無性にネンミョンが食べたくなったら…

公開日 : 1998年03月11日
最終更新 :

時々何かが無性に食べたくなることってありませんか。それだけ食べられれば、もう他の物は何も要らないというようなこと。わたしはふとネンミョンが頭から離れないことがあります。ネンミョン、そう冷麺のこと。そんな時はしかたがない。家であろうと街中であろうと、ネンミョンの店に走ります。ソウルの街にネンミョンの店はたくさんありますが、とびきりおいしいネンミョンの店を探すのは大変です。ネンミョンはよくプルコギやカルビを食べた後の「食事」として出てきます。初めは、カルビを思いっきり食べて大満足のところに、「食事は?ネンミョン?それともみそ汁とご飯?」と聞かれ、驚いたものです。「え〜もうお腹いっぱい」とのわたしの返事に韓国人はたいてい「ネンミョンが入る腹は別にあるから大丈夫」となぐさめてくれた(?)ものでした。それが今ではどうでしょう。焼き肉屋を選ぶときの重要なポイントがネンミョンの味になっているのです。知らない店のとき、わたしは窓越しにかならずお客さんの中でネンミョンを食べている人がいないか探します。麺やスープの色、そしてネンミョンそのものを味わっているかどうか観察するのです。単に口直し程度の感覚で食べて、残っていればそこのネンミョンは不合格。おいしい麺とスープなら満腹のお腹にもつるりと入ってしまうものなのですから。本当のネンミョンを味わうなら、やっぱりネンミョン専門店に行くべきです。老舗の少ない韓国でネンミョンは珍しく店主のこだわりが見られる食べ物です。ネンミョンはスープありの「ムルネンミョン」とスープなしで唐辛子味噌でかき混ぜて食べる「ビビンネンミョン」があります。上の写真のようにさっぱりとしたスープに麺が入っているのがムルネンミョン。これは本来は冬の食べ物だったそうです。そのわけはスープにあり。さっぱりとしていてこくと旨みのあるスープは、牛スープとトンチミの汁(汁に根菜類が浮かんだ淡白なキムチ)を合わせたものです。冬の凍てつく寒さの中、裏庭に首まで埋められたキムチの壷から、半分凍りかけたトンチミの汁を取り出し、ネンミョンのスープにするのです。ぬくぬくしたオンドル部屋での冷たいネンミョンの味は格別。もちろん暑い夏にもさっぱりとしたムルネンミョンは食欲を助けてくれます。トンチミの味にこだわりつづける主人のいる店、それが「ナンポミョノク(南浦麺屋)」です。この店は入り口にずらりと大きな壷が並んでいて、トンチミを漬けた順に発酵具合がみられます。店内も韓国の骨董にあふれ、オフィス街にいながら田舎の手作りネンミョンの味が楽しめます。

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「南浦麺屋」のムルネンミョン。さっぱりとしていてこくと旨みのあるスープに、しこしこした麺が最高の味。

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