-イースターから生まれた「パンケーキの日」?北欧では魔女が卵を配る?!-
-イースターから生まれた「パンケーキの日」?北欧では魔女が卵を配る?!-
皆さんこんにちは、シアトル特派員のシュローダー 彩です!
日本でようやく最近馴染みのある響きを持ってきた、
欧米、欧州で「春のクリスマス」ともいえる盛大に祝われるイベント「イースター」。
今回は前回、前々回に引続く第三弾、
イースターのトリビア最終話にふさわしく(?)、食いしん坊の私が衝撃を受けた、
「とにかく沢山のパンケーキを食べること」に専念する「パンケーキ・デー」や、
スウェーデンで今もなお受け継がれている「一風変わったイースターの風習」などをご紹介します!
◎イースターから生まれたお祭り!「パンケーキ・デー」ってなに!?
(写真上/アメリカのパンケーキで定番の人気メニュー「毛布にくるまる子ブタ達」。その名の通り、
パンケーキをブランケットに見立て、それぞれ中にソーセージを巻いた、愛らしい名前のパンケーキ)
ところで、皆さんはこの春の大イベント「イースター」の前に、
これに準じて発生するようになったお祭り「パンケーキ・デー」なるものがある、というのをご存知でしょうか?
「パンケーキ・デー」の「パンケーキ」は文字通り、
日本人の私達も大好きな、昨今流行りのスイーツの、あの「パンケーキ」です。
この日は、パンケーキをどこかのお店に食べに行く、のではなく、自宅や友人、親族の家などで振る舞ったり、
振舞われたりして、とにかくたらふく、嫌になるほど食べ尽くす、というのがアメリカ式です。
まさにパンケーキが食べ放題の、子供達にとっては夢のような1日ですが、人によっては食べ過ぎが限界を超え
「来年までパンケーキをもう見たくもない」なんていう人も。
(写真上/こちらはフレンチトースト。なんと、こちら「チーズケーキを詰めたフレンチトースト」!
上からはベリーたっぷりのソース。このタイプのフレンチトーストはアメリカでとても人気があります)
なぜこの日が、しかもこのパンケーキをたらふく食べる、なんて風習が出来上がったのかといいますと、
そもそもは「イースター」のおおよそ46日前から始まる断食のような期間「四旬節」というものがあり、
この期間40日間の間は、卵・乳製品・砂糖・肉類などの嗜好品を含む
一般に美味しいとされるものを我慢しなければならないのだそうです。
ところが、欧米文化では普段の食事で欠かすことのない乳製品や卵など、
この時期に合わせて都合よく使い切ることはなかなか難しいですし、
封を切って1ヶ月以上もの間、放置するわけにもいきません。
そこで、この「四旬節」という日を前に、家の中にまだ残っているバターや卵、乳製品を、
手っ取り早く使いきってしまう方法はないかと考えあぐねた人々の間で編み出されたのが
「パンケーキ・デー」だった、と言われています。
最も簡単に失敗なく作れて、特別な調理器具を必要とせず、誰もが大好きなパンケーキ。
普段の欧米の食文化の中で切らすことのできない材料を粗末にせず、一度に消費できる様は、
まさに「お台所の救世主」だったことでしょうね。
◎なぜ「フレンチトースト・デー」じゃないの?
ちなみに、同じような材料なのに、なぜ「フレンチトースト・デー」にはならなかったのかというと、
パンは欧州や欧米文化において「主食」であり、特にフレンチトーストに使われるようなものは一般的に
「食事用のパン」であって、菓子パンに分類されるもの
(バターたっぷりの贅沢なクロワッサンやブリオッシュなど)ではないので、
「四旬節」中も食べることができるのだそうです。
そのため、無理にこの断食期間の前に消費する必要がないわけですね。
(写真上/木の実とバナナのチョコレートパンを使ったフレンチトースト。はちみつが良くあいます!)
ところで、この習慣や風習は英語圏のアメリカやイギリス、カナダ以外にも、
ウクライナやロシアで古くから伝統的にパンケーキを食べる「マースレニツァ」と呼ばれるお祭りがあるそうですよ。
◎今年の「パンケーキ・デイ」はいつ?来年は?
また、今年2017年の「パンケーキ・デー」は「2月28日」で
すでに終わってしまいましたが、来年2018年は「2月13日」とされています。
日本で未だ空前絶後のブーム真っ只中にあるパンケーキ業界でも、
来年はこの日とバレンタインデーを掛け合わせて、何か特別なイベントを開催するかもしれませんね。
◎イースター「バニー」、ではなくてイースターの「魔法使い」?!スウェーデンにおけるイースター
さて、アメリカと同じようにドイツの人々がイースターバニーを伝承したものが、
形を変えて独特の伝統になってしまった、とされる興味深い話が、スウェーデンにありました。
19世紀後半、スウェーデンでドイツの人々により語り継がれたはずのイースターバニーの伝承は、
イースターバニーのスウェーデン語による発音がイースターの魔法使いを意味する言葉と酷似していたことから、
20世紀初頭から、スウェーデンではイースターに、「うさぎ」ではなく、
「イースターの魔法使い」がイースターバニーの役目、卵を運んでくる、という習慣が生まれます。
こうして現在でも、スウェーデンではイースターに、子供達が魔法使いの仮装をする、
という風習がしっかりと根付いているのだそうです。
少し、ハロウィンを彷彿とさせる不思議で賑やかなイメージのスウェーデンのイースター。
色とりどりの卵を小さな魔法使いたちが運ぶ姿は、現地へ行って、実際に一度見てみたいものですね!
さて、これまで3回に分けてお送りしてきたイースター特集も今回が最後。
いろいろな豆知識が詰まったイースターの歴史とその雑学、いかがでしたか?
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました!
また、今月4月の記事の更新は勝手ながら所用によりここまで、次回は5月に再スタートさせていただきます!
それでは次回も、アメリカ・シアトルの情報を、 在住者の目線を通してお伝えしていきたいと思います!
お楽しみに!
もし、この記事でシアトルにちょこっとでも興味がわいて、旅行してみたいなと思われたら、
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♦記事執筆者:シュローダー 彩(HP:http://ayaschroeder.wixsite.com/ayacafeseattle)
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