由緒あるけど庶民的な湖国三大祭、「大津祭」(宵宮編)

公開日 : 2017年10月09日
最終更新 :

大津は滋賀の県庁所在地の街。

奈良時代の前には国の都が置かれていたり、中世以降は琵琶湖の舟運の集積地として古くから京都の外港の役割を持ち、また東海道の宿場町として栄えた歴史ある場所でもあります。

そんな大津で「大津祭」という、江戸時代から400年続く伝統あるお祭りが毎年行われています。

大津祭は長浜曳山祭・日吉山王祭と並ぶ「湖国三大祭」の一つであり、国の重要無形民俗文化財に指定されている由緒あるお祭りなんです。

江戸時代、天孫神社のお祭りに塩売治兵衛という人がお猿のお面をつけて踊ったのが起源と言われています。

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▲起源となったお猿の面

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毎年10月体育の日前日が本祭、前々日が宵宮と決まっており、今年の宵宮は10月7日に行われました。

「大津祭」の主役は13の各山町自慢の曳山。

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各曳山にはそれぞれ様々な物語や言い伝えの一部を再現した「からくり」があり、豪華な織物で飾られています。

(各曳山の種類や解説はこちらのページに詳しく紹介されています)

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宵宮はこの「からくり」や「見送り(曳山の後ろに取り付けられる織物などの幕)」が曳山から降ろされており、近くで見ることが可能です。

上の写真は「源氏山」のからくり。源氏物語をテーマにしており紫式部が石山寺にて源氏物語の構想を練っているところを表現したものなんです。

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これは「月宮殿山」の見送り。なぜかベルギー製でトロイ落城の情景を表したゴブラン織りなんです。

からくりの多くにも中国の故事などを表現したものがいくつかあり、大津が古くから大陸の文化へのなじみが深かったということがわかります。

この『ごちゃまぜ感』も大津祭が敷居が高く無くて面白いところ。今で言うとディズニーランドのパレードみたいな感じ?

それをもっと感じさせるのが、布袋さんの「ねりもの」。

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「ねりもの」とは曳山巡行の後ろを練り歩いた被り物の衣装のこと。

今は使用されていませんが、昔はこれを被って「ねり歩いた」そうです。

現在でいう(ゆるきゃらの被り物)といったものでしょうか。

ちなみに大津祭にもちま吉っていうゆるキャラがいますよ。

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それぞれの曳山が留め置かれた町では大吊提灯が飾り付けられ、

「ピーヒャラ、ピーヒャララ」とお囃子が21時過ぎまで鳴り響き、お祭りムードを盛り上げます。

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▲西行桜狸山(これが祭り発祥の曳山。毎年この曳山が「くじ取らず」といって1番に巡行を始めます)

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▲湯立山

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▲月宮殿山

各山では粽や手ぬぐいなどが売られていたり、全ての山を巡るスタンプラリーなんかも実施されています。

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山によってはビールやおつまみが販売されてたり、

また振る舞い酒をされている山もありました。(ちなみに浅茅生という地酒は大津のアーケード街に酒蔵があるんですよ。)

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本祭で各曳山が巡行する東海道を含む各通りにはお店やお家の1回に幕や提灯が飾られ、

お店によってはショーウインドウ内に大津祭にちなんだものが飾ってあったりします。

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こういった趣向を凝らした飾りを見ながら夜の大津を歩くのもなかなか楽しいですよ。

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各通りに面したお店やお家の窓は全開になっており明日の本祭の観覧席に。

明日はここにおうちの方や親せき集まって曳山のからくりを間近に見る特等席となるんですね。

街中は屋台などもなく、お祭りの歴史や風情を十分に感じながら歩くことができますよ。

でも祭りの楽しみの一つと言ったらやっぱり屋台。ではどこに?

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実は屋台は天孫神社の境内の中に。あまり広い境内ではないので満員電車なみの大混雑。

ですが、これはこれで人々の熱気と屋台の美味しいものの匂いが凝縮し、カオスな祭の醍醐味を堪能できます!

実は今回Funazushi-maruは明日の本祭に「孔明祈水山」の綱の引手にボランティアとして参加させていただくことに。

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山の責任者の方に聞くと体育の日の3連休はほとんど雨が降ったことがない、らしい。(梅雨時の祇園祭りは毎回雨ですが・・・)

明日も絶好の祭り日和になるみたい!

初めての曳山に初めての法被、楽しみだあ!

筆者

滋賀特派員

フナズシマル

皆様に是非訪れてほしいマニアックな滋賀のマニアックなスポットをご紹介していきます!

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