ワールドカップの興奮覚めやらず

公開日 : 1998年06月30日
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それにしても残念でしたね。韓国も日本も。最近乗ったタクシーで、わたしが日本人とわかると運転手はしきりに日本選手の健闘を誉めてくれました。日本を誉めるなんて珍しいこと。それほど韓国チームは予想外に苦戦したということでしょうか。国民的な盛り上がりを身近に見ていると、誰もがベスト16進出を固く信じているようでしたから。韓国では一般テレビ局が全部で3社ありますが、そのすべてのチャンネルでサッカーの生中継を放映します。初戦メキシコとの試合は深夜にもかかわらず、合計視聴率は70%を超えました。窓の外を見るとマンションの明かりがほとんどついていて、韓国が優勢になる度にわあっと歓声が夜の空に響くんです。ワールドカップ人気にあやかろうという商法もぞくぞく登場しました。韓国がベスト16に進出できたらという条件で、支払った金額の30%を返してくれるというものや、生ビールを無料で提供するという垂れ幕を出したレストラン、予約した旅行費用がただになるというパック旅行などなど、ここぞとばかり「ベスト16」を叫んでいました。万が一実際にベスト16が決まった時、それぞれのサービスを実行できるようにと保険会社は「ワールドカップ商法用保険」をつくったほど。あれもこれも今では水の泡となりました。すでにメキシコ戦に破れ、オランダに大敗した時点で、国民規模の期待もしぼんでしまったようでした。ソウルの中心光化門(クァンファムン)近くの巨大スクリーン前には、サッカーファンが集まり道路にまで座りこみ、応援を続けていましたが、オランダ戦では横になって寝ている人が多かったとか。まあ、日本のゲームからの徹夜観戦ですから無理もないでしょうが、次の日のニュースで、「せっかくの日曜日にふてくされて、布団からなかなか抜け出せずにいた人が多かった」という報道まであって、次の日の月曜日が心配になりました。監督が途中で辞めさせられたことに関しては、70%の人が反対しているとの調査結果も出ました。いくら予想外の負け方をしたからといって、監督にすべての責任を押し付けるのはおかしいという人、今までチャ監督神話までつくって非現実的な報道をしたマスコミが悪いという人、勝ちばかりに執着する国民の悪い癖を指摘する人等など、ワールドカップの夢は消えてもサッカーをめぐる話はつかないようです。

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