オドーミエンチェイ州 タイとカンボジア国境交戦による難民キャンプ訪問

公開日 : 2011年05月01日
最終更新 :
Refugee Camp (5).jpg

オドーミエンチェイ州 タイとカンボジア国境交戦による難民キャンプ訪問

ここ最近、日本のニュースでも少し報道されていると思われる、カンボジアの国境問題。

特に世界遺産に認定されている「プレアヴィヒア」寺院がそのポイントになっているのですが、その問題により国境地域に住んでいた人達が難民となってます。

今回は、カンボジア旅行協会として慰問することとなり、オドーミエンチェイ州の州都サムラオンにある難民キャンプを2か所訪問してきました。

難民キャンプと言っても、実際イメージが掴みづらいかもしれませんが、カンボジアの場合、その多くはお寺や学校に併設されています。ちなみに現在13か所、15000世帯、約40000人が村ごとに振り分けられて住んでいるとのことです。

国境からキャンプまでは、彼らのメインの移動手段である耕運機に荷台をつけて家財道具一切合切を持って引っ越してきている訳なのですが、キャンプではもちろん仕事などある訳でもなく、貯蓄だけでは生活できるはずもない為、家によっては、家財を売り払いながら生活しています。

Refugee 2.jpg

時折、国や国民からの義援金や寄付金、差し入れやらがカンボジアの王や高官などからあるくらいで、生活は困窮を極めてきています。

ちなみに今日は国王からの差し入れ日でした。もちろん国王は忙しい方なので、観光大臣が代理で届けに来ていた訳なのですが。そこで、村人たちは1家族につき、米20キロとラーメン1ケース、そしてクロマーとサロン(衣類)をもらってました。

Refugee Camp (1).jpg

さて、難民キャンプと言っても急ごしらえの仮設なので実際は広場に木を立て、ブルーシートをかけておしまい。地面の上にござを敷いて人々は寝ています。雨の日などは大変です。小さい荷台の上に家族みんなで寝たり、お寺の中で寝たりしています。

Refugee Camp (2).jpg

ブルーシートの中を覗いてみると、子供たちがたらいで水浴びしたり、ハンモックでぶらぶらしたりと、平和なものです。

Refugee Camp (3).jpg

キャンプ近くにある兵士宿舎にも訪問してみました。そこでは傷ついた兵士たちが治療を受け、回復するまで休んでいました。中には脇腹を打ち抜かれたものや、目を負傷した者など30人ほどいました。

みんな疲れた顔で、ボーっとしていました。

Refugee Camp (4).jpg

アンコールワットのある町、平和なシェムリアップから、たった3時間の場所で、こんな状況です。

僕には何もできませんが、早く戦闘が収束するのを祈るばかりです。

筆者

カンボジア特派員

西村 清志郎

カンボジア観光省プロモーション&マーケティング部に所属しながら、現地旅行会社を運営しています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。