近江商人の栄華を感じる「日野ひなまつり紀行」

公開日 : 2018年03月05日
最終更新 :

近江商人の町「日野」のひな人形

滋賀県蒲生郡日野町、琵琶湖から遠く離れ三重県との県境、鈴鹿山脈の西麓に位置します。

ここは室町時代より蒲生氏郷を始めとした蒲生氏が約400年納めた城下町。また近江八幡・五箇荘と並ぶ「近江商人」の町として江戸時代には大いに発展したという歴史があります。

日野商人は八幡商人から遅れて登場しましたが、同じく全国への行商によって莫大な富を築きました。

そんな日野商人の往時の栄華を感じる催しが2月11日~3月11日まで行われています。

それが「日野ひなまつり紀行」です。

この催しは、今も歴史情緒が色濃く残る日野町内の各家々(およそ150か所)のひな人形が、通りに面する形で飾られます。

訪れた人はその豪勢な雛人形たちを見ながら近江商人の時代へタイムスリップするのです。

テーマは「街を巡る、時を巡る、江戸時代から現代までの"おひなさま"見て歩記」!

「日野ひなまつり紀行」の様子

「日野ひなまつり紀行」の会場へは近江鉄道「日野駅」から徒歩2㎞。

そこから東西約1.5㎞の町のメイン通り"日野商人街道"が主な会場となります。

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会場のあちこちには無料の駐車場も多く、車で移動も可能です。ただ道は細く歩行者も多いので通行は注意が必要。

またメイン通り以外の町の奥にも見どころがあるので、できれば徒歩か自転車がおススメです。

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通りに面したお家(さすが近江商人のご子孫の方々、一見ではわかりませんがかなり大きなお家ばかり・・・)には「桟敷窓」という板塀の一部が四角く切り抜かれた変わった窓があります。

この桟敷窓、本来は毎年5月3日に行われる「日野祭」を見物するために設けられた窓。

800年続く歴史あるお祭りの時には、ご親戚やご友人を招いて祭りを見物するそうです。

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そんな桟敷窓の奥にひっそりと雛人形が飾られています。

他にも・・・、

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お家の窓を開いて見せてくれているものや、

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格子窓の向こう側からそっと覗くように置かれた雛人形も・・・。

雛段の赤が映える様子が、どことなく遊郭の妖艶な雰囲気とも重なって見えてしまうような・・・。

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今風の造りのお家でも雛人形が飾られ、個性豊かな様々な工夫が施されていますよ。そんなのも見て歩くのも楽しいですね。

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江戸時代から栄華を誇った日野商人。代々伝わる雛人形には江戸時代から残っているものもあります。

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こちらは元禄年間から残っている「元禄雛」というもの。当時商人達はあまり大きい雛人形を作ると武士達から睨まれるため人形の大きさは控えめで、しかし五人囃子や三人官女など数を多くしたとのこと。それが今でも続く段飾りの由来となっています。商人たちの意地ですね。

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東会場の端にある老舗菓舗「かぎや」さん。こちらのひな人形には数で圧巻されます!

かぎやさんの店舗横の家がまるまる雛段で埋め尽くされ、休憩所として提供されているのです。窓の外からそっと眺めるのも風情がありますが、間近で見られる雛人形たちも迫力がありますね。

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休憩所ではかぎやさんの美味しい「柚子羊羹」とお茶のサービスが。柚子羊羹はほんのりとした酸味が爽やかで大変美味しい!

その他、会場内はひな祭りらしいかわいらしい飾りで彩られています。

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よく見ると竹の中にもお雛様・・・、町のあちこちにこういった飾りが。

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また手作りの折り紙で部屋を一杯にデコレーションされているお家も。

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カエル??

たまにはこんなご愛敬もあったりして・・・

普段は普通のお家なので知らない人間がズカズカと入れるところではないのですが、この時ばかりは是非見てくださいと案内されているお家もあります。皆さん年に1回のひままつり紀行に合わせて考えてきた飾りつけの成果を競うかのようです。

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東西会場の中心あたりには日野商人発展の基礎となった薬屋「旧正野玄三薬店」があります。今は観光案内所「日野まちかど感応館」としてお土産品なども扱ってます。

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会場内には、このような休憩所がいくつかあり、ひなまつり紀行の期間中の土日を中心に地元の方がおもてなしをしてくださっています。

そんな中から僕も「日野うどん」(1杯300円)をいただきました。

しっかりした味噌のお出汁と野菜が入って、素朴かつ食べ応えがあります。

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日野うどんの隣には日野祭で曳かれる「曳山」が...

町内にはこのような曳山が16基もあるそうで、日野祭の際には勇壮に町内を練り歩くのでしょう。しかし、さして大きくはないこの町に16基も曳山が有るというだけでも近江商人の財力に感嘆してしまいます。

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この日はたまたまですが、ひなまつり紀行に合わせて結婚式をしたカップルも。

祭り会場沿道の皆さんに芸能バリにカメラの攻撃にあっていました。こんな日にご結婚され沢山の方から祝福を受けるなんていいですね。

末永くお幸せに!

【日野まちかど感応館】

〒529-1604滋賀県蒲生郡日野町村井1284番地

電話:0748-52-6577 / FAX:0748-52-6017

開館時間:午前9時~午後5時

休  館:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)/年末年始

入館料金:無料

アクセス:JR近江八幡駅叉は近江鉄道日野駅から北畑口行バス西の宮(停)下車。すぐ。

筆者

滋賀特派員

フナズシマル

皆様に是非訪れてほしいマニアックな滋賀のマニアックなスポットをご紹介していきます!

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