-シアトルの春を探して。桜咲き誇るお花見散歩へ。後編-

公開日 : 2017年04月09日
最終更新 :
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-シアトルの春を探して。桜咲き誇るお花見散歩へ。後編-

皆さんこんにちは!シアトル特派員のシュローダー 彩です。

前回から、シアトルの春を探してマグノリアエリアに来ています。

そのメインとなるお店の立ち並ぶ一角で見つけた、気になる年気入りの石碑、覚えていますか?

(この記事の前編はこちら)

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今回は、そんなマグノリアの歴史にちょっと触れてみるところからお散歩を再開しましょう!

さて、その格好良く苔むした石碑には、このマグノリアエリアへのアメリカ人で最初の入植者や、

もともとこの地に暮らしていた先住者の方々について刻まれていました。

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最初のマグノリアへの入植者である「ドクター・ヘンリー・アレン・スミス」氏は、

カリフォルニアからの移住者でこの地に着いたのは1852年。

その後、病院を開設するなどしつつ、1887年には一万エーカーを所有する大地主になっていたそうです。

いっぽう、元々のこの土地の先住民である半遊牧民の一族「ドュワミッシュ族」は、

当時の連邦政府の調査官の調べで約4000年〜5000年前からこの地域に住んでいた、とされています。

4000年から、5000年前...

...途方もなく、想像するだけで気が遠くなりそうな、悠久の刻を超えた時間ですね...。

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(写真上/マグノリアエリア一帯で桜と共によく見かけた木蓮。写真は紫木蓮の蕾。)

ちなみに「マグノリア」とは「木蓮」のことで、

この記念碑にも中央にシンボルの花のマークが刻まれています。

花言葉は「自然への愛」、「忍耐」、「崇高」、「威厳」と言われており、

また木蓮の「木」には生物学上、同定とみなされる種が約9500万年前に既に存在していたことから、

このいにしえの植物の歴史にちなみ「持続性」という花言葉がついているそうです。

さて、なだらかな上り坂のメインとなる通りを抜けると、だんだんと坂道の角度が急になってきます。

これをなんとか登り切り、振り返ると、ここにもまた素敵な眺めが広がっていました。

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ここから今度は山向こうにある「クイーン・アン」と、

この「マグノリア」を一直線につなぐ「W Dravus Street」へ。

これが今回のシアトルでの春探しの集大成でした。

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日本の桜並木と比べてしまうと、もちろん比較にもならないかもしれませんが、

遠く異郷の地でこの季節にこの花を、

この香りを愛でられることができた私には忘れられないほどの感動的な美しさでした。

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パラ、パラ、とではなく、街路樹として通りにキッチリと一列に植えられ、咲き誇る桜達の儚げながら凛、と佇む

優美な姿には、胸がジーンと熱くなるというものです。

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桜並木となって一列に桃色の美しい花を身につける、日本の象徴と名高い「山桜」にうっとりします。

この「W Dravus Street」の通りを曲がった角の一角などには、様々な種類の桜が、それぞれに美しく、

それぞれに眩しく輝きを放ち、咲き誇っていました。

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(写真上/白色にほんのり、と、薄紅色を花に纏った、降り注ぐ春の雪のような圧巻の美を放つ桜。

「大島桜」や「アメリカ」に似た特徴を持っている。)

薄紅色の、降り注ぐ春の雪のような満開の桜や、あるいは、

宙に浮かぶぼんぼりように、手毬のような丸くまとまった桃色の花房をポン、ポンと青い空に浮べる桜。

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(写真上/大輪の見事な、深みのある緋色の花をまとまって咲かせる「河津桜」と「寒緋桜」を合わせたような桜。

濃い赤紫色の花蕾も美しい。)

そして本当に真っ白な、純白の花びらを鮮緑の萼(がく)に付け、鮮やかな緑の若芽と共に咲く桜も。

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(写真上/純白の白さは発光するよう。眩しい輝きを放つ「白雪桜」と「小葉桜」双方に類似点を持つ桜。

真っ白な大輪の花弁と対照的な、鮮やかな新緑色の芽が、より一層この桜に麗しさを添える。)

どれもが持つ、その秀麗な美しさに思わずその都度立ち止まり、息を飲んで見つめてしまいます。

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(写真上/そして、やっぱり魅入られてしまう、淡紅の桜色の花を可憐ながら、

樹木を覆うように一斉に咲かせるしとやかな「ソメイヨシノ」の物言わぬ儚げな表情。)

このあと、最後のもうひと踏ん張り、と、急勾配の坂道を登り終えて

「クイーン・アン」側の通りの頂きに辿り着き、くるり、と、もと来た道を振り返ると、そこに、待っていた景色。

その美しい風景に、私はしばらく刻の経つのを忘れて、

遠く霞むマグノリアの頂と、このクイーン・アンとを、何度も目で追って往復するのでした。

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(写真上/クイーン・アン側から見たマグノリアへ続く道に咲き誇る桜達)

-今回のお散歩で発見したおまけ-

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(写真上/マグノリアでは、こんなかわいい、ほっこりする標識を見つけました)

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(写真上/DIYショップの外壁に打ち付けられた、絵になるヴィンテージな看板たち)

そしてちなみに、ですが!

今回のお散歩に要した距離の合計は「約21km」、

登った階段数(坂を階段数にして測定もできる万歩計を使用しています)「125段」でした!!

もし歩いて行ってみようかな〜?という方のためにご参考まで。

お散歩して歩くのが大大大好きな私も、今回はさすがにクタクタになってしまいましたよ〜。

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そのマグノリアの中心、今回ご紹介した石碑もある、お店の連なるメインストリートへは、

ダウンタウンからバスも出ています!ぜひ、下記をご参考下さい。

【ダウンタウン→マグノリア行きのバス】

時間:毎時約30分ごと(変更になる可能性あり。事前に下記HPからご確認下さい)

バスの番号:19、24番(変更になる可能性あり)

所要時間:約20分

運賃:$2.50

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さて、今回は前後編とに分け、シアトルの中で感じることのできた日本の春と、美しく珍しい桜たちの数々。

一緒に、この春のお散歩気分を味わって頂けたならとても嬉しく思います。

また、今回の写真(桜等も含め)は、すべて今回散歩したエリアで発見・撮影したものです。

それでは、また次回も、アメリカ・シアトルの情報を、 在住者の目線を通してお伝えしていきたいと思います!

お楽しみに!

もし、この記事でシアトルにちょこっとでも興味がわいて、旅行してみたいなと思われたら、

「地球の歩き方」で様々なシアトル旅行プランを案内していますので、ぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか?

♦記事執筆者:シュローダー 彩(HP:http://ayaschroeder.wixsite.com/ayacafeseattle

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