バンテアイミエンチェイ - ピーマイ 5日間の旅 初日 4

公開日 : 2008年08月24日
最終更新 :

自転車がやっと通れるくらいで、あとは大変、完全なまでのでこぼこ赤土小道を抜けると左手に大きな環濠が見える。まずここが先に示していた寺院「プラサットカッセン」に間違いなかろう。東西に抜ける参道を渡り崩壊が進んだ寺院を見る。寺院整備こそ行われていないが、1メートルほどの知恵神ガネーシャとバラモン僧の像がある。造られてそれほど経っていないようだが、カンボジアでこの様に配置されることは珍しい。寺院をぐるぐる回っていると子供たちとガキ大将が凧あげを楽しんでいた。

ふむ、ガキ大将のウェイブのもと、再び赤土道に戻る。ニワトリや、子犬が横切る道路を高速で進む。ところどころでピーロムが村人に何かないか尋ねているが、めぼしいものと言えば数年前に発見された2000年前の人骨だけだという。それもすでに外国人調査団が昨年度持ち帰ったといい、今訪れてももうなにも残ってないのだそうだ。

次の目的地はバンテアイトープ(軍隊の砦)寺院に決定。この寺院にはすでに5回ほど訪れており、比較的あっさり辿り着いた。敷地外部から寺院全体を見渡すと三つののっぽ祠堂が三兄弟のように背較べしている。そのまま手前に建つ背が高いのっぺり寺院に入る。彫刻などはあまり残っていないが、興味深いのは木製の天蓋の残骸だ。砂岩に刻まれた蓮の花とサイズこそ違えどきっちりと彫りこまれている。最近崩れ落ちたばかりなのだろう、奥の祠堂の入り口部には真新しい砂岩の破片が残されている。足もとに気をつけながら内部に入ると緑色の細いヘビが足音に気付いて逃げて去った。

中心祠堂に戻るとピーロムがねもとに講釈をしている。若干25歳である彼だが、以外と博学、大学でツーリズムを専攻していたこともあり、クメール寺院を含むカンボジアの見所に関する知識は非常で豊富である。また勘が鋭く、1を聞いて10を知るタイプの人間であるため、聴講者に対して的を得た説明、質問に対する答えを返すことができるといった、カンボジアでは希少な人物である。この寺院に関する歴史と、創建した王についての説明であるが、クメール遺跡は好きのねもとは、その歴史に関して一生懸命聞きいっている。

筆者

カンボジア特派員

西村 清志郎

カンボジア観光省プロモーション&マーケティング部に所属しながら、現地旅行会社を運営しています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。