与党ウリ党惨敗と386世代

公開日 : 2006年06月01日
最終更新 :
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 昨日、地方選挙の行方を案じて書きましたが、やっぱり与党ウリ党は史上最悪の惨敗という結果でした。ソウル市長選挙もウリ党の女性候補は票を集められず、ハンナラ党候補が圧倒勝利をおさめました。 原因はいろいろあるでしょうけれど、ちょうどわたしと同世代の386世代の動きを見ていても、今回はだめだろうなという気配を感じていました。386世代という言葉が生まれたのは90年代のことで、その当時30代がとても元気で、民主化を成し遂げた与党を支持し、政治への関心も高かった時代でした。80年代に学生時代を送った彼らも今や35才から45才という働き盛りの世代に突入し、不景気、就職難、貧富の格差の拡大といった社会の荒波に日常的にさらされているわけです。

 そう、このバスの写真を見ても、彼らの日常がうかがえます。バスの側面に貼られているのは、代理運転サービスの広告。その電話番号に386という数字を入れることで、働き盛りの386世代への宣伝効果を狙っているのです。メガホン片手に叫ぶ子どものイラストには「お父さん、がんばって」のメッセージが。サービス残業で夜遅くまで働き、ソウル郊外のベッドタウンへ帰る30、40代のお父さんはつきあいで飲んだお酒のせいで車の運転ができず、代理運転を利用するというわけです。

 こういう世代が今の政治に失望し、ウリ党を支持し続ける気持ちがうせ、ラディカルな人は民主労働党へ流れ、選挙どころではないと大勢が棄権した結果なのでしょう。ハンナラ党は今回の選挙で50代以上に支持者を増やし、票をうまく集めたということでしょう。

 来年の大統領選挙を控え、空前の政界改変が起こりそうです。

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