北海道積丹町、8月の可憐な野花

公開日 : 2022年08月27日
最終更新 :

2022年8月の北海道、お盆を過ぎると暑さのなかにも朝夕の気温や吹く風に少しずつ秋を感じるようになります。
木々の一部では、気づけば紅葉(黄葉)の準備?と思うような色の変化も見かけるようになります。

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積丹町は、「シャコタンブルー」と呼ばれる神威岬からの光景をはじめとする「積丹の海」の絶景が人気の町ですが、強い海風にさらされながら咲く高山植物もみどころポイントです。

8月、積丹町ドライブ・散策では、なじみがある植物から札幌ではあまりみかけない植物まで、風の中で可憐に咲く花々に遭遇しました。

エゾカワラナデシコ

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海岸近くなどで見かける「エゾカワラナデシコ」。
細く割けているような花びらがかわいらしい花です。
6月くらいから咲き始め、遅いものでは9月くらいまで見かけることも。
神威岬界隈では、あちこちに株で咲いており、急峻な斜面などにも咲いていました。

ハマナス

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北海道の浜辺などではおなじみのハマナス。
"北海道の花"でもあるハマナスは、9月上旬頃まで開花している花を見かけることがありますが、8月にはその多くが実になり赤く色づいています。

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バラ科でその香りはまさに甘いバラの香り。
甘い匂いに誘われ、蜜を吸いにくる昆虫も多く、花をのぞき込むと蟻がいることも少なくありません。
開花したての虫がまだたどり着いていないハマナスの花をみつけると、「ラッキー!」という気持ちで嬉しくなります。

オオヨモギ

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よく見ると、かなり広範囲にわたり、びっしりと生えているヨモギ。
海を背景に何本か細長く突き出て移っているのがヨモギです。
「オオヨモギ」または「オトコヨモギ」だと思いますが、はっきりと区別がつきませんでした。

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草だんごなどに使うヨモギと同じ種類ですが、いくつか種類があり、写真↑のエゾカワラナデシコの後ろと手前に映えている濃い色のヨモギとは色が異なるエゾカワラナデシコの右隣に見える白っぽい植物もまたヨモギで、「ハマオトコヨモギ」と思われます。

大きく伸びて花がついたヨモギは、平地の空き地などでもよくみかけますが、少し白っぽいオオヨモギ(もしくはオトコヨモギ)は、海を背景に映えています。

ハギ

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8月の神威岬では、しばしば見かける「ハギ」。
紫がかったピンクの花が無数についたハギは丈も高く、強風で丈が低い花が多いこの辺りでは、群生していると存在感があります。

ツリガネニンジン

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これまで何度もツリガネニンジンを目にしてきましたが、今回初めて、花びらがどれもピンと張り、蕾付きのきれいなツリガネニンジンに遭遇しました!
とても可憐な色と花。
ツリガネから今にも澄んだ鈴の音が聞こえてきそうです。
写真のツリガネニンジン、とりわけきれいだったのは、生えていた場所が丈が高い草木に囲まれ、やや日陰になっていたこともあるかもしれません。

ススキ

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誰もが知っている「ススキ」。
秋を感じる植物ですが、札幌でもススキの穂をよく見かける季節になりました。
ですが、札幌のススキは、まだ穂が細く締まっています。
積丹町の海風が直接吹き付ける辺りは、少し季節が進んでいるようで、ススキの穂が開き始めています。

アマニュウ

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北海道の草地や森では、比較的よく目にする「アマニュウ」。
白い花が印象的ですが、エゾニュウ、エゾノヨロイグサ、エゾノシシウドなど、よく似た植物も多く、いつも判別するのに手間どい、最終的には植物図鑑「新北海道の花」(梅沢 俊著・北海道大学出版会)で確認しています。

アマニュウは、甘いニュウ(アイヌ語で食べられる植物や野草に用いる名前)という意味だそう。
茎は山菜として食べられるそうですが、個人的にはまだ食べたことはありません。
食べごろがいつなのかもわかりませせんが、その甘さをいつか味わってみたいです。

オオハンゴンソウ

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最後にこちらも北海道各地でよく見る植物「オオハンゴンソウ」。
オオハンゴンソウは、積丹町でも森でよく見かけます。
緑の森を背景に黄色い花びらがよく映え、北海道の短い夏を彩っています。

積丹町は島武意海岸や神威岬、積丹岬、黄金岬と、美しい海岸線とシャコタンブルーの海の色が注目を集めていますが、傍らに咲く花もとてもきれいです。
岬や海岸を散策する際は、ぜひ周りの花も鑑賞してみてください。

なお、積丹町や古平町、余市町など積丹半島エリアでは、水曜定休の飲食店や施設が多いので、訪れる際はランチやディナーをとりたいお店があれば、事前に確認してから出かけてください。

\t【積丹町】所在地: 北海道積丹郡積丹町アクセス: 札幌中心部より札樽自動車道、後志自動車道(余市IC下車)経由、道道229号で約80分      札幌駅前ターミナルより北海道中央バス「高速しゃこたん号」で約3時間15分(夏期のみ運行)。URL(積丹観光協会): https://www.kanko-shakotan.jp/

筆者

北海道特派員

市之宮 直子

小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。

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