シアトルオペラの「トスカ」

公開日 : 2015年02月13日
最終更新 :
筆者 : Eko

少し前になりますが、イタリアの作曲家プッチーニの代表作のオペラ「トスカ」を見て来ました。

ToscaPlaybill.jpg

プッチーニは2006年のトリノ・オリンピックでフィギュアスケートの荒川静香さんが使った「誰も寝てはならぬ Nessun Dorma(ネッスン・ドルマ)」が入っている「トゥーランドット」を作曲した人。

「ラ・ボエーム」や「蝶々夫人」など有名な作品もあり、「ジャンニ・スキッキ」のなかの「私のお父さん O Mio Babbino Caro(オ・ミオ・バンビーノ・カーロ)」は単独でCMにもよく使われる曲です。

(各曲のYoutubeへのリンクは、ネッスン・ドルマが一番似合うと思うパヴァロッティ、そして彼の幼馴染みで同じ乳母に育てられたフレーニを選びました)

会場のマカウ・ホール、暮れにバレエ「くるみ割り人形」を見に来た時には1階席でした。

どちらかというとアットホームな感じで家族向けバレエにピッタリでしたが、今回は2階席です。

数あるオペラのなかでもドラマチックな演目、当たり前のことですが、かなり雰囲気が違います。

InsideMcCawHall.JPG

舞台上方に下がっている水色のパネルにイタリア語の歌詞の英語訳が出ます。

この位置からは楽に全体が一望できますが、1階で近くだと舞台とパネルを見比べるのに忙しい位置もあるかもしれません。

オペラは一般的にはだいたい3時間かかると心づもりをしておくといいと思います。

「トスカ」も第1幕が45〜50分、第2幕が40〜45分、第3幕が25〜30分で、幕間ごとに25分のインターミッションがあります。

例外もありますが、オペラは大体3幕構成ですから、ミュージカルを見に行く時より休憩が1回余分にあるんですね。

休憩時間にはカクテルやワインが飲めるバー、軽食やスイーツを揃えた売店も各階にありますが、やっぱりかなり混みます。

各階ロビーの中ほどにスタバの無人コーヒースタンドがあり、小籠に2ドル入れてセルフサービスで飲めるようになっていて、大概の人達がそこでコーヒーで一息ついていました。

さてオペラ「トスカ」の主要人物は3人です。

政治犯の友人を逃がす手助けをして捕まってしまう画家、カヴァラドッシ。

その恋人で、嫉妬心を利用され騙されて政治犯の居所を喋ってしまう歌手、トスカ。

トスカを利用した上で自分の愛人にしようと企む、警視総監のバロン・スカルピア。

プッチーニはこの頃、ちょっとワーグナーの真似をしたそうで、この3人にはそれぞれテーマ音楽があります。

第1幕の始まりでいきなり演奏されるスカルピアのテーマ、カッコいいんですよ♬

シアトルオペラでこのメインの登場人物を歌った歌手は、こんな人達でした。

ToscaSingers.jpg

見に行った日はたまたまラジオのクラシック専門局KING FM 98.1がライブ中継をする日で、同じ役を日を決めて2人ずつが交代で出演するうちのメインの歌手達で構成されるはずでしたが、写真右下のリトアニア出身のソプラノ歌手が体調を崩したとかで、左側の人が主役のトスカを演じました。

実はこのオペラの第1幕の最後にスカルピアとコーラスが歌う「行け、トスカ! Va, Tosca!」というのが好きで、シアトルオペラのレギュラーでワーグナーも歌うバリトン歌手、グリア・グリムズレイ(写真左上)を聞くのが目的で行ったようなものでした。

(彼は日本でも2012年に佐渡裕さんの「トスカ」でスカルピアを、2013年には神奈川県民ホールのワーグナー生誕200年祭のワーグナー「ワルキューレ」でヴォータンを歌っています)

ところが予習もせず知らずに行ったら、右上のカヴァラドッシ役のテノールの人が思いがけずイタリア式の発声法で、楽しめました。

それでインターミッションの時にプログラムで見たら、ああやっぱりイタリアの人だったんだなって。

そう作られたオペラをその発声の人が歌うのを聞くのは、やっぱり気持ちがいいですね。

うちにあるCDのカヴァラドッシは哀愁を帯びて湿り気のある声の人で、それほど好みでもなく、買い替えを検討しようかなと思いました。

肝心のグリムズレイさんは、席位置が悪かったのか、せっかくの「Va, Tosca!」で一部コーラスと一体化して際立って聞こえず、残念でした。

でも2幕目も合わせスカルピアの嫌らしさは存分に出ていたと思います。

オペラを見に行くと夜おそくなりますし、チケットも決してお安くはないので度々は行けませんが、来シーズンには彼の「さまよえるオランダ人」が予定されているそうで、これも絶対に見に来なければと思いました。

この後シアトルオペラの今シーズンの公演は、2/21〜3/7にヘンデルの「セメレー」と5/2〜5/16にシュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」があります。

なんちゃってオペラファンの私、ヘンデルほど昔のものになるとちょっと・・・ですが、「アリアドネ」はオペラ制作のドタバタと出来上がったオペラの劇中劇という構成で面白いので、ぜひぜひお勧めします!

シアトル・オペラ Seattle Opera

1020 John Street, Seattle, WA

(206) 389-7600

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