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カンボジア/シェムリアップ特派員ブログ 西村 清志郎

カンボジア・シェムリアップ特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2011年11月28日

カンボジアの日本語フリーペーパー事情 11月のお題"フリーペーパー"


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カンボジアの日本語フリーペーパー事情 11月のお題"フリーペーパー"

「カンボジアの日本語フリーペーパー事情」
 
フリーペーパー...身近な生活情報などを掲載し、限定した地域の家庭などに無料で配布する新聞や雑誌。また、駅頭や街角に置いて、自由に持ち帰ることができる新聞や雑誌。発行や配布にかかる経費は広告収入でまかなわれる。特に、雑誌の形態をしたものはフリーマガジンとも呼ばれる。(引用:大辞泉)

 
 2011年11月現在、カンボジアで定期的に発行されている日本語フリーペーパーは3誌(不定期・未定分を含むと5誌)ある。在住日本人が1200人程しかいないこの国で3誌も発行されているというだけでも驚きなのだが、公表されている年間配布総数は14万部となっていることにも驚かされる。その理由は年間15.1万人(2010年度)という日本人旅行者の数にある。

 ちなみにフリーペーパーと一口にいっても大まかに二つに分けると新聞スタイル、雑誌スタイルに分かれる。また雑誌スタイルでも毎号違ったコンテンツが提供されるマガジンタイプ、基本内容はほとんど変わらないが、情報は常に更新されるガイドブックタイプ、そしてその合併型となるものとがある。それらが様々なジャンルに分かれるため、きっちりとしたカテゴリー分けは難しい。ただはっきり言えることとしてマガジンタイプは毎号違った切り口で特集を組む必要があり、マンパワーが必要となるのに対し、ガイドブックタイプは若干の差し替え等はあるものの一度デザイン、レイアウトを決めるとそれを更新するだけでいいため、少人数で制作できるという点である。

 JAFNA(日本生活情報誌協会Japan Free Newspapers Association)の発表(2010年情報)によると、現在日本で発行・配布されているフリーペーパーが697紙、フリーマガジンは432誌となり、1209紙・誌にも及ぶ紙媒体が街中にあふれているというが、毎年新しいものも多く現れるかわりに、多くのものが姿を消していっているそうだ。もちろんその中にはカンボジアを含む世界全土で発行されている日本語雑誌は含まれていない訳であるが、ウェブサイトを検索してみると200種以上は発行されているようである。

 各国様々な特色をもったフリーペーパーが在住日本人、観光客、ビジネス客等をターゲットとして、週間、月刊、隔月、季刊誌ベースで発行しているわけではあるが、出版社のセンス、営業力、他社との競合、バックグラウンド等はもちろん、マーケットの動向、つまりその国独自の問題発生や近隣諸国の影響によりその国への訪問者数が大きく増減することにより、休刊・廃刊に追い込まれていったりする。
 カンボジアもご多分に洩れず過去いくつかのフリーペーパーが姿を消していった訳であるが、自分の知っている範囲で創刊号発行日順に紹介していきたいと思う。


no5cover.jpg 1998年以降、現地で最初に発行された日本語フリーペーパーは「ロンパオ(1998年4月創刊)」となる。プノンペンを基点としたバックパッカー向けの新聞タイプのものであり、現地新聞・雑誌から見つけた怪事件等が面白おかしく紹介されていたが、第6号(1998年10月)で廃刊となった。発行人・著者共、有名なクーロン黒沢氏である。

angkor zen.jpg しばらく期間があいた後、一般旅行者向けに制作された「アンコールゼン(2001年4月創刊・初号のみ有料販売、2号目以降無料)」が発行された。年三回発行、観光省のお墨付きマガジンタイプのフリーペーパーであり、ショッピング、ダイニング等旅行者に役立つ情報と共に、毎号有名・著名人のスペシャルインタビューが掲載された人気マガジンであったのだが、第7号(2003年冬号)を持って休刊となっている。

angkor explorers.jpg 「アンコール・エクスプローラーズ(2002年9月創刊)」は、観光客の多いシェムリアップを紹介することに重点を置いた構成となっており、観光の基本情報、見所、宿泊施設、地図など一般旅行者、バックパッカー共に楽しめる雑誌であったが、第3号(2004年1月)をもって休刊となった。

orkoon.jpg 「オークン(2002年12月創刊)」は、旅行者にとって必要な情報をカテゴリー分けにし、日本語と英語を併記させたガイドブック寄りのフリーペーパーであった。年四回発行予定だったが、第2号(2003年3月)発行分以降確認されていない。*第3号(2003年6月)も一部配布されたという情報もあるが、市内では見かけていない。

krorma018.jpg カンボジアで一番長く続いているフリーペーパーとなる「ニョニュム(2003年10月創刊)」は、在住日本人及び一般旅行者をターゲットとした隔月発行(初号から12号までは月刊)の生活情報誌である。毎号違ったテーマを取り上げ、在住者ならではの情報を定期配信している。最近では日本語だけでなく、英語併記(一部カンボジア語併記あり)も始め、様々な試みで雑誌を盛り上げている。

how to.jpg 2002年度後半から2003年度頭までが第一期カンボジアフリーペーパー隆盛期であったが2003年4月頃に問題となったサーズ発生により観光客が激減、この時期に多くのフリーペーパーが姿を消した。2004年、2005年度と鳥インフルエンザ問題も浮上したが徐々に日本人訪問者も増え2006年度に入ってやっと新しく「はうとぅ@かんぼじあ(2006年1月創刊)」が創刊された。
同誌は、かなりしっかり作られたガイドブック型フリーペーパーであり年3回発行(2008年4月発行の7号から、2009年4月発行の8号までは年1回、次号発行日は未定)となっている。カンボジア各省の大臣にインタビューしながら、様々なテーマ・問題点を取り上げている。また雑誌の内容はウェブサイトにも反映させ、バックナンバーは丸ごとダウンロードできるなどカンボジア初の試みも多い。

 2006年から2007年度にかけ他に4誌が創刊、合計6誌が競合することなる第二期カンボジアフリーペーパー隆盛期が訪れた。
 
19号.jpg 「クロマートラベルガイドブック(2006年9月創刊・後にクロマーマガジンと改名)」は半マガジン、半ガイドブックタイプの季刊誌(年4回発行)であり、ベトナムの「スケッチトラベルガイドブック」とは姉妹誌となる。毎号2~3種の特集を組み、各分野の専門家、在住日本人からの寄稿を特徴としている。また同社は旅行会社という側面も持つため、記事のほとんどが同様の体験が出来るようにツアーになっていることも特徴の一つと言える。同社の補足業務として日本の出版社(主に旅行雑誌関係)からの制作受注し、インバウンド業務として「ドラえもん(小学館)」「クレヨンしんちゃん(双葉社)」のクメール語版正規ライセンスを取得し現地で販売を行っている。

DAC.jpg 「D.A.C(2006年10月創刊)」は、「アンコールゼン」を踏襲した雰囲気を持つマガジンタイプの雑誌である。年4回発行となっており、現在最新のものが17号となっている。発行当時はA5判サイズであったが、同時期に発行されていた「はうとぅ@かんぼじあ」「クロマー」が同じサイズであったことから差別化を図り少し大きめのB5判へと変更、室内で読みやすい雑誌へと生まれ変わった。コンテンツの特徴としてはカンボジアだけでなく近隣諸国にもフォーカスをあてニュース形式で紹介、また前号から新号までの間に行われたイベント等の結果報告や紹介にも力を入れている。また「クロマー」同様にバックグラウンドが旅行会社となるため、記事がそのままツアーとして催行できるように時間等が詳しく紹介されている点も旅行者にとって非常に役立つことになるだろう。

thomada.jpg フリーペーパーではないが、「トーマダー(2006年11月発行)」は不定期(年1~3回程度)発行されていた有料日本語雑誌(2US$程度)である。カンボジアの文化、伝統、生活などを深く掘り下げた内容となっており、かなり読み応えがある。一番新しい6号(2009年9月発行)には休刊の案内が出ているため今度一時お休みとなるようである。

cambodia life.jpg 最後に創刊された日本語フリーペーパーが「カンボジア・ザ・ライフ(2007年6月創刊)」となる。初期発行分は英語とカンボジア語の併記であったが3号以降は英語、日本語、カンボジア語と三つの言語で発行されることになった。カンボジア全土から毎号違った話題を取り上げ、非常に面白い切り口で紹介していた。はっきりとは確認できていないが手元に残っている15号(2008年8月)以降、日本語表記はなくなり、英語とカンボジア語のみで発行されたとされる16号(と思われる)以来、市内で配布確認はされていない。同誌は不動産会社がバックグランドにあった為、2008年9月のリーマンショックを受け世界経済が不況に入ったとたんに姿を消すことになったようである。

カンボジアフリペ事情_03.jpg リーマンショック以降、カンボジアでも不況の波がはっきりとおしよせフリーペーパービスネスもかなり厳しい状況へと入った。また先にあげたものは全て日本語フリーペーパーであるが、現地には英語、フランス語、韓国語など各言語で数種発行されており、観光客向け、在住外国人向けの少ないパイを取り合ってビジネスを行っている。
 カンボジア産の日本語フリーペーパー。その数ちょうど10種類、うち7種類(一部有料、一部未定)が既に休刊・廃刊となっている。各出版社がそれぞれの特色をもって、その当時ならではの様々な情報・写真・データ等を残していたが、その多くはウェブ等でも残されておらず、それらを直接目にすることは難しい。せっかく創り上げた貴重なものが誰の目に留まることなく消えていく、再利用・再活用されずに埋もれていくことは非常にもったいないことであると思う。できれば、各出版社でネットワークが強化され、お互いが持つ貴重な情報・データの共有を行い、もし出版社がなくなることになっても、それからが後の人々に活かされるようなシステムが出来ればいいと思う。
カンボジア日本語フリーペーパー一覧(一部有料分あり)創刊順
ロンパオ(龍包) 1998年4月創刊 月刊紙 サイト http://www.hehehe.net/pao/
アンコールゼン 2001年4月創刊・初号のみ有料(2US$)販売、2号目以降無料 A5判 年3回発行
アンコール・エクスプローラーズ 2002年9月創刊 A5判 不定期発行
オークン(Or Koon) 2002年12月 A5判 年4回発行 日本語と英語併記
ニョニュム(NyoNyum) 2003年10月創刊 隔月発行(初号から12号までは月刊)
はうとぅ@かんぼじあ 2006年1月創刊 A5判 年3回発行 サイト http://www.howtocambodia.com/
クロマートラベルガイドブック2006年9月創刊 年4発行 サイト http://krorma.com/
電子書籍版 http://www.fujisan.co.jp/magazine/1281683937/
D.A.C(Discovery Asia in Cambodia) 2006年10月創刊 B5判 年4発行
トーマダー 2006年11月発行 A4判 不定期発行 有料1.5$~2$ サイト http://thomada.web.fc2.com/
カンボジア・ザ・ライフ 2007年6月創刊 A4判 月刊誌

2010年2月カンボジアジャーナル3号寄稿文(編集/発行 波田野直樹氏)を一部改定・更新

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2011年11月28日
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      西村 清志郎
      編集・ライター・フォトグラファー。アンコールワットお膝元、シェムリアップにて無料配布されている現地フリーペーパー「くろまる」の編集長を務める。稚拙なカンボジア語とお気に入りのダートバイクを駆使し、カンボジア全土の見所、ビジネス、投資情報を収集。その傍ら旅行会社ゲストハウス、執筆、撮影業務なども行っている。高知県出身。 DISQUS ID @seishiron

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