ソウルで渡り鳥を見ませんか

公開日 : 1999年12月31日
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 ソウル中心を東西に流れる大河、漢江(ハンガン)。日本で生まれ育った者にとって、漢江(ハンガン)は実に異国的風景を感じさせてくれます。川と呼ぶには幅が広く、水量も多く、スケールが違います。海の町で育ったわたしにとっては、漢江(ハンガン)は海のようです。昼の穏やかな陽射しを受けて流れる漢江(ハンガン)を眺めながら車を走らせるのもいいですし、水面が月影ならぬ街の明かりに照らされてきらきら光る夜景もまたいいものです。 ソウル市民は誰でもこの悠々と流れ続ける漢江(ハンガン)にひとつやふたつ思い出を持っています。お年寄りの昔話には、冬の凍った漢江(ハンガン)を歩いて渡った話やスケートを楽しんだ話がよく出てきます。冷蔵庫のなかった時代、漢江(ハンガン)の氷を貯蔵しておいて使ったそうです。今でも川沿いの地名に「西氷庫(ソビンゴ)」というのが残っています。 最近は地球の温暖化で、すべて凍る日はなくなってしまいましたが、それでも零下の気温で川岸近くに氷が張ると、人々はうれしそうに「漢江(ハンガン)が凍りましたね」と話します。冬のピーンと冷え切った風が吹きぬける漢江(ハンガン)の風景もまたいいものです。 そんな冬の漢江(ハンガン)の風景を楽しめるのが、遊覧船です。国会議事堂のあるヨイドから、ロッテワールドのある蚕室(チャムシル)までを往復しています。ヨイドの船着場が、地下鉄5号線ヨイナル駅2番出口から近くて便利です。 特に冬のシーズンは渡り鳥バードウォッチングツアーがおすすめ。毎年漢江(ハンガン)に一万羽近くやって来る渡り鳥の中で、ヨイド近くの島「パムソム(栗島)」には約千羽から千五百羽が集まり、越冬をします。このツアーでは、遊覧船がヨイドを出発、パムソム(栗島)を経由してまたヨイドに戻ります。このちっぽけな無人島は、1999年8月ソウル市によって自然生態系保存地域として指定され、大都市の中のオアシスとしてその重要性が再確認されたばかりです。漢江(ハンガン)が凍り始めると居場所を求めてさらに多くの鳥たちがやって来るそうです。集まってくる鳥は21種類を数え、オシドリ、カワアイサ、マガモ、コガモ、キンクロハジロなどのカモの種類、アオサギやオジロワシの飛ぶ姿も見ることができます。遊覧船には望遠鏡が設置され、船内には野鳥写真展が開かれています。**漢江(ハンガン)遊覧船「渡り鳥バードウォッチングツアー」**期間:1999年12月1日〜2000年2月29日出航時間:毎日11:30、13:40、15:30出航場所:ヨイド船着場料金:大人6800ウォン、子ども3400ウォン問い合わせ:02-785-4411

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「パムソム(栗島)」周辺に集まる渡り鳥たち

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