-イースターバニーは裁判官だった!?子供達がお庭で卵を探す理由とは?-

公開日 : 2017年04月15日
最終更新 :
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-イースターバニーは裁判官だった!?子供達がお庭で卵を探す理由とは?-

皆さんこんにちは、シアトル特派員のシュローダー 彩です!

日本ではようやく最近馴染みのある響きを持ってきた「イースター」。

前回はその「イースター」本来の起源や歴史をサクッと解説しましたので、

今回パート2となるこの第二弾の記事では、トリビアや雑学、豆知識となるような、

おもしろい話題をピックアップしてご紹介します!

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前回の最後でちょこっとご紹介したイースターで「うさぎ」の意味。

ですが、この「イースターバニー」には、実はもっと深〜い歴史と、

とても重要な仕事の役割があったんです!

そこで今回は、イースターバニーのお仕事、そして意外に若い!?その歴史と、

なぜ海外では「子供達がお庭で卵探しのゲームをする」のか?

その理由も合わせて、サクッと不思議を解き明かしていきましょう!

◎イースター・バニーは新しい!?うさぎのシンボルはドイツが始まり!

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さて「イースター」というと、ここアメリカではあちこちで「イースター・バニー」という

ウサギをキャラクターモチーフにしたアイテムを目にすることが当たり前のようになっていました。

しかし、調べてみると、その歴史はそれほど古いものではなく、

昔は主に英語圏とドイツで、イースターの象徴として使用されていたキャラクターなのだとか。

その歴史は15世紀に始まり、16〜17世紀、または19世紀になってから定着した、

などと様々な説がありますが、イースターエッグと比べると

かなり後になってからイースターの象徴として仲間入りを果たしたようです。

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ちなみにアメリカにこの風習が伝わったのは18世紀、ドイツの移民たちによって広められたとされています。

西ヨーロッパ全体でも、パティスリーやショコラトリーでも、イースターには、「豊穣や春を呼び込むモチーフ」

として「うさぎのシンボル」は広く取り扱われているのですが、

これが「イースターバニー」であるかは定かではありません。

現在でも、イタリアやフランスでは、

「卵(イースター・エッグ)を運んでくるのは教会の鐘」とされているようです。

◎イースターバニーの起源はドイツ!最初は子供達のお説教係だった!?

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さらにおもしろいことに、イースターバニーの起源はドイツにあり、

当初は現在とはちょっと違った形で登場していました。

実は昔は、イースターの季節になると、「野うさぎ」が裁判官役を演じて、

子供達がいい子にしていたか、悪い子だったかを判定していたのだとか。

そして、この「野うさぎ」が、のちに現在のような「イースターバニー」として変化していったそうです。

想像すると、絵本の一場面のような、かわいらしい光景ですね。

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(写真上/ワシントン州スノコルミーの森で偶然出会った、野うさぎの赤ちゃん。小さくてとってもかわいい!!)

ところで、このイースターバニーのお役目どころ、日本ではご存じない方も多いのではないでしょうか?

イースターバニーは、伝承によると、ピーターラビットのように洋服を着ていて、

自前のかごやバスケットに詰めた「カラフルなイースターエッグやキャンディ、おもちゃなどを、

イースターの前夜、良い子たちに贈り物として届ける」という重要な役割があるそうです。

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また本来、イースターバニーは「うさぎ」ではなく「野うさぎ」であることも重要なポイントだったそう。

一見同じような気もしますが、「野生のうさぎ」であることは、

イースターバニーの神秘的な役目を考えるとまさにぴったりで、

どこからともなく現れる姿が人々をハッとさせ、想像を膨らませたのかもしれませんね。

◎イースターの定番イベント!お庭で隠された卵を探すわけ!

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また、イースターというと、子供達がそれぞれカゴなどを片手に、広いお庭で隠された卵を探すイベント、

絵本や映画、または実際に見聞きした方も多いのではないでしょうか?

この宝探しのようなワクワクする子供達のためのイベント「エッグ・ハント」、

事前に大人たちがお庭の木の根元やあちこちに卵の形をしたカプセル入りのお菓子を隠しておき、

イベント当日、子供達が探すというもの。見つけた卵(型のお菓子)は子供達が自分で持ち帰ることができます。

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これも、実は単なる宝探しイベントではなく、イースターバニーに深く関係していて、

イースターバニーがその昔、イースターの前夜に持ってきた卵やお菓子、おもちゃといったギフトを、

良い子のいる「庭の木の鳥の巣の中に置いていく」という物語から来ているのです。

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そして、子供達は朝になると、「自分達の庭の木の鳥の巣に、宝物を取りに行く」という風習があったので、

それが現在では少し形を変え「お庭の木の根元や草むらの中を探す」という風になりました。

木の上、というのも幼い子供達にはちょっと危なっかしいですし、

ちょうど都合の良い庭の木や鳥の巣まで準備するのは、大人たちにもなかなかハードルが高いですよね。

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(写真上/アメリカ全土、シアトルでもよく見かける、野生のリスさん。お食事中のカメラ目線もお手のもの!)

それでは、本日のイースター雑学と豆知識はここまで。みなさん楽しんで頂けたでしょうか?

(今回使用した写真もすべて、ワシントン州、主にシアトルを中心に筆者が撮影したものです。)

次回はイースターにまつわる小話の第三弾、最終話

「イースターから生まれた「パンケーキの日」って?北欧では魔女が卵を配る?」と題し、

イースターが生んだ「パンケーキをたらふく食べる日」の由縁と理由や、

ドイツの人々によってアメリカなどと同じ流れで伝承したはずの「イースターバニー」が、

なぜか「魔法使い」になっちゃった!?という、スウェーデンのちょっと不思議なイースターなど、

おもしろい雑学と豆知識をぎゅっと詰めてお送りします!

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次回もどうぞ、お楽しみに!

もし、この記事でシアトルにちょこっとでも興味がわいて、旅行してみたいなと思われたら、

「地球の歩き方」で様々なシアトル旅行プランを案内していますので、ぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか?

♦記事執筆者:シュローダー 彩(HP:http://ayaschroeder.wixsite.com/ayacafeseattle

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