【レポート】さらしでおんぶ & おむつなし育児

公開日 : 2015年10月06日
最終更新 :
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今はとっても便利な子育てグッズが世の中にたくさんあふれていますが、1000円ちょっとで薬局や通販で買える晒(さらし)でおんぶをしたり、紙おむつを使わなくてもベビィちゃんにおまるやトイレでおしっこ、うんちをさせてあげるという子育てスタイルがあるのをご存知でしょうか?

私は娘をグアムで妊娠中、日本語で育児情報がほしいなと思った時にお友だちが『自然育児友の会』の冊子を送ってきてくださったのがきっかけで"おむつなし育児"のことを知り、娘が生後3週間の時から自然育児友の会の先輩やネットの情報を参考に、私の布ナプキンをつけておくためのホーロー鍋をおまる代わりにして、夫とふたり、娘におまるでおしっこをさせてあげるようになりました(その後ホーローおまるを買いました)。

新生児に近い時って、ベビィちゃんの基本的な欲求って"寝る、食べる、排泄する"というシンプルな3つくらいしかないので、おまる開始2日目には夫が最初におまるでおしっこキャッチに成功!その翌日には私も成功で、あとは夫とふたり、ちょっとしたゲーム感覚で、「あ、これ、おしっこの合図よね」とか、「最近おしっこの合図が変わってきたと思うんだけれど、どう思う?」などと話し合いながら、時に悪戦苦闘しつつもおむつなし育児を楽しみました。

でも晒でおんぶをするというのは、日本に本帰国した直後に以前から定期購読していた『クーヨン』の記事を読むまで全然知らず、これはぜひともどんなものか知りたい!と思っていたところ、素敵なご縁がつながって『湘南おむつなし育児の会&さらしおんぶの会』の松園亜矢さんと偶然にもお目にかかることに。それで実際に松園さんの晒で娘を背負わせていただいたところ、これが思っていた以上に簡単!

そこで今回は松園さんと1歳2ヶ月のお子さんにモデルさんになっていただき、晒でおんぶってどんな感じなの?と思われる方のために、完成図をご紹介してみますね。

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じゃ〜ん!

こちらが幅33センチ、長さ4.5メートルの一般的なさらしでおんぶしていただき、できあがりの様子を横と後ろから写真に撮ってみたものです!

ポイントはお子さんのお顔がママのお顔と同じ高さに来ること。

お子さんの背中を丸めるのではなく、まっすぐ姿勢よく背負うこと。

つまりお子さんはママと同じ目線でママが見ている景色を一緒に楽しむことができ、手も自由に動かすことができるので、好奇心を満たされて満足。ママもベビィちゃんの腕が肩にかかることでベビィちゃんの体重をいろいろなところに分散して背負えるので楽ちん。なによりカラダの前面があくと家事がはかどる、はかどる!

家事をしたり疲れてきたりするとママのカラダは前傾姿勢になりがちなので、カラダの前に抱っこをしているとどんどんベビィちゃんとママのカラダが離れてしまい、よりベビィちゃんの体重が肩や腰など抱っこ紐とママのカラダの接点にだけかかってしまいがちですが、ひとのカラダは後傾姿勢にはなりにくいので、おんぶの場合、ベビィちゃんとママのカラダの密着度が高く、背面全体でベビィちゃんの体重を受け止められるというのは、思っている以上に楽ちんです。

ここでちょっと興味を持ってくださった方が実際に試してみたいな〜と思ったら晒さえ用意できればすぐにでも始められるように、写真で図解してみたいと思いますね!

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まずは晒の真ん中をベビィちゃんの背中に当て、それぞれ脇の下からカラダの前面に回し、しっかりと握ります(写真左)。

右利きの方は恐らく右手で握る方がやりやすいと思いますが、これは左右どちらでも構いません。

もし右手で晒を握る場合は、左手をベビィちゃんのお尻に添えて、よっこいしょっと右側から担ぎ上げます(写真中央)。

この時カラダを少し前傾させると楽ですが、前傾し過ぎるとベビィちゃんが頭から落ちてしまうので、写真中央のように30度くらい(?)がいいようです。

そうして左側の晒だけ頭の上からひょいっと左側にかけ、晒を左右の肩の上からたらし、胸の前で握ります(写真右)。

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次に左右どちらからでも構いませんが、例えば左側の晒を顎で挟み、右側の晒を広げて(写真左)、右腕の下を通してベビィちゃんのお尻の下に回し(写真中央)、左の脇の下を通します(写真右)。

この時にできるだけ晒が広げられた状態になるように調整できると食い込みにくくてママもベビィちゃんも楽。

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左の脇の下を通した晒(写真では晒のピンク色の部分)を左肩の上から垂れている晒(晒の青い部分)の下を通して顎で挟みます(写真左)。

今度は左肩の晒を広げて左の脇の下を通して(写真中央)ベビィちゃんのお尻の下を通し(写真右)、右の脇の下からカラダの前方に回します。

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ベビィちゃんの頭がママと同じくらいの高さになっていることを確認したら(下がっていたらベビィちゃんのカラダを少し上に持ち上げてあげてください。カラダを前傾させていると楽ですが、頭が下がり過ぎないように気をつけて)、キュッキュッと晒を締め(写真左)、ベビィちゃんのカラダとママの背中が密着するようにしてから胸の上で晒をチョウチョ結びにし(写真右)、最後に垂れている布を胸の結び目の下から通してクッションを作るとできあがり(完成形の写真左で、チョウチョ結びの結び目の上に晒の紫とピンクの部分がちょっと見えていますが、こういうことです)!

胸の横や肩の布を広げて食い込みにくく調整し、心地いい感じをみつけてみてくださいね。

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『湘南おむつなし育児の会&さらしおんぶの会』の松園さんは4人のお子さんを全員さらしおんぶとおむつなし育児で育てていらっしゃるという方。

さらしでおんぶすることも、紙おむつを使わずにできるだけトイレやおまるなどで排泄させてあげるということも、昔の日本ではごくごく普通のこと。

昔のお母さんたちがどの程度そのことに意識的だったのかわかりませんが、さらしおんぶもおむつなし育児も、ママがどれだけ便利なのかというよりは、ベビィちゃんがどれだけ心地よく過ごせるかということがキーポイントになっています。ママと同じ目線で姿勢よく背負われているのでお子さんも満足とか、おしっこやうんちをおむつ以外で排泄したり排泄をコントロールしたりできるのはお尻が気持ちいいとか、考えてみたら納得ですよね。

実際、先日のイベントの時は1歳2ヶ月の息子さんを一日中おんぶしていらっしゃった松園さんですが、以前お目にかかった時同様、この息子さんが本当に泣かないんです!

松園さんの背中では本当によくすやすやと寝ているし、起きていてもぐずらないし、もちろんおもらししてしまう前にトイレやおまるに連れて行ってもらえるのでおむつが気持ち悪くて泣くこともないし(というか、生後10ヶ月でおむつは完全にはずしたそう)、赤ちゃんは泣くのがお仕事というのは、真実ではないな〜と感じます。

また松園さんが『湘南おむつなし育児の会&さらしおんぶの会』の活動を通じてさらしおんぶやおむつなし育児をもう一度広めたいと精力的に活動していらっしゃるもうひとつの理由は、いつ有事があってもおかしくない日本で、その辺りにある適当なもので安全に子どもを連れて避難できたり、救助を待たなければいけない状況や被災地で、できるだけ快適にベビィちゃんに排泄させてあげるられるスキルを日頃から身につけておくといいのではという想いがあるからなのだそうです。

実際、さらしおんぶだとお子さんを背負っても両手があく上に走ることもでき、また背負うひとの体重を身体全体で受け止められるので、お年寄りや身体の不自由な成人の方もおんぶすることができるのだとか。

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実際に私も2歳5ヶ月の娘を背負ってみると、そもそもおんぶ紐のように晒が重くないからか、それとも体重を分散させながら背負うことができるからか、いつもよりも軽く感じる気がします。

またエルゴなどの抱っこ紐はどうしてもかさばってしまうので、外出は必ず車というグアムでは車に載せておけばいつでも使えたのですが、日本のように電車移動が多くなってくると、ついつい荷物になる抱っこ紐は家に置いて行ってしまいがちで、そういう時に限って外出先で疲れたり甘えたくなったりして抱っこ〜の大コール(泣)。でも晒は軽くてかさばらないので、今日はちょっとおでかけ長いし...という時にぽんとバッグの中に入れておくことができて安心です。

また市販の抱っこ紐に比べて晒はずっとお安くてどこでも買えるという点もうれしいもの♪

もちろん真っ白な晒を使われてもいいですし、松園さんは晒をいろいろな色に染めておしゃれを楽しんでいらっしゃって、いつもとてもファッショナブル!

『湘南おむつなし育児の会&さらしおんぶの会』では七色に染め上げた晒を購入することもできますし、松園さんと一緒に晒を自分で染めてみるワークショップなども開かれていらっしゃいますよ。

『湘南おむつなし育児の会&さらしおんぶの会』の茶話会やイベントに参加されたり、また興味はあるけれどどうしたらいいかわからない方、実際にご自分でさらしおんぶをしてみて質問がある方はFacebookやメールでお問い合わせくださいね。

おむつなし育児も本当に奥が深いので、また次回、私の体験談を交えながらご紹介させていただきたいと思いますが、まずはぜひさらしおんぶにチャレンジしてみてください!!

湘南おむつなし育児の会&さらしおんぶの会

   Facebook:www.facebook.com/shonan.omtns

   メール:shonan.omt.onb@gmail.com

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