海道の夏には決して外すことができない、素朴ですがとてもおいしい風物詩です。

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▲ At Atsuta fishing port

今回のとうきびは、富良野産とのこと。
潮風に吹かれながら、塩ゆでで甘みを引き立たせたジューシーなとうきびは、格別なごちそうです。

アクセスと周辺スポット

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厚田港朝市は、札幌から車で60分ほどと、気軽なドライブ先としてアクセスしやすいスポットです。
朝市は開店の7時頃から、特に週末は8時頃までに到着すると、たくさん並んだ魚を見られると思います。
9時頃になるとかなり混んできて、その頃には売り切れも目にし始めました。

このため、欲しいと思った商品はその場で購入することも朝市での購入のポイントかもしれません。
ぐるりと巡って戻ってみると、割と早くに売り切れていることがあります。
また、朝市界隈には、ほかにお食事処や鮮魚・加工品などを販売する店など、ローカルグルメを楽しめるところがあります。

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▲ Fishmonger, that sells steamed rice with scallop, near the morning market

この日は通りすがりに幟をみつけて思わず立ち寄りました。
「ホタテ炊き込みごはん」に魅せられたからです。

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▲ Steamed rice with scallop

店舗には糠ニシンや塩漬けしたサクラマスなどの加工品が並んでおり、その中に「ホタテ炊き込みごはん」(一人前300円)がありました。
ホタテはもちろん、ごぼうや野菜が入った懐かしい味のホタテ炊き込みご飯は、おいしくてあっという間に胃の中へ。
また、厚田港朝市から徒歩約10分、車でなら約3分の場所に「道の駅あいろーど厚田」があります。
「道の駅あいろーど厚田」の開館時間は、9時半~19時(7月1日~8月31日)。

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▲ "Battera" pressed sushi with herring of FUMIICHI in the roadside station "Airoad Atsuta" near Atsuta fishing poat morning market
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▲ Buckwheat noodle with herring of ICHIJUN in the roadside station "Airoad Atsuta"

道の駅でも厚田産にしんと数の子を使った「にしんばってら」や厚田産にしんの甘露煮を使った厚田産そば粉の10割そば「にしんそば」などを食べられます。
厚田など石狩の物産も数多く販売しているので、朝市とセットで立ち寄ってみてはいかがでしょう。

最後になりましたが、ひと言。
北海道ではスーパーの鮮魚コーナーでもおいしい魚はたくさんありますが、この日購入した干カレイやホッケ、夏イカなど、やはり朝市の魚は格別な味でした!

\t【厚田港朝市】・住所: 北海道石狩市厚田区厚田7-4 厚田漁港内・営業期間: 4月初旬~10月中旬・営業日: 期間中毎日・営業時間: 7:00~14:00頃・定休日: 不定休(悪天候で休業の場合あり)※営業時間・定休日は、新型コロナの影響や季節・天候などにより変更になる場合があります・問合せ先: 石狩湾漁業協同組合厚田支所(TEL:0133-78-2006)

アクセス

  • 【車】札幌中心部より石狩街道経由で国道231号を北上し、約60分(約44km)
  • 【バス】北海道中央バス「札幌ターミナル」より「あいろーど厚田行き」乗車、終点「あいろーど厚田」停下車(所要時間約100分)、徒歩約10分
  • ※札幌ターミナルの始発は6時40分、あいろーど厚田停留所到着は8時19分(2021年7月現在)

関連サイト

筆者

北海道特派員

市之宮 直子

小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。

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