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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

シンガポール・シンガポール特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


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今年のAsia’s 50 Best Restaurants で13位のSuhringへ。どこかの避暑地にありそうな、緑の中の素敵な一軒家で、ドイツ・ベルリン出身の双子のシェフによるモダンドイツ料理のお店です。入り口では、Mathiasシェフが迎えてくれました。

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コースはお任せで2900THB(1万円ほど)また、特徴はドイツワインを中心にしたペアリングが楽しめること。4杯1900THB、6杯で2600THBです。
まずは、リースリングのスパークリングワインでスタート。

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Pretzel & Obatzda

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可愛らしい松ぼっくりの器に入っているのは、小さなプレッツェル。クリームチーズとカマンベールチーズのディップにパプリカの粉をかけたものが乗っています。

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このディップにプレッツェルをつけながらいただきます。サイドにはプレッツェルには欠かせないビール。泡は消えないように、ゼラチンで作ってあります。

Fischbrotchen

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その次は、オニオンタルト。フラットブレッドの中には、細かく刻んだピクルスの入ったオニオンクリーム、そして上にはサマートリュフが乗っています。

Zwiebelkuchen

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柔らかいパンの間に甘酢漬けにしたサーディン、トマトにシーザーマヨネーズ。

Eisbeinsulze

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豚肉の塩漬け、アイスバインをゼリー寄せに仕立て、カリカリのハーブクラッカーの上に乗せています。上にはレームラードソース、ほのかに辛いガーデンクレスを飾って。

そして、メニューにはなかったのですが、1950年代にドイツの料理番組で有名になったClemens Wilmenrodシェフが作ったというメニュー、トースト・ハワイの再構築。

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いわゆる「伝統料理」らしくはありませんが、ドイツでは広く食べられているメニューとか。本来は家庭にある材料で手軽な一品として作れるようにと生み出されたもので、オープンサンドのような形でした。
カリカリのトーストの中には、ハム、ドイツ南部のAllgau地方の山のチーズAllgauer Bergkase、パイナップル、マラスキーノチェリーとパイナップルのソースが入っています。少しエキゾティックフルーツの香りを足したメルバトーストのような印象でした。


Curry 36 berlin street food

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豚肉のソーセージに、アメリカンドックのような衣を薄くまとわせて揚げたものに、ケチャップを乗せて。

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本来はフライドポテトが添えられるそうですが、こちらはその代わりにごく薄いポテトのチュイルを添えて。上からカレーパウダーをかけています。


そして、こちらもメニュー外ですが、モーゼルを代表する作り手のJoh Jos Prumによるリースリングの甘口ワイン。そのグラスの上に、ハンガリー産の鴨のフォワグラ。

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トーションではなく、柔らかなムースに仕上げ、レモンジェルとレモンの皮を飾っています。

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ここまでがスナック。

続いては、同じくドイツの有名な作り手、muller catoirのピノブラン(ドイツではヴァイスブルグンダーと呼ばれる)のワイン。
みずみずしいハーブ感がありながらも、乳酸のまろやかさも感じます。

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Frankfurter grune sobe & smoked eel

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フランクフルト風の緑のソースに、スモークした鰻。ディルやナスターチウムを使った緑のソースのムースの下には、スモーキーなハムの入ったポテトサラダ。クルトン、ナスターチウムのような刺激のある黄色の花、そして白い花はネギの花などをたっぷり盛り付けて。スモークしたうなぎには、ライムのジェルやディルの花をのせて。

ここで、イタリアの無濾過のオレンジワインが登場。

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ペトロールの香り、マンゴーや黄桃のような味。後味にイーストのような発酵の香りが残ります。

そこに、ドイツの粉を使っているというこだわりのドイツパンをシェアリングで。
Rustic sourdough breads baked over open fire / spreads & cold cuts

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自家製のパンは、2年半ものの全粒粉のスターターで。このスターターに生地を加え、室温に2週間ほど置いて作っているそうです。香りをかいでみて、とThomasシェフ。

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サワードゥとホールグレインのもの。

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濃厚なバターは、ドイツのクリームを使った自家製の発酵バター。当然加熱殺菌などをしていないためか、濃厚なのに、後味に脂のしつこさが残らず、すっと溶けます。

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豚のラードは、りんごやキャラメリゼした玉ねぎを混ぜ込み、上にクリスピーに揚げたラードを添えて。

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マスタードとディルのスプレッドは、ゆで卵を使ったスムースなタルタルソースのような印象。

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シーバス(スズキの一種)は24時間かけて塩漬けに。しっとりとした滑らかな食感でした。レモンの皮を散らして。

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それに対して、フレッシュなディルの入った自家製ピクルスとともに提供された牛肉は、ちょっと乾燥した食感といいい、旨味の凝縮したパルメザンチーズのような印象。

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オレンジワインが旨味を増幅し、酸が食欲を増してくれます。このペアリングはとても好みでした。

ガガンの絵文字メニューと同じように、少量で手の込んだスナックが楽しめる
のがここの特徴。ここまでがスナックで、ここからがコースのスタートです。

続いては、ミネラル感のあるビオワインを合わせて。軽めでシトラス、イーストの香りがしっかり残ります。

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Pink river trout (オシェトラキャビア乗せは+490THBのオプション)

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バターポーチした川マスに、ブラウンバターソース、さらにブラウンバターが凝縮した感じの甘いクランブルをアクセントに。
ジャガイモはシャキシャキ感を残してとろけるように滑らかなマスとの対比に。

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マスやキャビア、バターのとろける食感、甘いバランスを引き締めるのはパセリピュレ。緑の丸いものは、タピオカをパセリのジュースに漬けたもの。


続いて、ビオのリースリング。ぶどうキャンディのようなフルーティーさが感じられるワインです。

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“Spatzle” soft egg noodle (トリュフは+120THB/g のオプション)

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こちらに合わせるのは、ドイツの伝統的な麺料理。

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アルデンテではなく、柔らかくてふわふわした食感が面白かったです。最初ニョッキのようにジャガイモを使っているのかと思ったのですが、そうではなく、使っているのは小麦粉と卵だけ、水分の多い生地なのでこの食感になっているのだとか。ゆるい生地なので、打って伸ばして切るのではなく、刀削麺のように鍋の上で削って作っているのだとか。オリーブオイルの入った軽めのクリームソース、セップ茸、そして今の時期はオーストラリア産の黒トリュフを削りかけて。好みで、フライドオニオンもかけていただきます。


ここからがメイン。

ベルギー産のピノ・ノワールと合わせて。まだ若めで、後味がやや甘く、赤ぶどうキャンディのような印象。

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Hungarian duck

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1週間ドライエイジングしたというハンガリー産の鴨は、60度の低温調理で40分加熱してから、熱した鉄板の上で焼いています。蒸し煮にした玉ねぎ、椎茸のピュレにしめじを乗せたもの、大地の香りを残した椎茸のチュイル。サツマイモのピュレとサツマイモのチュイル。

Buttermilk

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トニックのアイスクリーム、きゅうりをレモンとジンに漬け込んだもの、バターミルクのエマルジョンに、生姜のカリッとした食感のメレンゲを食感のアクセントに加えています。

Dark chocolate

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アジア風のブラックフォレスト、と言いたくなるような一品。
チェリーの代わりに、プラムを使っているのですが、ドットになったソースはなんとほのかな塩気の効いた梅干し。さらに、ダークスキンミラベルの生と、シロップに漬け込んだもの。ローストした蕎麦のアイスクリームに、ブラックベリーのソースをかけたもの。
ダークチョコレートのクランブルとピスタチオの上には、ピスタチオの形のピスタチオクリームが乗っている、手の込んだ品です。

最後は、おばあさんのレシピだという、エッグノッグを。しっかりアルコールのボリュームのある甘くてクリーミーな卵の味。実際のレシピを本に仕立てたものを一緒に提供する演出。

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豚の耳、という名前のシナモン入りのパルミエのようなパイと、マシュマロ入りのチョコレート、カスタードの入った柔らかいシューと共に。

ドイツ料理を洗練されたプレゼンテーションに仕立て、本物の味を小さなポーションでたくさん楽しんでもらう。Gaggan のインド料理しかり、バンコクでモダントルコ料理を同じような手法で提供しているお店も発見したりと、この手法は色々な料理に応用できそう。郷土の味を、おしゃれに、また楽しく味わってほしい。そんな思いが詰まったコースでした。


<DATA>
Suhring(スーリン)
営業時間:18:00~22:00、無休
住所:No.10, Yen Akat Soi 3, Chongnonsi, Yannawa 10120 Bangkok
電話:+66 (0) 2287 1799


2017年9月18日

Asia’s 50 Best Restaurant で3年連続1位に輝いたGaggan Anandシェフによる、プログレッシブインド料理、Gaggan。

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以前シンガポールでのコラボレーションでお邪魔したものの、本店にお邪魔するのは初めてです。

2階はラボと呼ばれる10席ほどのシェフズテーブル。その他はテーブル席になっています。
大通りから細い路地を抜けると現れる、郊外の美しい一軒家。


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私はラボにお邪魔しました。コの字型のカウンターで、キッチンを取り囲むように座ります。
現在は18時の回と21時の回と、2回転式になっています。お任せコースのみ、5000THB(約1万5000円ほど)。
ここからが、26皿の “Emoji” 絵文字コースのスタート。☆以下はメニューにある絵文字です。

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☆スイカ

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ピンク色の岩塩に乗ったのは、スイカ。
牡蠣を模したという、イソマルトにココアバター、グルコースを混ぜたという、カリカリの殻。海塩のゼリーに、エルダーフラワーのキャビア、スイカのグラニテが乗っています。

☆爆弾

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続いては、チャートマサラ・エクスプロージョン。
ミントやクミン、ブラックペッパーなどが加わったヨーグルトをアルギン酸ナトリウムで固めたもの。一口口に入れると、まるで甘くないラッシーを飲んだ時のような感覚です。

☆舌

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そして、ロックバンド、KISSのLick it upという曲とともに、提供されたのがこちら。キッチンスタッフがスマホで曲の名前と写真を見せてくれます。
曲のタイトルは、生姜やコリアンダーを使ったグリーンマサラピュレ、手前はマッシュルームの旨味の効いたピュレです。
カトラリーは提供されず、実際に皿を舐めて食べる!という驚きの食べ方。子どもが美味しいものを食べる時のように、あるいはカトラリーが使われる前の原始の時代のように、料理を味わってほしいという意図があるように感じました。

☆海老

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フリーズドライにした甘エビの殻に、ほんのり甘いチュイルをまとわせて、トムヤムクンの冷たいクリームを詰めたもの。

☆花

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ターメリックとグリーンカルダモンのクランブルの上に、花の形のインドのスナック。生地はココナッツミルクとココナッツシュガー、小麦粉で水分の多い生地を作り、型につけて揚げたもの。立方体の滑らかでクリーミーなものは、実はヤギの脳みそのカレー煮込みに、ビートルートの粉をまぶしたもの。


☆茄子

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エッグプラントを焼いてモルトデキストリン、と一緒にフリーズドライにし、クッキーの形にしたもの。玉ねぎのチャツネが間に挟まれていて、ふんわりとした落雁のような食感。

☆唐辛子

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ホワイトチョコレートでコーティングされたボールの中身は、マスタードシードの効いた野菜カレー。じっくりとローストしたパプリカのような味わい、唐辛子の辛味は、本場インドで食べた野菜カレーそのもの。意外な組み合わせでしたが、ホワイトチョコレートの甘みと油分とのバランスが良くて驚きました。

☆ご飯

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インドの蒸しパン、イドリをイメージさせるふんわりとした生地は、米粉と炊いたお米のピュレ、卵をサイフォンに入れて作った生地を、電子レンジにかけて作ったスポンジ。口に入れるととろけるような柔らかな食感に、フリーズドライにしたカレーリーフが乗っています。


☆バナナ

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島バナナのような小型のバナナをむくと、中の半分は甘さ抜群のバナナ、残りの半分はチキンレバーのパテ。間には黒ごまのペーストが挟まっています。バナナとレバーを合わせるとフォワグラの味になる、と聞いたことがありましたが、まさにそんな組み合わせ。

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☆魚

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地元産のシーバス(スズキの一種)を細かくほぐして甘く煮たでんぶのようなフロスを、グラノーラバーをイメージしたバーに。レーズンやナッツを入れて固め、表面を焼き、むっちりとした食感に仕上げてあります。


☆カクテルグラス

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ディルの葉をフリーズドライにした粉で作ったチュイルをジントニックに漬け込んだきゅうり、ジントニックのゼリー、ホースラディッシュのアイスクリームと合わせたもの。今は時期的に北海道のムラサキウニで、キュウリもしっかりとジントニックがしみ込み苦味が効いていたので、前回いただいた時よりもすっきりと仕上がっていました。


☆寿司

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サクッとした米粉に日本の出汁を入れたメレンゲに香ばしいライスパフの粒を混ぜ込み、食感のアクセントに。炊いた米の重さを無くし、米の香りで寿司をイメージさせるという構成。北海道の本鮪の大トロは出汁醤油につけて、カボスの皮を散らしたもの。間には本わさびが入っています。

九州に進出予定のGaggan、日本に進出した際のプロトタイプがもうこんな感じで出てきているのかな?と思わせられました。

☆人参

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人参のワッフルは、人参ジュースにイソマルト、グルコースや砂糖を加え、55度のディハイドレーターで一晩乾燥させたもの。間にフォワグラのムース、甘みと酸味のバランスを取る、ゆずとマンゴーのジェルが入っています。

☆お茶

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棗に入っているのは、アスパラガスのパウダー。そこに、鉄瓶に入ったキュウリとセロリ、青リンゴの冷たいジュースを入れて、茶筅であわ立てます。

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抹茶をイメージしているけれど、抹茶ではない。この、日本の茶道というのが一つ、ファッションのようにかっこいいものとして海外の人の目には写っているのかもしれないと感じます。

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☆肉

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イベリコ豚の子豚を使ったVindalooというカレーを詰め込んだカツにしています。
感じたのは、Gagganはインドの味を表現したくてこの絵文字メニューを始めたのではないか、ということ。インドにはカレー一つとってもたくさんの種類があるし、全部が普通のカレーのコースにしてしまっては、ガストロノミーとしては成り立たない。広大なインドの料理を綺麗なプレゼンテーションの一口サイズに詰め込んで、全部食べてもらいたい、ということではないかと感じます。

☆ココット鍋

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北海道産のホタテを、昆布とごま油に漬け込んで、チリオイルとカレーリーフオイル、ココナッツミルクのアイスクリームを乗せたもの。
焙煎のあまりされていないごま油を使っているのか、ゴマはほんのり後味に香る程度。
これは南インドのゴアのカレーをイメージしているのかな?と感じた一皿。シーフード、ココナッツ、カレーリーフ、唐辛子。

☆ホットドッグ

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「インドのホットドッグ」と提供されたのは、ラムのシシカバブ。
スターアニス、唐辛子の効いたラム肉の自家製ソーセージを、マンゴーチャツネを乾燥させて作ったリーフで包んでいただきます。

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ゼリーのような食感の葉ですが、特にゼラチンなどを加えているわけではなく、マンゴーに含まれているペクチンでそのまま固めているよう。

☆鶏

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カリカリの鶏の皮に、カフィライムが香るグリーンカレーのムース、しめじにマッシュルームのパウダーをかけたもの。


☆炎

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突然ライトが消えたので、一瞬停電?と思ったら、炎の演出。キャンプファイヤー、誕生日のろうそくなど、炎にはワクワクさせる力があるもの。タイやインドでは、魚をバナナの葉で包んで蒸し焼きにする習慣があるそう。シーバスにGagganのお母さんのレシピのマスタードマサラを乗せて、蒸し焼きにしてから、杉の経木に包んで焼き上げます。前回の脂の乗った金目鯛より、脂や身質がスズキの方がこの料理にあっている気がしました。

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☆爆弾

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オープン当初からのメニューで、5年になるシグネチャー。灰のようなものは、焦がした生姜。
中は日替わりだそうですが、この日はシャキシャキしたレンコンともっちりとしたそのピュレ、フェネグリークなどのカレーに使われるスパイスを合わせたものでした。

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☆タコス

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サモサ、との説明が。カナダ産のロブスター、生のマンゴー、ココナッツの果肉、コリアンダーなどを、柔らかいドーサに包んでいただく。濃厚な野菜の旨味とあいまったマンゴーは、チャツネのイメージ。

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一つ前のホットドッグもしかり、エスニックフードというカテゴリーで捉えられがちなインド料理を、現代料理というスタイルにするためには、西洋料理や世界で一般的に知られる料理に置き換える文法で語る必要がある、そう考えている気がしました。

☆薔薇

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本の形の箱を開くと、薔薇が登場します。どこか、オノ・ヨーコの作品の「天井の絵」を思わせるような、本の中には美が隠れている、というような演出。常に、新しい扉を開くというのは、勇気とプラスアルファの努力が必要なもの。開いた扉の先には、美しい薔薇があってほしい、という願いにも、ジャンルを問わず、これから新しい扉を開いていこうとする挑戦者たちへのエールにも受け取れました。
トンカビーンズマシュマロ、パウダーでできた花びらは、トンカ豆独特のキャロブのような甘い香り。上にはビーツのパウダーが乗っています。下にはチョコレートとシュレッドココナッツの入った土台のサブレ。

☆シャンパン

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ミルキーな味わいのマスカットの香りのスノースキンの月餅の中に、レーズンのアイスクリームが入っています。

☆ミニヨン

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中は柚子とわさびのアイスクリームで、シャキシャキした霜柱のような印象。どこかインドのアイスクリーム、クルフィを思わせます。「味わいがあるから」と、日本のクリームを使っているそうです。


☆桃

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下の生地は、ghewarというインドの伝統菓子で、ミルクとギーで作ったゆるい生地を油に落として揚げていきます。上に、角切りの桃と、桃のゼリーを乗せ、さらに丸く切った桃のスライスを乗せて。

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ユニバーサルな料理。絵文字というのも、言葉を介さずにコミュニケーションが取れる手段。料理にも同じことが言えそう。そして、料理というのはもっと根本的な欲求につながっているものなのでは、ということを表現しているような気がしました。


ちなみに、バンコクは渋滞がひどいので、BTS Chit Lom駅までBTSで行って、Soi Lang Suanに入ってからタクシーに乗ることをお勧めします。私はChit Lom駅そばのCentral World Mallからわずか2キロほどの距離をタクシーに乗ったら、40分以上かかりました。また、タクシーのドライバーは場所を知らなかったり、地図でも英語だとわからないと言われることも多いので、あらかじめホテルなどでタイ語で住所を書いてもらったり、あるいはレストランなど目的地に電話して直接ドライバーと話してもらう方がスムーズです。


<DATA>
Gaggan(ガガン)
営業時間:18:00~23:00、無休
住所:68/1 Soi Langsuan, Ploenchit Road, Lumpini, Bangkok 10330
電話:+66 2652 1700



2017年9月17日

Asia’s 50 Best Restaurants 2017で43位に輝いた台湾のレストラン、MUMEがシンガポールにやってきました。
店名の名前は、中国語で「梅」と言う意味。店名の通り、花を使った目にも美しい料理を作っている印象がありました。

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今回、コラボレーションを行うのは、そんな印象にぴったり、Gardens By the BayのFlower Dome内にあるレストラン、Pollen。(過去記事はこちら)植物園の中ならではの、緑に囲まれたレストランで、ゴードン・ラムゼイのレストランなどで修業したイギリス人、Steve Allen シェフの料理が楽しめます。

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まずは、Pollenのスティームジュースカクテルでスタート。ルバーブのジュースに、ジンとバジルを加えてあり、ホッとする優しい味わいです。

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そして、Pollenが新たにスタートした、コースがチェリーで始まり、チェリーで終わる、というアイデア。

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カリカリのブリオッシュの生地の上に、チキンレバーパテにビートルートゼリーをかけ、ローズマリーを飾った、フルーツミート風の一品。
ルバーブのスティームジュースと赤い色素が重なるビートルート、コクのある一口サイズのレバーパテはローズマリーですっきりと頂けます。

続いては、MUMEからの一皿、

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台湾の店では、95%台湾産の食材を使っていると言うことですが、シンガポールで手に入れるのが難しいことから、スコットランド産のブラウンクラブを使っています。アルカリ処理したキヌアで作った、薄いクラッカーのようなトルティーヤの上に、トウモロコシのピュレ、そして丁寧にほぐしたカニの身は、金木犀の香りのビネグレットソースと胡椒で和えてあります。後味に金木犀の香りがふわっとほのかに残り、この甘い印象がカニの身の甘みとあっていました。


King Salmon

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PollenのStevenシェフが大好きな食材だと言うキングサーモンは、イクラと、ジンと甘酢に漬け込んだきゅうりの表面を焦がしたものと、ディルを添えて。液体窒素でパウダー状にした焦がしバターに鰹節や海苔、ゴマを使った日本のふりかけを混ぜて、甘みと旨みのアクセントに。

5年ものの天然酵母で作ったPollenの自慢のパン。

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ひまわりの種などが入ったマルチグレインと、全粒粉を使ったパンで、しっとりとした食感と、優しい香りが楽しめます。自家製バターに、長ネギのオイルをかけて。

そして、次の牛肉のタルタルに合わせたのが、イタリア・ヴェネト州、ソアべ。

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アメリカンオークの樽で9ヶ月間熟成したと言う、柔らかいテクスチャのガルガネガに、同じくまろやかな食感の和牛のタルタルと言う組み合わせ。
どこか湿ったウールを思わせる野性的な香りに、ミネラルを感じる辛口。牧草肥育のオーストラリア和牛の、旨みの乗った外もも肉、そして鉄分や草の香りとあっていました。

Wagyu Tartare

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タルタルには、ちょっと沢庵を思わせるような食感の大根の漬物、紫玉ねぎのピクルス、卵黄のピュレと白玉ねぎのマヨネーズ。上には薄くスライスしたレンコンを揚げたしっかりとした食感のチップを砕いたものが乗っています。上にはスパイシーな印象のナスターチウムが載っていますが、伝統的なタルタルよりも、刺激は抑えめの上品な味の仕上がり。チャービルが穏やかな甘い香りを添え、矢車草の花が鮮やかな色彩を添えています。

続いては、24時間マセラシオンをしてからステンレスタンクで作ったと言うグルナッシュのワイン。

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ナチュラルワインのような、少し藁のような発酵の香り、ほのかな発泡感。グルナッシュならではの、イチゴのような香りもあります。

Mume Salad

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そんなワインに合わせるのは、MUME のシグネチャーのサラダ。運んできたRichardシェフから、生やピクルス、乾燥して水分を飛ばすなど、一品ごとに違う調理法をしているので、ぜひ一つずつ味わって、とコメントが。野菜は季節ごとに変わるそうですが、変わらないのは、味付け。黒豆を発酵させた台湾の伝統的な調味料を乾燥させて作った旨みたっぷりのクランブル。

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さらに根セロリのピュレ、千切りにして揚げた牛蒡が、様々なレイヤーの大地の味を表現しています。いきいきとした生命力を感じる生のラディッシュ、甘いセミドライトマト、蕪の甘酢漬けなど。たっぷり野菜が取れると言うのも、今の時代にあった料理を提供していると感じます。


次のワインは、オーストラリアのシャルドネ。

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シュール・リー製法、20%フレンチオークの古樽を使って熟成させています。
イースト、バニラの香りがはっきりと感じられます。

Steamed Turbot

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それに合わせたのが、コラボレーションで作ったと言うヒラメ。
ヒラメは58度のオーブンで優しく火を入れ、その骨を焼かずに使った出汁は、とってもまろやか。昆布がしっかりと効いていて、日本料理の煮付けの魚の出汁から醤油を除いた感じの味、と思ったら、なんと水を使わず、日本の料理酒を使って出汁を取っているそう。
そして、味のアクセントは、台湾産のワイルドペッパー。カフィライムを思わせるシトラスに、生姜を効かせたような香りでとても印象的でした。
下には、生海苔のような海藻が昆布のヨードの味わいを後押ししますが、そのまろやかが重すぎると感じないように、小さなズッキーニと、軽く湯がいただけの枝豆がシャキシャキした食感を、パセリのオイルがすっきりとした清涼感を与えています。

このまろやかな印象に、シャルドネの丸いテクスチャがあっていました。

スーパータスカンとして知られるオルネッライア(Ornellaia)のサード・ラベル、当たり年の2015年のもの。

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5ヶ月をフレンチオークのオルネッライアの古樽で、さらに5ヶ月をセメントタンクで熟成したと言うワイン。メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン主体で、早飲みタイプ。
ダークフルーツの印象や、血の香りを感じる、とても鉄っぽさのあるワインですが、マロラクティック発酵を行なっているために、棘のないまろやかな味わいになっています。

Beef Short Rib

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MUMEの牧草肥育のオーストラリア和牛ショートリブは、乾燥米麹のパウダーをまぶして1日半漬けたもの。台湾のお店では5日間置いているそうです。58度で24時間火を入れたと言う牛肉は、麹の力で臭みもなくとても柔らか。
下にはエンダイブのフレッシュなサラダ、牛肉と相性抜群の小さなジャガイモ、しいたけ。セロリの葉とパセリを混ぜたような香りのラビッジのオイル、そして決め手は台湾産のコーヒー豆をフリーズドライにした粉。しっかり苦いのですが、コクがあります。そして、ほのかにブレンドされたカレー粉のようなスパイスの香り。


次のワインも赤、グルナッシュとシラーズが主体。

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樽を使わず、ステンレスタンクで醸造しているので、プラムやチェリー、フレッシュなベリーの味。マロラクティック発酵しているので、角がなくまろやかな味わいです。

Pekin Duck

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Pollenの一皿。北京ダックなのにアメリカ産?と一瞬思ってしまいましたが、これはアメリカ・アイダホで飼育されているペキン種の鴨。
塩やタイムなどに漬け込んでから、62度で12分ほど調理したと言う鴨は、胸肉はそのまま、もも肉はフライパンで焼き目をつけてから提供しています。

ソースは焼いた際に出た肉汁に、蜂蜜や醤油、オイスターソース、シェリービネガーなどを加えたもので、少しアジアな感じの甘みが鴨に合います。少し苦味を残した、あっさりとした漬け具合の蕪の甘酢漬けと柔らかい肉質を生かしたスモモのコンポート。下には大麦のリゾットが敷かれています。

Cucumber

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MUMEのデザートは、きゅうりのソルベとヨーグルト。皮を乾燥させ、粉にしてからカリカリのメレンゲの上にかけてあります。中にはセロリときゅうりをみじん切りにしたものを入れて、シャキシャキした食感のアクセントに。

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ジンのシロップとカフィライムを効かせて。


マスカットとプティ・ヴェルデを使った甘口ワイン。

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ライチやマスカットの香り、そして少しフレッシュなハーブ感と、後味にジンを思わせる苦味もあり、きゅうりを使ったプレデザートの緑の印象にぴったりでした。

Cherries

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そして、Pollenのデザートはシンガポールスリングをイメージしたチェリー。
チェリーのスティームジュースを使ったフレッシュチェリーの一皿。タイムやレモンの皮を使い、すっきりとした印象に。上にはチェリーのパルフェを液体窒素で固めたものを乗せ、割って楽しみます。

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小菓子もチェリーとパイナップルソルベを合わせたタルト。

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合わせるのは、先ほどの甘口ワインよりもさらに甘みがしっかりと乗ったソーテルヌ。

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こちらも、後味に苦味があり、切れ味のいい甘みを実現しています。

自然がたっぷりの植物園の中で味わう、目にも鮮やかな、軽やかな料理。野菜をしっかり使い、翌日も全くもたれないのも嬉しかったです。

お土産に、POLLENからチョコレートトリュフを、MUMEの契約している台湾の生産者による、無農薬の紅茶と烏龍茶、チョコレートをいただきました。台湾南部ではカカオが育つそうで、露地で豆から育てているまさにメイド・イン・台湾の「Fuwan」のチョコレート。2017年のInternational Chocolate Awardsでも受賞しているそうです。

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各地のシェフがコラボレーションすることで、それぞれの国の良いものが世界に知られていく、実直に物作りをしている生産者の方達に、こうしてスポットライトが当たるのは素敵だなと思いました。

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<DATA>
◾️Pollen x MUME an eight hands collaboration dinner
日時:2017年8月30日、31日 19:00〜(終了)

■Pollen(ポーレン)
営業時間:ランチ 12:00~15:00、ディナー 18:00~22:00、火曜休
住所:Flower Dome, Gardens by the Bay, 18 Marina Gardens Drive, #01-09, Singapore 018953
電話:+65 6604 9988
アクセス:MRTベイフロント駅から徒歩15分程度


2017年9月 4日
2017年8月25日
2017年8月 7日
2017年8月 6日
2017年8月 1日
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    仲山 今日子
    元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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