お手軽なのに大満足!奇岩・巨岩の絶景が広がる金勝アルプス

公開日 : 2019年05月05日
最終更新 :

お手軽ハイキングできる金勝アルプス

私の自宅から車で20分、超ご近所に「金勝アルプス」という、とても気軽にハイキングが楽しめる場所があるのでご紹介したいと思います。

といっても、今回私も20年草津市に住んでいますが初めて行きました。

行ってみてビックリ! 高いところでも標高600mほどの低山にも関わらず、非常に変化に富んだルート、奇岩や巨岩が織りなす風景や展望、整備された登山道やアクセスの良さなどによって、あらゆる面でハイキングを楽しめる要素を凝縮した山だったのです。

スーパーGWはもう終わってしまいますが、遠方へはるばる渋滞を潜り抜けて行かなくても、近所で遊べる場所を見つけてしまいました!

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まず起点となるのは、子供たちが小さい頃によく行った「桐生キャンプ場」。

こちらで協力金(駐車場利用)700円を支払って車を停めます。駐車場は70台ほどは止められますが、この日はほぼ満車。4月~11月以外は無料だったりしますよ。

今回は駐車場を出て、まず目指すは「落ヶ滝」へ。その後「天狗岩」という巨岩の展望スポットへ向かい、「白石峰」から「狛坂摩崖仏」のある廃寺跡を通り、「逆さ観音」「オランダ堰堤」を経て、駐車場に戻るおそらく最もオススメの見所満載ルートです。

標準的な所要時間は約5時間ということ。さあ出発!

アスレチック要素も満載の楽しい道

歩き始めてすぐに北海道の湿原のような広々としたダム湖の風景が広がり、山桜の花びらが舞い散る中、徐々に木々の中へと誘われます。

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山の中には小さなせせらぎがいくつも流れており、それらを渡るのも面白いです。

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ルート沿いに流れるせせらぎの音に癒されつつ登っていくと大岩が。このようなちょっと登りにくいような場所には必ずロープが設置されており安心です。

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歩き始めて30分ほどで最初の見所スポット「落ヶ滝」へ到着。高さ20mという大きな一枚岩の塊から水が流れ落ちる様が素晴らしい!

巨岩・奇岩が織りなす絶景ゾーン

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さて、一旦分岐点まで戻って天狗岩を目指します。

尾根筋を歩いていくと、大きな奇岩が山頂にむき出しになった景観が広がっていきます。その異様な風景も見ごたえあり。

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ルート上には「コールポイント」と呼ばれる携帯電話の電波が通じやすい場所に「K-1」などの番号の書かれた標識が設置されており、万が一遭難の際にはこの番号を伝えることで、場所を特定できます。そのコールポイントを落ヶ滝から10個目まで進んだところで天狗岩に到着。

山頂にどんと積み上げられたような巨大な岩には登ることができます。手すりや鎖場もありスリルも満点!

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登り切った先には、湖南地域一円や琵琶湖を望める絶景が広がっていました。晴れていれば南は奈良の生駒山、北は伊吹山まで見渡せるそうです。

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と、つい先日に5年で500回も金勝アルプスに登ったという強者のお父さんに教えていただきました。

たしかにこの景色とここまでの道のり、来る人を虜にするだけの魅力にあふれています。

いにしえの空気に包まれる史跡ゾーン

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ここからは下り基調で進みます。

白石峰を越え小一時間程度あるくと、古びた石垣や石塔、お地蔵様が点々とする区域にでました。その目線の先に現れたのが「狛坂摩崖仏」。高さ6mもの大岩に浮き彫りされた大変立派な三尊仏です。

近江には沢山の渡来系の人々が住んでおり、そういった技術者によって奈良時代から平安時代に作られたもののようです。

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この山にはいたるところにこういった摩崖仏があるんですよ。歴史好きの人も満足させるだけの秘密に溢れています。

こちらは「逆さ観音」という摩崖仏、元々はもっと上にあったものらしいのですが、石を切り出したときにバランスを崩して落ちて来たと言われています。

なんで石を切り出したかというと、この先にある「オランダ堰堤」を作るため。

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奈良時代、平城京や東大寺の大仏を作るために沢山のこの山の木が切られました。そのため江戸時代までこのあたり一帯は完全な禿山だったそうです。山の土砂は雨で簡単に流れるようになり、それらは周囲の川を天井川にしてしまったほか、瀬田川を通じて大阪湾まで流れ込むくらいに。

明治22年、オランダ人技術者であるヨハネス・デ・レーケの指導の元、この堰堤を始めとした治水施設を山一帯に整備しました。

これらの貯砂機能はいまでも現役で果たしています。

金勝山の周囲には他にも様々な登山道が整備。また道の駅や金勝寺といった由緒あるお寺など見所も沢山。夏は桐生キャンプ場やオランダ堰堤での水遊びなどファミリーでの利用にもぴったりですよ。

【栗東市観光物産協会】

※金勝山ハイキングについての情報はこちらに詳しく出ています。金勝山は栗東市と大津市に跨っており、

 今回ご紹介した起点の駐車場は大津市になりますので、ご注意ください。

〇アクセス:

(車)一丈野駐車場:新名神高速道路「草津田上IC」から県道2号線を東へ進み県道108号線へ入り一丈野駐車場へ(ICからの所要時間:約10分)

(公共交通)上桐生バス停:JR琵琶湖線「草津駅」東口から、帝産湖南交通バス「上桐生」行き終点下車、徒歩5分。(バス所要時間:約30分)

筆者

滋賀特派員

フナズシマル

皆様に是非訪れてほしいマニアックな滋賀のマニアックなスポットをご紹介していきます!

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