雪解けのニセコで甘露水に舌鼓~ニセコさかもと公園(ニセコ町)

公開日 : 2022年04月20日
最終更新 :

2022年の札幌の根雪がなくなった(積雪ゼロ)は、4月5日(2022年4月5日ウェザーニュースより)。
12月には、夕方16時も過ぎるとあたりが暗くなっていましたが、4月になると18時を過ぎてもまだ明るい!

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日の光にも少しずつ力強さを感じるようになり、ようやく春を感じるようになってきました。
ここまでくれば、ドライブシーズンの到来です。
4月中旬、プチ・ロングドライブでニセコ町まで足を延ばしました。

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春先ドライブのおすすめポイント

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冠雪の羊蹄山(4月・中山峠から)/Mt.Yotei with snowcap in April, from Nakayama Pass in Kimobetsu Village, Hokkaido

北海道の4月は、山間部を中心に雪がまだ残る地域もあり、平地ではようやくふきのとうやクロッカスが咲いている頃です。
花の時期はサクラが咲き始める4月下旬から、本格的に彩にあふれる季節はゴールデンウィークが終わる頃から。
このため、平地では乾いた路面でも、天候や気温によっては、峠を超える時などは路面が凍結しスリップしやすくなっていることもあります。
北海道民は、春先に雪がとけた路面を走るとき、気持ちはかなりはずむので、はやる気持ちを抑え、より安全運転に注意します。

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4月初旬、まだ白い山並み(空知エリア)/Snowcapped mountains in Sorachiarea, April

そんな春先ドライブでのおすすめは、遠くに見えるまだ冠雪の山並みです。
標高にもよりますが、5月くらいまでは遠くにひときわ輝くようにも見える冠雪の山が連なる光景を楽しめます。
雪深い北海道ならではのこの時期限定の風景です。

ドライブの途中、街と街の距離がかなり長いこともある北海道ですが、この時期のドライブなら、道中、遠くに見え隠れする山並みをぜひ楽しんでください。

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札幌から西、小樽・余市を超えてニセコエリアへ

札幌からニセコ方面へ。
札幌からのアクセス方法は、札幌中心部から、「あげいも」が名物の「中山峠」経由で行く方法と、札樽自動車道と後志自動車道経由で小樽市・余市町・仁木町方面から行く方法があります。
今回は、札樽自動車道・後志自動車道を使って向かいました。

後志自動車道は、2018年12月に開通。
高速道路が開通する前は、道路が限られているため、ドライブシーズンになると海水浴や余市町・仁木町の果樹園にフルーツ狩りへ行く車で渋滞することが多く、特に週末、余市・仁木方面へ行くときは渋滞を覚悟しながら向かったものです。
(渋滞とはいっても、本州の高速道路でみられるような規模ではありませんが。)
後志自動車道ができたことで、札幌からのアクセスでは、余市町・仁木町はぐんと近くなりました。

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Snowcapped mountains view in Yoichi Town on the way to Niseko from Sapporo

後志自動車道「余市IC」で高速道路を降りて、通称「フルーツ街道」(北後志東部広域農道)で西隣の仁木町へ。
ブドウ畑の間を走っていると、遠くにはまだ真っ白な雪が残る山々。
札幌から余市町までは曇り空ですが、山の方角(恐らく神恵内方面)は日が差しているようで、雪がより白く見えます。
毎シーズン、この光景を見たくて札幌から少し郊外へ車を走らせます。
フルーツ街道の終わりとともに国道5号を道なりに進み、稲穂峠を越えて共和町に入ります。
途中、峠道では光が差し始めたのですが、麓へ降りる頃には再び曇り空に。

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Mt.Yotei in Kyowa Town

前方には、蝦夷富士、「羊蹄山」(ようていざん)が見えてきました。
標高1,898メートルの羊蹄山は、頂上に雲がかかっていることが多く、この日は終日曇り予報だったので半ばあきらめていましたが、わずかに頂上が見ている(ような見えていないような)。

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Mt.Yotei in Kucchan Town

さらに車を走らせ倶知安町に入ると、羊蹄山の頂上は雲の中に。
周りの畑もわずかですが雪が積もっていました。

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実はすでにニセコエリアには入っていました。
「ニセコ」は、岩内町・共和町・倶知安町・ニセコ町・蘭越町にわたる地域の名前です。
このため、一般的によくいわれている「ニセコの山」とは、倶知安町のスキー場を指していることが多くあります。
今回は、ニセコエリアのなかのニセコ、"ニセコ町"へさらに進みます。

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ニセコ界隈の人気スポット「名水」

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ニセコはスキーリゾートとして、また、ラフティングなどのアウトドアアクティビティができる人気の場所として知られていますが、それと同時にニセコ界隈には「名水」スポットがいくつもあります。
よく知られている名水は「羊蹄山の伏流水」。
京極町・喜茂別村・留寿都村・真狩村にいくつかあります。

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One of the most famous spring water park in Hokkaido at Kyogoku Town/October

なかでも最も有名なスポットは、京極町の「ふきだし公園」です。
また、真狩村の「羊蹄山の湧き水」も北海道民の間では同様によく知られています。
どちらも中山峠経由でニセコエリアに向かうときに立ち寄りやすい名水スポットです。

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ニセコ町「さかもと公園」

今回のプチ・ロングドライブのハイライトは、「ニセコ名水」。
国道5号から道道343号、道道66号(ニセコパノラマライン)を進みニセコ町内に入ると、ニセコパノラマライン沿いの「ニセコグランドホテル」の向かい側に「さかもと公園」があります。

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Niseko Meisui Kanrosui Water Fountain of Sakamoto Park in Niseko Town

「さかもと公園」は私設の公園で、ここを所有される個人の方がニセコ名水を汲むことができる設備を作り一般に開放してくださっているそう。

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そもそもは、昭和天皇が視察で北海道を巡幸され、ニセコ町にご滞在になった際、ニセコの湧水を召し上がり「甘露である」とおっしゃったそう。
ここからこの名水を「甘露水」と呼ぶようになったそうです。
この「甘露水」は、ニセコアンヌプリの山々で雪どけ水や雨水が地中に何十年もかけて浸透・濾過され、湧き水として出てきた清水。

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Sakamoto Park with heavy snow in middle of April

実は「さかもと公園」には、まだ雪がたくさん残っていて、甘露水の設備も雪に埋もれているかも、と覚悟して行くと、案の定、看板もまだ雪に隠れている部分がありました。

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Niseko Meisui Kanrosui Water Fountain of Sakamoto Park in Niseko Town

ところが、甘露水の注ぎ口はしっかり雪から顔を出し、甘露水は絶え間なく流れ出ていました。
写真を撮っていると、羊蹄山系湧き水スポットと同様、ポリタンクや焼酎ペットボトルを持った水汲みの人がちらほら来始めました。
それでも、まだドライブオフシーズン、しかも午前中だったので、人はまばらです。

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念のため、水を汲む待ち時間は、密を避けて車でしばし待機。
(気温は9度ほど)
そしてポリタンクを持った人が水を汲み終える頃を見計らい、水筒の水を急いで空にし「甘露水」を汲みました。

冷たい水ですが、とろみを感じる「甘露」な水。
舌を包み込むようなまろやかさです。
「この甘露水で淹れたコーヒーを飲んでみたい」と思いながら、「さかもと公園」を後にしました。

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Mt. Konbudake and cloud at Niseko Town

所要を済ませて帰りは夕方に。
気温は5度ほどに下がってきて、雨もポツポツと降り始めました。
すると降りてきた雲が昆布岳に低くかかっています。
もし山に登ることができたら、もしかすると雲海が見えたかもしれません。

帰り道の峠は、急激に気温が下がっていたようで、道路から"もや"が立ち上り始めました。
路面から数十センチ程度の高さまででしたが、運転はしにくいので、寒暖の差が激しいこの時期、特に朝夕は運転に気を付けてください。

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周りに雪は残っていましたが、「ニセコ名水 甘露水」は汲めます!
ニセコパノラマラインをドライブするときは、ぜひ「甘露水」を味わってください。
駐車場もあります。

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\t【さかもと公園】(ニセコ名水 甘露水)所在地: 北海道虻田郡ニセコ町ニセコ413-55利用料金: 無料アクセス: 車で札幌中心部より札樽道・後志道経由で約2時間(約114km)、中山峠経由で約2時間15分(約100km)

筆者

北海道特派員

市之宮 直子

小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。

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