大麻の合法化について知っておきたいこと

公開日 : 2014年08月22日
最終更新 :
筆者 : Eko

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、全米50州のうちワシントン州はコロラド州と並んで大麻が合法化されています。

でも、ところ構わずマリファナを吸っている人を見かけるわけではありません。

合法化に伴い様々な規制が設けられました。

嗜好品としての大麻は21歳未満の売買および使用は禁止されています。

これは酒類と同じで身分証明書の提示を求められ、誕生日で年齢確認をされますし、21歳未満のバーやタバーン入店が禁止なのと同じで21歳未満は専売店へ入る事も禁止されています。

この専売店というのは州発行の免許を取得した業者です。

専売店以外での取り扱いは禁止、他ルートから手に入れた大麻は「違法大麻」ということになります。

また、公共の場での大麻使用は禁止です。

それで街なかや公園、喫煙所などで「ところ構わず吸っている人を見かける」ということにはなりません。

専売店も公の場ですから、買ってその場で使用するという事も出来ません。

ただし自分の家の敷地内は公ではありませんから、玄関先で吸っているのを道行く人から見えても罪にはなりません。

でも副流煙など、二次的に発生した煙が隣家の庭に流れ込んだ場合はどうなるか。

そういう細かいところは、事態が発生しながら追々決まりごとが出来て行くのだろうと思われます。

そうなると自分の車の中でならと思うかもしれませんが、大麻使用後の運転は飲酒運転と同じ扱いになり、犯罪です。

受動喫煙の問題から、運転をしていない同乗者が大麻を吸う事も禁止です。

血液検査で体内の濃度が分かるそうで、警察ではキットを用意しているんだそうです。

そして大麻の合法化はワシントン州だけですから、州境を接しているアイダホ州やオレゴン州への持ち出しは違法です。

また、国境を接しているカナダへ持ち出しすれば密輸になります。

ところで先週末、大麻関係のコンベンションが2つありました。

ひとつはタコマで行われたカンナ=コン。

Cannabisというのは大麻のこと、それにConventionを合体させてCannaConです。

これは大麻コンベンションとは言ってもそのものは扱わず、使用する際の周辺機器や関連アクセサリー、グッズ、新製品などのいわゆる見本市でした。

使用許可はありませんから、製品の見本はあっても試供品はいっさい無しでした。

そして、この会場とシャトルバスで結ばれていたのがシアトルのダウンタウンで開催されたヘンプ・フェスト。(Hempfest)

Hempというのは「麻」のことですが、23年前にこの大会が始まったときには大麻の意味で使われていました。

以前は合法化へ向けての抗議集会(protest)だったため、Festivalとの造語でProtestivalなどとも呼ばれたそうです。

他州ではまだそうなのでしょうが、シアトルのは今年からは単なるお祭りイベントになりました。

ところが、もともと禁じられているものを公の場で吸う行為が主だったのが、合法化されたためにビヤガーデンのような囲い込んだ喫煙所を設け、そこでしか吸えない事に。

囲い込みの中に入るには身分証明書の提示を求められ、21歳に1日でも足りない人は門前払いされる事になりました。

合法化されたことで却って規制されてしまう、皮肉というか不自由な気もしますが、それでも大麻を所持していただけで逮捕される事がなくなったというのは良い事なんでしょうね・・・

まとめて見ると、

◆ 専売店以外での売買は違法。

◆ 従って、個人が所持している大麻を買うのも違法。

◆ 私もたまに建物の間の裏道から声をかけられる事がありますが、

  そんな形で手に入る大麻も違法。

◆ 21歳未満の使用は違法、21歳以上の人が21歳未満に渡すのも違法。

◆ 街なかや店内、広場や公園など公共の場での使用は違法。

◆ 個人の車内での使用は違法。

◆ 州外への持ち出しは違法。

大麻合法化といっても決して自由化ではないという事でお考えいただき、知らないうちに法に触れる事のないよう、どうぞお気をつけになってください。

(8月お題"気をつけたい旅のトラブル")

**次の記事で、もう少し大麻について書いています。よろしかったらそちらもご覧になってください**

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参考資料:

University of Washington Alcohol & Drag Abuse Institute: Learn About Marijuana/Factsheet

Washington State Liquor Control Board: Marijuana, Know the Fact

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