韓国の政治大変革「落選運動」の発祥カフェ

公開日 : 2000年02月16日
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 今韓国では久しぶりに、政治のことで国中が沸きかえっている。金大中氏が大統領選を戦っていた頃以来の高潮した雰囲気。4月の選挙を前にその勢いは休まる気配がない。何といっても話題の中心は「落薦・落選運動」 日本でも議員になってほしくない人に一票入れる「ネガティブ票制度」を導入したらという声を聞いたことがあるが、そんな消極的なもんじゃない。韓国450もの市民団体が集まって、「2000年 総選挙市民連帯」という市民の議員監視組織を作り、議員不適格者名簿を発表、各政党に候補者として公認しないよう呼びかけたのだ。 現職議員や連続当選ベテラン格議員、政党を代表する顔が並ぶこの名簿は、次のような基準で選ばれた。不正腐敗、選挙法違反、過去軍事クーデターや反人権的公安事件への直接関与、反民主主義・反憲法的な態度をとった者、地域対立感情を助長した者、職務怠慢な議員、改革的な法案に反対した者、兵役回避や財産の変動現況、公約実行有無など。 この発表は一月下旬にテレビのすべての放送局で生中継された。国民はその朝、テレビにくぎ付け。「市民連帯」のメンバーが徹夜で議論し作成したという名簿を慎重に読み上げると、その姿にみんな感動、共感、カンパの嵐。すっかり国民的運動となったわけだ。 この名簿によってすでに展開されている「落薦運動」は、別名イエローカードキャンペーンとも呼ばれ、旧正月を前にソウル駅前広場で帰省客相手に「無能な政治家を追放しよう」と呼びかけながら、不適格者の名前入り黄色いカードを渡したのだ。 各政党の公認が終わった今、不適格と審判を下された議員名簿の半数が公認されたため、次なる運動を展開中。公認取り消しを求める一方で、公認されても落選させる、題して「落選運動ことレッドカードキャンペーン」だ。  さて、この熱い盛り上がりを一目見たい人におすすめのカフェがある。「新しい政治文化元年」を叫ぶ、この運動の中心で動いているのが「参与連帯」という硬派市民グループ。その団体の入っているビルに「哲学マダン・けやき」という一風変わったカフェがある。店内は勉強会や討論会にも使えるようにと大きな長いテーブルがあったり、本があったり、自由に集うマダン(広場)風。最近では「落選運動」の展開について熱っぽく語り合うグループが多い。 メニューの韓国の伝統茶や軽食はいずれも生協などを通して仕入れたこだわりの味。その辺の喫茶店ではここまできちんとしたものは出てこない。骨董品街・仁寺洞(インサドン)から近いので、買い物に疲れたら立ち寄ってみてはいかが?一人でふらりと入って、ご飯を食べたり、休んだり、手紙を書いたりするのに、ぴったりの場所です。***「哲学マダン・けやき」***行き方:地下鉄3号線安国駅下車一番出口すぐ右のビル2階仁寺洞(インサドン)入り口からは道路を挟んで向かい側になるため、歩道橋を渡る電話:02−720−1991

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 「哲学マダン・けやき」の入り口風景 右下に「レッドカードキャンペーン」のポスターが貼ってある

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