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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

シンガポール・シンガポール特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


第三回を迎えるミシュランシンガポール、去年はフラトンホテルで授賞式が行われましたが、今年は初年度と同じ会場のResort World Sentosaに戻ってきました。

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特徴は、これまでのように、フォークとスプーンを重ねたマーク、「クヴェール」の数で雰囲気を評価するのではなく、雰囲気を表す特徴がキーワードとして添えられるようになりました。つまり、数値で優劣をつけるランキングという縦軸から、多様性というフラットな横軸になったのがとても印象的でした。

去年一ツ星だったリゾートワールド・セントーサのOsia(オーストラリア料理)が星を失い、4店が新たに一ツ星を獲得、(ストリートフードの新たな受賞はなし)。合計39店に星が輝きました。

一ツ星は以下の34店。

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Alma (ヨーロピアン・コンテンポラリー/ファッショナブル)

Bacchanalia (イノベーティブ/コンテンポラリー)

日)Béni (フレンチ・コンテンポラリー/ミニマリスト)

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山中賢二シェフは「今年から、日本人のフラワーアーティスト、武田段さんと契約して季節のフラワーアレンジメントを作ってもらうようにしたこと、以前シンガポールのジョエル・ロブションでベーカリーの責任者だった前幸地晃さんが加わったことで、さらなる高みを目指す準備ができています」と語ります。

Braci (イタリアン・コンテンポラリー/デザイン)

新)Burnt Ends (バーベキュー/トレンディ)


Candlenut(プラナカン/クラッシック)

Cheek by Jowl (オーストラリアン・コンテンポラリー/フレンドリー)
Chef Kang’s(広東料理/シンプル)
Corner House (イノベーティブ/エレガント)

Crystal Jade Golden Palace(中国料理/コンテンポラリー)

Cut(ステーキハウス/ファッショナブル)

Garibaldi (イタリアン/コンテンポラリー)


Hill Street Tai Hwa Pork Noodle(ストリートフード/記載なし)

Iggy’s (ヨーロピアン・コンテンポラリー/エレガント)

Imperial Treasure Fine Teochew Cuisine (Orchard)(潮州料理/コンテンポラリー)
Jaan(フレンチ・コンテンポラリー/コンテンポラリー)https://ameblo.jp/kyokotv/entry-12373644717.html

新)Jiang-Nan Chun(広東料理/ラグジュアリー)


Labyrinth (イノベーティブ/モダン)

Lei Garden (広東料理/コンテンポラリー)
Liao Fan Hong Kong SoyaSauce Chicken Rice & Noodle (Chinatown ComplexFood Centre) (ストリートフード/記載なし)

新)Ma Cuisine (フレンチ/ビストロ)
Meta (イノベーティブ/コンテンポラリー)

新)Nouri(イノベーティブ/エレガント)

Putien (Kitchener Road)(福建料理/シンプル)
Rhubarb(フレンチ・コンテンポラリー/クラッシック)

Saint Pierre (フレンチ・コンテンポラリー/エレガント)

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日)Shinji (Bras Basah Road) (寿司/クラッシック)
ラッフルズホテルからカールトンホテルに去年4月に移転、移転後の慌ただしい中でも星を保ったShinji。ミシュランの星も3年目になり、押野亘一郎 マスターシェフは「シンガポールにオープンして8年、本格的な江戸前鮨のパイオニアとしてやってきました。流行に合わせたり、「シンガポール風」にするのではなく、オーセンティックなスタイルをこれからも貫いていきます。うちの特徴は安定感。変わらずに良いものを提供して、次の星を目指していく」と語ります。


日)Shinji (Tanglin Road) (寿司/クラッシック)
前任の菊地俊輔 ヘッドシェフから4ヶ月前にセントレジスホテルの店舗を引き継いだのが、これまでカールトンホテルにいた吉澤俊亮ヘッドシェフ。「日本で流行っている魚、例えばクロムツやえぼ鯛を寿司に取り入れて、菊地シェフとの違いも出していきたいですね」と語ります。また、「セントレジスは、日本酒のラインナップがカールトンホテルの2倍ほどあり、幅広い。Shinjiらしいオーセンティックな寿司と共に、日本酒に合う、単品のメニューは引き続き出していきます。モダンなスタイルのプレゼンテーションにも挑戦したいですね」店を引き継ぐにあたって、新しくオーダーした食器もそろそろ届くそう。「メニューにもない珍しい日本酒も幅広く揃えているので、ぜひ声をかけてみてください」と語ります。

Summer Palace(広東料理/オリエンタル・デコ)


Summer Pavilion (広東料理/エレガント)


日)鮨一(寿司/クラッシック)
川上幸範 ヘッドシェフ
江戸前のオーセンティックな寿司のスタイルで、手をかけて神経〆にした、一本釣りの魚を中心に入れています。魚は少し寝かせるものの、熟成寿司ではないので、半日単位で味を見ながら、食感がありながらも、噛むと魚本来の味が出るようなタイミングを見極めて提供しています」。鮨一に来て5年、「お客様の舌が慣れてくるコースの後半あたりで、野菜を使ったソースを考えたいと思っています。醤油、酢を基本に、そこに梅、玉ねぎ、大根など加えて行ったソース、今考えているのは、セロリなども面白いと思っています。脂の乗ったもの、炙って香りを出したものに合わせていきたい」と話しています。


新・日)鮨来村(寿司/クラッシック)

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木村共男オーナーシェフは、「開店から1年半あまり、店で使う食材は、魚、米、酢、酒、海苔全ての生産者を訪問しています。真面目に、生産者の方と良い関係性を築けているのが、星に繋がったのではないか。味の構成を考える際には、米、酢、魚、塩、最後に甘みを考えます。塩の旨味を先に考えて、甘みの旨味を後に考えるのは、今では珍しいかもしれません。現代ならではの江戸前を追求したい」と語ります。

The Song of India (インド料理/クラッシック)

Whitegrass(オーストラリアン・コンテンポラリー/エレガント)

二ツ星は、Andre, L’Atelier Joel Robuchonの閉店のため、2店がリストから消え、他のレストランは変わらず二ツ星、期待されていた三ツ星昇格店はありませんでした。

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Les Amis French(フレンチ/エレガント)
https://m-tokuhain.arukikata.co.jp/singapore/2018/01/les_amis_httpsameblojpkyokotve.html
Odette (コンテンポラリーフレンチ/エレガント)
https://ameblo.jp/kyokotv/entry-12393261599.html

日)Shisen Hanten 四川飯店 (中国料理/コンテンポラリー)


陳建太郎 エグゼクティブシェフは「もともと、地元の人に愛される店をとスタートしました。シンガポールには中国各地の料理がありますが、その中のカテゴリーのひとつとして「日本風の中国料理」が確立すれば、初代の祖父も喜ぶはずです。二つ星を取って来たことで、それが確かなものになって来たという気がします。シンガポールの四川飯店は、もちろん、僕が思う四川飯店の味になっていると思いますが、香辛料の種類も違いますし、お国柄として広東料理のベースも強いので、それが反映されている部分もあります。四川で生まれ、日本で三代続いている日本の四川飯店の味が、この場所で、シンガポール発の一世代目の新しい料理として芽吹いていって欲しい」と語ります。

日)Shoukouwa 小康和(寿司/ミニマリスト)
作田至生(さくた・よしお)シェフは、
「小康和のスタイルは、あくまでも魚やその他の食材が主役、自分たちは美味しくする手伝いをしているだけ」と語ります。赤酢は使わず、米酢のみ。「米は噛み締めて甘みが出てくるもの。赤酢はアタックで美味しいと思わせる、米酢は余韻で美味しいと思わせる。寿司を噛みしめることで、酢飯が魚の脂と反応して余韻が伸びるよう計算して作っています。脂の乗った食材、金目鯛や赤ムツがシンガポールでは人気です」と語っています。


日)Waku Ghin (コンテンポラリー日本料理/エレガント)

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去年に引き続き一ツ星を獲得したMetaやCheek by Jowl、Whitegrassそして今回初ランクインしたBurnt Endsなど、シンガポール国内でも和久田シェフの元で修行した人は多いもの。世界で考えると、自らのレストランをオープンしたシェフは約50人、という和久田哲也シェフ。
Waku Ghinは、Tetsuya’s 時代から和久田シェフの元で14年間働いている、井上正彦 ヘッドシェフが率いています。「シンガポールは、価格帯も料理の種類も多く、多様な食の選択肢がある国。自分たちのやっていることを、毎日さらに精度を上げて行くだけ。全てのものに質がある、野菜を切るのでも、少しでも早く正確に切る、その毎日の向上が良いレストランにつながって行く。良い評価をもらったということは、もっと頑張らなくてはならない、ということ。」料理だけではなく、質を追求するストイックな姿勢自体が、多くの若手シェフが学んだことであり、また成功にもつながっているのでしょう。


Joel Robuchonの閉店のため、三ツ星は0という結果になりました。

ミシュランガイドの責任者、インターナショナル・ディレクターである Michael Ellis 氏にお話を伺いました。

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今回の結果については、三ツ星はないものの、39店がミシュランの星を持っているというのは、他の国と比べても多いと思います。数ドルで美味しい料理が食べられるのはシンガポールだけです。
また、世界で、ホーカー、ストリートフードで星を持っているのは3店だけ、シンガポールの2店とバンコクの(蟹のオムレツで有名な)Jay Faiだけ。
ストリートフードは例外であって、(必ずなければならないと言う)ルールではない、ビブグルマンもあるので、良いストリートフードがそちらに掲載されるのはあると思うし、大切なのはそもそもガイドに掲載されることだと考えている。
将来的に、多くのストリートフードがミシュランの星を得るという決定を期待してはいない、と語っていました。
私からは、アジア独自の評価基準はあるか、ということを質問させていただきました。
どの国であっても評価基準は同じで、料理によって、タイプは違うかもしれないが、そのクオリティを見ているということです。
そして、多くのシェフに伝えたいこと、としては、「レストランガイドのために料理をしないでほしい。幸せな客でレストランがいっぱいになるようになっていれば、我々はあなたを見つける。レストランはビジネスだから、ちゃんと客が入らなくてはいけないし、いくらでどんなものを食べたいかを知っていることは非常に大切だ、と話していました。

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また、今回はシンガポールの過去から未来を作る、というテーマのもと、チリクラブや旧正月に欠かせない魚生を作ったシェフたちの後継者たちがステージに上がり、表彰されました。

ミシュラン関連の今後のイベントとしては、去年も行われたGastromonth が今年も9月1日〜開催予定ということです。


ガイドブックはシンガポールの書店で購入可能、ウェブサイト(Michelin Guide Singapore Official Website 、英文 )も最新のレストラン情報が満載でおすすめです!
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■Michelin Guide Singapore 2017(ミシュラン・ガイド・シンガポール)
発売開始:2018年7月25日
公式ウェブサイト:https://guide.michelin.sg/


2018年7月26日

1984年にロンドンで創立された、世界最大級のワインのコンペティション、International Wine Challenge (IWC)。2007年からは、日本酒部門が設立され、その知名度は年々高まっています。12年目を迎える今年は、過去最高の1639銘柄が出品され、通常はロンドンで開催される審査会を、今年は5月に山形県が招聘する形で特別開催し、世界最難関のワインの資格、マスター・オブ・ワイン(MW)の資格者をはじめとする15カ国、59人の審査員によるブラインドテイスティングの結果、ゴールド、シルバー、ブロンズの各メダル受賞酒が選ばれました。ゴールドメダル受賞酒の中から更に、普通酒、本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒、純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、スパークリング、古酒の9部門のトロフィーと、トロフィーには及ばなかったものの、各地域の優れた酒に与えられる「リージョナル・トロフィー」を合わせて、以下の合計23のトロフィー受賞酒が選ばれました。

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© Rob Lawson Photography Ltd


【普通酒の部】
普通酒トロフィー
・天鷹 旨辛(天鷹酒造株式会社、栃木県)
岐阜・普通酒トロフィー
・小町桜 別囲い(有限会社 渡辺酒造店、岐阜県)

【本醸造酒の部】
本醸造トロフィー
・初孫 伝承生もと(東北銘醸株式会社、山形県)
京都・本醸造トロフィー
・月桂冠 特撰(月桂冠株式会社、京都府)
岡山・本醸造トロフィー
・嘉美心 秘宝 本醸造(嘉美心酒造株式会社、岡山県)

【吟醸酒の部】
吟醸トロフィー
・奥の松 あだたら吟醸(奥の松酒造株式会社、福島県)
福島トロフィー
・飛露喜 吟醸(合資会社 廣木酒造本店、福島県)

【大吟醸酒の部】
大吟醸トロフィー
・宮の雪 大吟醸(株式会社 宮﨑本店、三重県)
兵庫・大吟醸トロフィー
・櫻正宗 金稀 大吟醸 原酒 (櫻正宗株式会社、兵庫県)


【純米酒の部】
純米トロフィー
・純米酒 月弓(名倉山酒造株式会社、福島県)
福島トロフィー
・伝承山廃純米 末廣(末廣酒造株式会社、福島県)
山形トロフィー
・初孫 出羽の里 純米酒(東北銘醸株式会社、山形県)

【純米吟醸酒の部】
純米吟醸トロフィー
・フモトヰ純米吟醸山田錦(麓井酒造株式会社、山形県)
青森トロフィー
・桃川吟醸純米酒(桃川株式会社、青森県)

【純米大吟醸酒の部】
純米大吟醸トロフィー
・金雀 40%(有限会社堀江酒場、山口県)
秋田・純米大吟醸トロフィー
・天の戸 純米大吟醸35(浅舞酒造株式会社、秋田県)
三重・純米大吟醸トロフィー
・作 槐山一滴水(清水清三郎商店株式会社、三重県)

山形・純米大吟醸トロフィー
・熊野のしずく(東の麓酒造有限会社、山形県)

【スパークリングの部】
スパークリングトロフィー
・一ノ蔵 すず音 Wabi(株式会社一ノ蔵、宮城県)
和歌山・スパークリングトロフィー
・紀土 純米大吟醸 Sparkling(平和酒造株式会社、和歌山県)
山形・スパークリングトロフィー
・米鶴スパークリング・ロゼ(米鶴酒造株式会社、山形県)

【古酒の部】
古酒トロフィー
・貴醸大古酒 古時計(加茂川酒造株式会社、山形県)
栃木・古酒トロフィー
・大吟醸 熟露枯 秘蔵10年(株式会社島崎酒造、栃木県)


そして、7月10日には、ロンドン市内の高級ホテル、グロブナーハウス・JWマリオット・ホテル ロンドンで、ワインと同時に、日本酒のチャンピオンの発表が行われました。ガラ・ディナーには、250ポンド(約3万7000円)のチケットを購入した参加者や関係者など、合計703人が着飾って訪れ、華やかな雰囲気に包まれました。

トロフィー受賞蔵から唯一選ばれる「チャンピオン・サケ」には、今年は福島県、奥の松酒造株式会社の「奥の松 あだたら吟醸」が選ばれました。

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© Rob Lawson Photography Ltd

わずか1000円あまりで購入できる手頃な価格の酒ながら、「この価格帯でベストの酒を作ってきた自負はある」と、19代目で、代表取締役の遊佐丈治さんは胸を張ります。「あだたら吟醸」は、唯一ワインの酵母を元種に自家培養した酵母を使い、20年ほど作っている銘柄。カジュアルな価格帯の日本酒のため、米は飯米を中心に、状態の良い米を選んで使う。今回の出品酒は「あきたこまち」を使ったもので、すっきりとした味わいの酒に仕上がったという。また、ワイン酵母由来の香りの良さも特徴の一つ。日本酒の審査員の一人で、マスター・オブ・ワインのアントニー・モスさんは、「マンゴーを思わせるトロピカルフルーツのような香り、酸味は穏やかだが、アルコールのボリューム感がある。ハーブの香りのあるものと相性が良く、バジルなどを使ったイタリア料理とのペアリングを勧めたい」と語ります。

受賞の効果は絶大で、注文が殺到し、早くも出荷に遅れが出ているそう。
また、福島の酒蔵ということで、「被災地の酒蔵ということで、震災から7年経った今も出荷できない国があるが、これまで福島の日本酒から放射能が検出されたことはない」と、その安全性を改めて訴えました。


また、最も顕著な成績を収めた蔵、「サケ・ブルワー・オブ・ザ・イヤー」には、6銘柄でゴールドメダルを受賞した、山形県の東北銘醸株式会社が選ばれました。

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© Rob Lawson Photography Ltd

空気中に存在する天然の乳酸菌を使った手間のかかる伝統手法、生酛作り100%で日本酒を作っている蔵で、取締役製造部長の後藤英之さんは、「各地からの視察も多いが、技術を惜しみなく公開している。そんな姿勢も評価につながったのではないか」と語ります。本醸造酒部門のトロフィーを受賞した「初孫・伝承生もと」を私もいただきましたが、生酛独特の乳酸の香りに、天然酵母のパン種のような香ばしい香りがあって、どこかパネトーネを思わせるような、西洋料理との相性も良さそうな味わいの日本酒でした。

また、720ml瓶で10万本以上を生産し、日本での小売価格1000円以下という条件を満たした、コストパフォーマンスに優れた酒に贈られる、「グレートバリュー・アワード」には、月桂冠「特撰」が選ばれました。

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月桂冠の常務取締役・大倉博さんは、「我々は日本最大規模の酒造メーカーで、アメリカにも製造拠点がある。全てのカテゴリーの日本酒において、最高品質を目指しているが、こういった賞の受賞は初めてで非常に嬉しい」とコメントしています。

各メダル受賞酒についてはIWCオフィシャルパートナーの酒サムライのウェブサイト
http://www.sakesamurai.jp/iwc18_medal.html

また、ワインの結果についてはIWCのウェブサイト(英文)で見ることができます。
https://www.internationalwinechallenge.com/

また、今回世界各国から審査員を招き、山形で開催された審査会は、地方の魅力を発信するための新たな取り組みと言えそうです。ブラインドテイスティングのため、もちろん地元の酒が有利という訳ではありませんが、今回3蔵が「トロフィー」を受賞、その全ての酒蔵が初出品。「地元での審査会開催だから出してみよう、という気持ちになった」と3蔵共に口を揃えます。

また、山形県の新藤酒造店の新藤雅信さんは「これまで8年出品してきたが、輸出が10倍に増えた。自分は山形県の酒造組合の技術員として、鑑評会の審査などにも参加するが、作りの技術を見る審査会と違い、ワインと同じように味わい・香りなどの個性を評価するIWCは、より一般の消費者の目線と近く、日本酒に対する新しい評価基準として重要」と語ります。

結果的に無投票となったものの、山形でのIWC審査会開催を知事選の公約に掲げ3選を果たした、吉村美栄子山形県知事は、「酒どころ・山形でも、酒蔵が減ってきてしまっている。世界に知られたアワードの審査会が地元で開催され、さらに3蔵がトロフィーを受賞したことは、自分たちの作る酒が世界に認められる品質なのだ、と蔵元に自信を与え、世界のマーケットに目を向けることにもつながっている。酒造りや山形の魅力を発信し、郷土を活性化していきたい」と期待しています。

来年の審査会はロンドンに決まっていますが、2016年には兵庫でも審査会が開催されるなど、「日本酒」をキーワードに世界に地方の魅力を発信する取り組みは、これからも続いていきそうです。

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© Rob Lawson Photography Ltd

<DATA>
■International Wine Challenge 2018
開催日時:2018年7月10日 (終了)
開催場所:Grosvenor House, A JW Marriott Hotel, 86-90 Park Lane
London, W1K 7TN United Kingdom
https://www.internationalwinechallenge.com/



2018年7月19日

Four Seasons Hotel George Vの三つ星のメインダイニング、Le Cinq。

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厨房を率いるのはChristian Le Squerシェフは、Ledoyenで2002年に三ツ星を獲得、2015年から、Le Cinqの指揮を取っています。
なんとお邪魔した時はシンガポール出張中でお目にかかれなかったのですが、そんなLe Cinqのランチにお邪魔してきました!

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パラスホテルならではの、フレンドリーかつ上品な、付かず離れずのサービスは、とても居心地の良いものでした。一人での訪問だったのですが、目の前の席には、たくさんのバラの花びらが飾られていました。こんなロマンティックな演出をさらりと行うあたりも、さすがです。

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スタートは、Jean-Marc Sélèqueのロゼのシャンパン。ロゼの色は、マセラシオンと、赤ワインのブレンド、両方から。かすかに、乳製品の香り、バニラ、ミルクチョコレートのニュアンスも感じました。

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Our “Mises en bouche”

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アミューズは可愛らしいプレゼンテーションの人参、薄いカカオバターのシェルの中には人参とオレンジジュースが入っていて、人参のパウダーがかけられています。葉はマージョラム。奥のさくらんぼにも、チェリーとアーモンドのジュースが。本物のチェリーの軸を使ってあるので、一瞬本当のチェリーと見間違えそうなほど。
真ん中はクリスピーなチップに海藻の粉とアボカド、黒にんにくのクリームを乗せて。


コンテチーズとヘーゼルナッツの、甘くないタルト。さっくりとしたタルト生地の中の、コンテチーズのクリームが熟したチーズのように感じられます。

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ボルディエのバター、バゲット。

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トマトのニョッキは、トマトウォーターと、なんと葛粉を使った、透明で柔らかい食感のもの。バジルオイル、トマトウォーターのフォーム、マージョラムの葉、ラズベリーの粉、下には黒オリーブのピュレが敷いてあります。

2本目のワインは、トロッケン、辛口のリースリング。
Peter Jakob Kühn Jacobus Riesling Trocken 2016

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Dublin bay prawn from Brittany warm mayonnaise, crunchy buckwheat pancake

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ふわふわの食感のブルターニュ産のラングスティーヌに、細かく刻んだイタリアンパセリ 、ドライトマトを乗せて。蕎麦のチュイルは、ブルターニュの郷土料理、蕎麦粉のクレープから。

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ヘーゼルナッツオイルと海老の頭から取った出汁を添え、上から泡状のマヨネーズを乗せて。皿のドットは、緑がディルとわかめのジェル、紫は赤い海藻のジェルでした。


3本目は、酸味は少ないけど桃のような香りがあるコンドリュー。

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はっきりとしたミネラルがあり、金木犀、フリージアのようなフローラルな香り。ピーチヨーグルトのような優しい味わいですが、後味の苦味がアスパラガスと合います。


Truffled green asparagus Chateau Chalon wine mousse

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アスパラガスは、黒トリュフのクリーム、グレープフルーツのジェル、アスパラガスのアイスクリーム、ジュラの黄ワインのソースを添えて。

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しっかり目に火を通したアスパラは、穂先のほっくりした旨味と甘さ、根元のジューシーさとほのかな苦味が楽しめ、クルトンが食感のアクセントに、ミルクスキンが自然な練乳のような濃厚さを加えます。

ジュラの黄ワインのソースの香りとクリーミーさが、コンドリューのワインとよく合っていました。

Gratinated onions contemporary “Parisian style”

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オニオングラタンの再構築。細かく刻んだ玉ねぎのソテーをパルメザンチーズで固めて丸いケーキ状にして、表面を焦がしたものの上に、小玉ねぎのような形のものは、玉ねぎのピュレを分子料理学の手法で表面をゼリー状にして、内側からプチっと液状のピュレが出てくるように工夫したもの。玉ねぎをキャラメリゼした、油脂をあまり加えないさっぱりとしたソース、サイドにはマージョラムのピュレが添えてあります。

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合わせたのは、ランシオの香りがキャラメリゼのニュアンスとよく合う、1985年のマディラ。ナッツやバニラの香りを皿の外から加えるような役割を果たします。「マディラ酒は素晴らしいワインというのが忘れられているのは残念なこと。こうして合わせると、料理にも合うんですよ。最近、このペアリングが流行し始めていて、嬉しいですね」とのこと。
シャンパングラスのような口の狭いグラスでサーブするのは、長い年月を経たワインだけに、香りを逃さないように。

そして、特に気に入ったのが
Line-fished sea bass caviar / buttermilk from my childhood

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約300度の高温のプランチャで、身から出る油だけで焼き上げたというフワフワのシーバスの身、皮目に甲殻類やヘーゼルナッツの香りがあり、それにバターミルクのフォームを合わせて。フランス・アキテーヌ地方のキャビア、季節の野菜、スティックブロッコリーをソテーしたものを添えて。

Morel mushrooms / ham truffle spaghetti

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スパゲッティの器の中にモリーユとトリュフの、ニンニクを効かせたクリーム煮を詰めて。上にもモリーユ、脂身の少ないハムをのせて。

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パスタは柔らかくなる手前まで茹でてから形を作り、パルメザンチーズで固め、中にクリーム煮を入れて上から蓋をするのだとか。


Domaine Jamet Cote Rotie
スミレ、ほのかに青ピーマンと鉄の香りを感じるローヌ地方のシラーズと合わせて。

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Cheese

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良い熟成具合のチーズに合わせたのは、中がしっとりとした、焼きたての杏とヘーゼルナッツのパン。

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Dairy iced yeast flavor

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デザートは、Maxime Frédéricペストリーシェフによるもの。
イーストのムースとアイスクリームという、面白いデザートです。ノルマンディ出身のLe Squerシェフだけに、ここまでもノルマンディの郷土の味がそこここに散りばめられていましたが、こちらも、ノルマンディ産のクリームの味を前面に押し出したもの。クリームとミルクの中に砂糖とパンに使う天然酵母を入れて、45度で45分間発酵させたものがベースになっています。少しもっちりとした印象で、香ばしいパンの香りがありました。
さらに上質なバニラを使ったムース、下はふわふわの柔らかい甘いメレンゲ。飴をごく薄くしたような板状のもの。とても印象的なデザートでした。

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Crunchy grapefruit preserved and raw

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一番下は、グレープフルーツの皮のコンポート、間には果汁のソルベ、そして果肉のコンポートの上には薄い飴。キャラメルとバジルのソースを添えて。
グレープフルーツの甘みと酸味だけでなく、すっきりとした苦味をしっかりと感じる組み合わせで、ソーテルヌに合うように作られた、ということで、一緒にいただきました。

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ソーテルヌのボリュームのある甘みを、グレープフルーツの苦味がさっぱりとさせる、デザートもワインもどちらも主役になるような、とても上質なコンビネーションでした。

小菓子はワゴンで。

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Ledoyen時代から4年以上Le Squerシェフと働いているという、古賀隆稚さんに、キッチンも見せていただきました。

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タマネギや、今回はいただきませんでしたが、ブーダンノワールなど、本来は「質素」と思われて来た食材をパラスのレベルにまで引き上げるのは、Le Cinqに就任するやいなや三つ星を獲得したというLe Squerシェフならでは。

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クラッシックな味わいを保ちながら、モダンな手法も取り入れ、高い技術で食感やプレゼンテーションを新しく変えて提供している料理の数々を楽しみました。

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<DATA>
■Le Cinq (ル・サンク)
営業時間:ランチ 12:30~14:30、ディナー 19:00〜22:00、無休
住所:31 Avenue George V, 75008 Paris, France
電話:+33 1 49 52 71 54
http://www.restaurant-lecinq.com/


2018年7月 4日
2018年7月 3日
2018年6月27日
2018年6月26日
2018年6月25日
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    仲山 今日子
    元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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