ソウルの年越し

公開日 : 2000年12月30日
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 あまりにも盛り上がりに欠けるソウルの年越し。日本のテレビをつけるとそのギャップに驚いてしまいます。特に今年は不景気と銀行などのストが続き、沈滞気味。しかも、韓国では21世紀の幕開けを去年の年末にしてしまった都合上、皆が特にこれといった思いもなく、静かに年を越すようです。 もともと韓国人にとっては旧正月が本当の年明けですから、無理もないのかもしれません。この2000年から陽暦の年末年始の連休をなくすという政府の方針で、1月1日たった一日だけしか休まなくなってさらに旧暦が重視されるようになった気がします。クリスチャンが多いのでクリスマスが一段落して皆イベント疲れしているという見方もあります。 それでもこの年末年始は土日もあって、少しは休暇が取れるということで、高速道路は渋滞中。スキー場も超満員とか。だからソウルがよけいに静かなのかもしれませんね。 大晦日といえば、除夜の鐘。ソウルの目抜き通り鍾路(チョンノ)にある大きな鐘「鍾閣(チョンガッ)」でも、大勢の人が集まって鐘がつかれます。光化門(クァンファムン)の前の大通りでもパレードなどが午後から予定されています。ソウルの日の出ポイントは漢江(ハンガン)でしょう。地下鉄5号線のヨイナル(Youinaru)駅で下車して、漢江市民公園に出て見ると、比較的日の出が見やすいと思います。 日本で過ごす皆さんには新年初日の東京FMとJ-WAVEのラジオ放送をおすすめします。韓国のMBCスタジオから生放送され、韓国の人気歌謡が紹介されるそうです。東京FMは同日午前1時から午前7時までミレニアム特集番組「ボイス・フロム・ソウル」を、またJ-WAVEは同日午前3時から午前4時30分まで韓国の音楽と文化を紹介する「ハッピーニューアジア」を予定しています。 特にモダンロックバンドの「紫雨林(ジャウリム)」のライブは見逃せません。紫雨林は、秋にあの落選運動でも有名な市民団体「参加連帯」がネットユーザーを対象にしたアンケート調査で「“参加連帯”にぴったりなバンド」に選ばれ、以後、コンサートを開いて収益金を同団体に寄付したりして、話題になりました。 「参加連帯」といえば、社会変革に対する熱い思いを80年代のアングラ民主化闘争舞台から、「市民運動」という90年代の表舞台で展開することに成功した団体。 一方、「紫雨林」といえば、アングラ音楽から、大衆受けする歌謡曲の世界にまで進出したことで知られています。人気が出た今でも、バンドのコンセプトとイメージ管理のためにCMには出演しないというのも彼らならではのスタンス。 そんな彼らが日本に向けてどんなライブをするのか楽しみです。 ソウルで年を越される方もそうでない方も、よいお年をお迎えください。 セヘ・ポク・マーニパドゥセヨ! 

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ソウル・漢江(ハンガン)の日の出(写真/朝鮮日報写真部チョン・ハンシク記者)

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