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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

シンガポール・シンガポール特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


2016年にスタート、今年で3回目を迎える、ミシュラン香港・マカオのガラディナーにお邪魔してきました。

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ちなみに、シンガポールでは、ガラディナー=星の数の発表ですが、香港・マカオでは、プレス向けに、午後から記者会見があり、どのレストランがいくつ星を獲得したかは、ガラディナーの前に判明します。

さて、そのガラディナー。マカオと言えば、カジノの街というイメージが強いものの、近年「美食の街」として、官民一体となって非常に力を入れています。

通常、レストランにおける、料理の金額に対する食材費の割合は、20〜30%と言われていますが、マカオのレストランは、カジノにやってくるお客様へのサービス、という位置付けが強いため、食材費には制限がない、という店も少なくありません。

以前お邪魔した和食店に質問したところ、「食材費は78%」と、通常のレストランの倍以上の金額が飛び出したことも。美食の街・香港に住んでいても、「食事のためだけにマカオに行く」というフードジャーナリストの友人たちも多いもの。

今年のガラディナーの会場は、シティ・オブ・ドリームス内の、Grand Hyatt Hotelです。

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毎年世界から著名なシェフを招いて行われるガラディナーですが、今年は、「Metamorpheus(メタモーフォシス、変容)」をテーマに、以下のシェフが7コースのメニューを担当しました。

Poached Gillardeau Oyster No. 3.
ザ・テイスティング・ルーム、ファブリス・ヴリンシェフ(香港・マカオ2019年2ツ星)
Fabrice Vulin, The Tasting Room

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「牡蠣のロールスロイス」とも呼ばれる、ジラルドーの牡蠣に優しく火を入れて、牡蠣の殻を開けた時に出るジュースで作ったゼリー、そしてハマグリやまて貝などの貝の甘みと合わせて。海の香りで合わせたクリスタルキャビア、生姜のクリームとフランス・マントン産のレモンのコンフィ、シャキシャキした細切りにしたりんご、フェンネルの葉で、さっぱりと仕上げてあります。

Masa Toro Caviar
Masa 高山雅シェフ(ニューヨーク、2019年3ツ星)
Masa Takayama, Masa

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シグネチャーの、トロとキャビアの一皿。もともと、ビバリーヒルズに出店していた頃、キャビアを美味しく食べられないか、と考案した一皿。癖のないマグロの中トロをキャビアの塩気と合わせていただきます。キャビアは、先ほどのものよりエイジングしてあるのか、ねっちりとして油分を多めに感じる、肉に合いそうなキャビア。皮は薄めで、柔らかな食感でした。サイドに添えたトーストにつけていただきます。


Fish Maw in Rabbitfish Soup with Crab Meat Roll
ジェード・ドラゴン、ケルヴィン・オー・ユンシェフ (香港・マカオ、2019年 新3ツ星)
Kelvin Au Yeung, Jade Dragon

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コラーゲンたっぷりの、とろりとした魚の浮き袋のスープは、干し貝柱の旨味が強く、フカヒレのようなプリプリの浮き袋と、蟹とキクラゲを湯葉で包んでから揚げて、蟹の殻のパウダーをかけてある、海の旨味たっぷりの一品。

Cookpot of Blue Lobster, Black Truffle and Potato
アランデュカス・オー・プラザ・アテネ、 アラン・デュカスシェフ (フランス、2018年 3ツ星)
Alain Ducasse, Alain Ducasse au Plaza Athénée

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アラン・デュカスシェフがプラザ・アテネから約10人のチームを連れてきて作ったのが、こちらの一皿。
オーセンティックな香りながら、軽めに仕上げたビスク、ブルーロブスターはとても柔らか。胡椒はやや強めの印象です。ジャガイモはねっちりするタイプではなく、サクッとした食感で、火の入りも軽め。もう少し粘りのある品種を使って、じっくりと火を入れた方が個人的には好みでした。上からたっぷりと、刻んだ黒トリュフをかけて。


Steamed Sea Bass Fillet in Fermented Bean Sauce
龍景軒 チャン・ヤン・タクシェフ (香港・マカオ2019年 3ツ星)
Chan Yan Tak, Lung King Heen

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スズキの仲間のシーバスに、発行した黒豆ソースをかけて。
伝統的な家庭料理だという、蒸し魚の黒豆ソース。下には春雨が敷いてあり、魚の脂の旨味を絡めていただきます。


Charcoal Grilled Kagoshima Beef Ribeye and Charred Cabbage, Black Truffle with "Jus Corsé'
マンレサ デビッド・キンチシェフ(サンフランシスコ2019年 三ツ星)
David Kinch, Manresa

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脂のたっぷり乗った鹿児島和牛のリブアイを炭火で焼き、クリスピーになるまで焦がしたキャベツ、そしてジュ・コルス、黒トリュフをたっぷりスライスして。
まるで野菜チップのようにカリッとした食感のキャベツが香ばしく、甘さも引き出されていて面白い一皿。

Truffle
ピエール・エルメ、 ピエール・エルメシェフ
Pierre Hermé

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一番、「変容」というテーマをうまく表現しているのではないかと感じたのはこの一皿。ピエール・エルメ氏が、テーマにしたのは、残り香、というような意味の『シアージュ(sillage)』。最高級のペリゴール産の黒トリュフとヘーゼルナッツを2つのメイン食材に据え、その二つの食材の味わいの間を行ったり来たりしながら楽しむというもの。味わいが一口ごとに変容するのを楽しむデザートだ。ダークチョコレートのシェルの中に、甘さを抑えた軽やかな黒トリュフの生クリーム、さらにヘーゼルナッツクリームとペースト、ヘーゼルナッツシロップに漬けたスポンジケーキが入っていました。


また、こちらでも改めて、星を獲得したシェフたちの名前が読み上げられ、壇上で会場の拍手を浴びました。

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ちなみに、今年の星受賞レストラン全リストはこちら↓

一ツ星(継続)
Ah Yat harbour view
Arcane
Beefbar
Celebrity Cuisine
Duddell's
Epure
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Fu Ho (Tsim Sha Tsui)
Ho Hong Kee
I M Tepwpanyaki & Wine
Imperial Treasure
Jardin de Jade (Wan Chai)
Kaiseki Den by Saotome
Kam's Roast Goose
King
Lai Heen
Lei Garden (Kwun Tong)
Lei Garden (Mon Kok)
Loaf On
Man Wah
Mandarin Grill + Bar
Ming Court
8 1/2 - Bombana Macau
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Pang's Kitchen
Pearl Dragon
Qi (Wan Chai)
Rech
Shang Palace
Shinji by Kanesaka
Spring Moon
Summer Palace
Sushi Tokami
Sushi Wadatsumi
Takumi by Daisuke Mori
Tate
The Golden Peacock
The Kitchen
The Ocean
Tim Ho Wan (Sham Shui Po)
Tim's Kitchen
Tosca
VEA
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Wing Lei
Yat Lok
Yat Tung Heen (Jordan)
Ye Shanghai (Tsim Sha Tsui)
Yee Tung Heen
Ying
Zhejiang Heen
Zi Yat Heen

一ツ星(新規)
Arbor
Belon
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Guo Fu Lou
New Punjab Club
Octavium
Xin Rong Ji

二ツ星(継続)
Amber
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Feng Wei Ju
Forum
Golden Flower
Kashiwaya
Mizumi Macau
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Pierre
Sun Tung Lok
Ta Vie
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Tenku RyuGin
The Tasting Room

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Tin Lung Heen
Yan Toh Heen

二ツ星(新規)
Alain Ducasse at Morpheus
Ecriture
Sushi Saito
Ying Jee Club

三ツ星(継続)
Bo Innovaition
L' Atelier de Joel Robuchon
Lung King Heen
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8 1/2 - Bombana (HK)
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Robuchon au Dome
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Sushi Shikon
T'ang Court
The Eight
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三ツ星(新規)
Caprice
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Jade Dragon


2018年12月29日

台湾に美食の文化をもたらしたいと、台湾メディア、Fimmediaが行なっているInternational Chefs Summit Asia。今年はMarriott Taipei Hotelを会場に行われています。コラボレーションディナーは、ホテルの20階、素晴らしい夜景が望めるInge’s で行われました。

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オーナーのMark Liuさんこだわりの、大きなオープンカウンターの中心には、炭焼きのエリアが。「私が子供の頃は、まだ台湾では全部の料理を木と炭を合わせた火を使っていたんです。だから、炭の火というのは、台湾にとって、アイデンティティというべき、とても大切なものです」とMarkさんは語ります。

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(JaanのKirkシェフと話すMarkさん(右))

この日は、シンガポールからJaanのKirk Westawayシェフ、福岡から、La Maison de la Nature Gohの福山剛シェフ、東京からIl Ristrante Luca FantinのLuca Fantinシェフとデザート担当のFabrizio Fioraniシェフという、いずれも今年のアジアのベストレストラン50にランクインした8人のゲストシェフが料理を作り上げます。

まずは、Inge’s のオリジナルカクテル、Chubby Day。
パイナップルラムに蜂蜜などをを使った南国らしいフルーティなカクテルで、紅茶に冬瓜を入れたソーダが、どこかパンダンリーフのような、独特の香りを醸し出しています。

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Majestic Oyster / Caviar Jaan

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アーティーチョークのカスタードの上に、Kristalキャビアをたっぷりと乗せたもの。玉ねぎのピクルスとタピオカがアクセントになっています。

English Garden Jaan

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そして、とても印象的だったのがこちら。つい5日前にも、Jaanで同じ皿をいただいたのですが、シンガポールではヨーロッパの野菜を使っているのに対して、今回は台湾の野菜を使っているため、味の印象がまったく違います。Kirkシェフも「台湾の野菜は、新鮮なのでとても歯ざわりが良く、甘い野菜というよりも、素朴な味わいが魅力」と語っていました。どちらの野菜もオーガニックのものを使っているそうですが、実際に同じビーツのピュレにしても、同じ甘さを出すのに、ヨーロッパの野菜よりも甘さが控えめなので、ビーツを多く使っているようで、テクスチャも濃厚、ビーツそのものの味も複雑な大地の味わいが感じられるものでした。
多くの野菜は、シンガポールとほぼ同じでしたが、こんな小さなな冬瓜も。酸味がしっかりあって、噛むとキャビアライムのような種の食感がはっきりあるのが印象的でした。

Saury Fish Goh

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ここで日本の秋の味覚、さんまが登場。通常は冷菜のテリーヌにするそうですが、今回はこの後のパスタも冷たいパスタ、ということで、コンフィにしたさんまを温かいコロッケ仕立てに。衣は製パン用のイーストを混ぜ込んで、軽く薄く仕上げて。「揚げ油が210度を越すと、ふわっと膨らんで、とっても軽くなるんです」と福山シェフ。よくコラボするGagganシェフのカレー入りの炭のコロッケも少し思い出す仕立て。黒七味と醤油のパウダーをたっぷりと乗せて。クリスピーに焼き上げた衣はサンマの皮、それに醤油と七味をつけて食べる、焼き魚の再構築のようなお皿。サイドには、「お口直しに」とイチジクを。


Hokkaido Sea Urchin Pasta Il Ristrante

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程よいアルデンテに仕上げた、冷製パスタにしては太めの、もっちりとしたスパゲッティに負けない、滑らかに乳化された北海道のウニと日本のトマトにあさりの出汁を加えた、様々な旨味が重なり合ったリッチなソース。さらにフレッシュなウニを乗せていただきます。ちなみにパスタは、Monograno Felicettiという、シングルオリジンのオーガニックの小麦粉を使ったこだわりのブランドのもの。


Abalone/ Truffle/ Shiitake Mushroom Goh

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大根の上に昆布を敷き、その上で3時間蒸し器で蒸しあげたというアワビを、肉厚の椎茸とともに優しく火を入れて、しっとりと優しい食感に仕上げます。上からは、焦がしバターと椎茸、玉ねぎのピュレを合わせたエスプーマをかけて。下には、本来はリゾットのところを、「炭水化物が多すぎないように」とマコモだけと肝を混ぜて表面をカリッと焼き上げたレンコン餅に。間には、濃厚さを和らげる水分、大根を、あおさのパウダーが磯の香りと旨味を後押しします。この辺りの全体の流れを見た調整具合も、福山シェフが様々なコラボレーションで人気の理由の一つかも。お隣の席のMark Liuさんも、「実は椎茸は大嫌いなんだけれど、これはアワビのように食べられる」と完食されていました。

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Kagoshima Wagyu / Truffle Il Ristrante

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こちらは、鹿児島和牛のサーロインの薄切りを、しゃぶしゃぶのイメージで、軽く火を通し、そのロゼ色になった半生の肉を、イタリアらしい、トリッパ入りのたっぷりの牛の出汁でいただくというもの。

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和牛の頰肉、トリッパ、アキレス腱と、ゼラチンたっぷりの部位を、ラグーのように煮込んであります。とても甘く、炒めタマネギやポルト酒をを使っているのかと思ったら、なんと水と肉だけでこの濃厚な味を出しているのだとか。皿の上に過剰にものを置かない、ミニマリストのLucaシェフらしい料理。
下には、牛肉と相性抜群の、皮も含めて丸ごと40分炒めた玉ねぎの芯の部分をほんの少しだけスモークして。玉ねぎの中で料理した玉ねぎ、というべき部位で、しっとりと甘く仕上がっています。サイドには玉ねぎのピクルスを添えて。
ホースラディッシュとグリーンマスタードは、イタリアで肉を食べる時の定番の薬味。

Pear Ricotta Salted Caramel Il Ristrante

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お皿に統一のイメージがあって、見たときに何が使っているかわかる料理を出して行きたい、というのが、Lucaシェフと、デザート担当のFabrizio Fioraniシェフの共通するポリシー。アートとデザイン、ファッションをこよなく愛するFabrizioシェフは、主役の食材をモチーフにしたユニークなプレゼンテーションで、「食材が何か」を表現して行きます。

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山形の洋梨を使ったデザートは、形そのものも洋梨型。
一番上の層、砂糖を使わないメレンゲは、洋梨のピュレ、チコリから取った水溶性の繊維、イヌリンを使っています。
その下にはごく薄いチョコレート、低カロリーのヴェネト産のリコッタチーズを使ったクリーム。洋梨のピュレ、クッキー生地で、洋梨とリコッタチーズのタルトのような構成。「ヨーロッパの果物よりも、日本の果物は糖度が高いので、砂糖を他の党に置き換えるようにしている」と言います。同じ糖分でも、よりヘルシーなデキストリンやトレハロースを使い、甘さ控えめの軽やかな味わいにしています。

サイドの塩キャラメルジェラートは、もちろんその場でクネルをして提供、気づいたのは、テクスチャがとても柔らかく、すぐとろけてしまうギリギリの温度で提供されていること。そのテクスチャから、とろけるリキッドキャラメルのイメージを表現しているよう。ほんの少しパームシュガーを使って、味わいにコクを出して。

最後は、台湾のグルメコーヒーと言えばここ、という人気のカフェ、Fika Fika Cafeのコーヒーで締めくくり。

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チャンピオンバリスタとして知られる、James Chenさんが、2013年にNordic Barista Cupでチャンピオンになった時と同じロースト、同じ種類の豆でのコーヒー。

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2種類の豆のブレンドで、柑橘のようなすっきりとした酸味とコク、甘みのバランスの取れた味わいでした。

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2年目を迎えたInternational Chefs Summit 2018、来年は台湾のシェフたちを連れて、アジアの他の場所で開催される可能性もあるとか。去年よりもさらに、台湾のシェフたちと世界のシェフたちの交流もさらに密になってきている気がして、これからますます楽しみです!

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<DATA>
■International Chefs Summit Asia 2018
イベント日時:2018年10月15日〜18日
■Inge’s (Taipei Marriott Hotel)
営業時間:ブランチ 11:00〜15:00(土曜、日曜のみ)、ディナー 18:00〜22:00、バー 17:00〜25:00(日曜〜木曜)、〜26:00(金曜、土曜)、無休
住所:No. 199 Lequn 2nd Road, ZhongShan District, Taipei
TEL:+886 2 2175 7997


2018年10月17日

ミシュラン二つ星、Asia’s 50 Best Restaurants 35位のマカオのCity of Dreamsにある中国料理のレストラン、Jade Dragonの人気シェフ、Tam Kwok Fung シェフが、Wynn Palaceのレストラン、Wing Lei Palaceのヘッドシェフに就任。お披露目のイベントにお邪魔してきました。


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2ヶ月前に就任以来、新しいアイデアを練ってきたというTamシェフ。前日にスタートしたばかりという、新しいメニューをいただいて来ました。

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ウェルカムティーは、中国緑茶に、金木犀やバラを入れたもの。

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そして、Wynnのハウスシャンパンは、SalonとDelamotteということで、ここでSalon 2006を。蜂蜜のニュアンスのある、きりりとしたブランドブラン。


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Barbecued suckling pig top with caviar willed with minced shrimps

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香ばしくカリッとした豚の皮の下には海老のすり身、そしてゴマをまぶし、上には、少し魚の香りがあるものの、強すぎない、イラン産のキャビア。
コーンのような甘みのある、マコモダケのような、台湾産のWater Bambooと呼ばれる野菜が添えてあります。


Wok-fried razor clam

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スコットランド産のマテ貝の器の上には、マテ貝の身、シャキシャキした百合根、雲南省で取れたジロール茸をニンニクで炒めたもの。みずみずしいネギを添えて。

この後の3皿に合わせたのが、ギリシア・サントリーニ島のワイン。海に近いので、少し塩のニュアンスがあるのだとか。固有品種のアシルティコを使っていて、梨を思わせるようなフルーティでさっぱりとした味わい、後味に少し苦味が残ります。

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Braised fish broth with fish maw and vegetables

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グルッパの骨、さらに、5cmほどの大きさのコハダの仲間の魚、梭羅魚を出汁にスープを取り、グルッパの骨、中国湯葉、カブ、ネギ、生姜などを入れ、コクを出すために若いヘチマや春雨、大きな鱈の浮き袋Yellow croakerという魚の身などをスープに入れています。魚の脂の濃厚さがあり、ほんのり生姜と胡椒、ごま油がきいていて、上には揚げた干し貝柱が旨味を加えています。

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Tamシェフが使っている梭羅魚。(Photo by Anthony Ng )

ベースの魚のスープは、その時に市場にある旬の魚で取る、というのも、Tamシェフのこだわりだそう。このスープは、他の野菜料理などにも使われます。

Hot and sour seafood soup

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こちらもTamシェフのシグネチャーのスープ。ホタテのスライスや毛ガニを使ったサンラータン。上にははんぺんのような柔らかい卵白が乗っています。
豆板醤やチリウォーターを使ったスープは、中国黒酢だけでなく、バルサミコ酢を加えて、味わいに少し洋風のアクセントを加えているのがTamシェフらしいアレンジ。

Crispy sea cucumber

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まるで天ぷらのような一皿。焦がし醤油を思わせる香ばしい衣は、干したヒラメの粉と、イカスミが入っていて、柔らかく調理されたなまこの中には海老のすり身が入っています。西洋の粒マスタードを添えて。もう一皿は、ポメロの繊維質の皮を、海老の卵の入った、アワビの出汁で煮てあります。

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松の司の250本限定の日本酒は、メロンのような香りで、クリーンで綺麗な日本酒。酸が低めの白ワインのように楽しめます。

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こちらはサプライズメニュー。マカオのローカルフードで、卵白で作った茶碗蒸しの上に、カニの身とスープをかけたものがありますが、それをTamシェフ風にアレンジ。
Tamシェフは、洋風の味の作りが上手く、しっかりとボティのある味。この卵白の茶碗蒸しも、卵白だけでなくミルクを入れてアレンジ、ローカルフードの場合はウォータークラブと呼ばれる地元産のカニを使うのが通常ですが、それを、フランス産のブルーロブスターにしてあります。ロブスターの卵、ナッティな味わいの36ヶ月熟成のイベリコハムも入れて。また、食材だけでなく調味料もグレードアップ。20年熟成のHau Diaoと呼ばれる中国酒を贅沢に使っています。まるでキャラメルのような香ばしさのあるソースでした。


そして、ここで出て来たのは、丸ごとのキスのような身質の獅頭魚、”Lion head croaker”という魚のフライ。

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コーンスターチにニンニク、五香粉、唐辛子の粉などを混ぜたものをつけて揚げてあります。「頭から食べられるから、そのまま丸ごとかじって。小さな魚だけど、豊かな味わいがあるでしょう」とTamシェフ。Tamシェフは毎朝市場に行き、その時に見つけた良い食材を毎回メニューに取り入れるのだとか。メニューになかったこの魚も、そんなサプライズの一つ。

Roasted rack of New Zealand lamb

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伝統的な窯で、ライチの木を使って焼いた後、西洋のオーブンの低温で15分休ませたラム肉はとても柔らかく、スモーキーでクミンなどのスパイスが効いています。スモークの印象と相まって、インドのタンドーリを思わせる味付け、とついつい感じたのですが、中国でも中央アジアに近い地域では、クミンを多く使うそうです。麻辣の添え物で、また違ったスパイシーさをプラス。コースの後半、こういったパンチのある味で、お腹がいっぱいなのになぜか食べられてしまう、という効果もありそうです。


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とても気に入ったのが、このラムと、スイス最古のワイナリーによる、珍しいスイス産のシラーズ100%のオーガニックワインとのペアリング。ウールのような動物性の香りがあり、どこかミントのような、メントール系の清涼感も感じます。ミントとラムの香りの相性は良いもの。とてもよく合っていました。


Vegetable fried rice with lychee wood roasted goose and seasonal black truffle

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アヒルも、ラムと同じ伝統的な窯を使い、ライチの木で焼き上げています。ローストしたアヒルも、火が入りきらないところで、野菜のチャーハンを作ってその中に埋め込み、蒸し焼きにすると同時に、アヒルの脂を吸わせて、どちらも美味しく仕上げる、というもの。

赤身の鳥のアヒルに合わせたワインは、キャンディのようなフルーツ感のリオハ。

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そして、マッドクラブを使ったクラブヌードル。

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カニ、焦がしネギ、生姜などと炒め合わせたマロニーと。

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Baked sago pudding with taro paste

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カスタードプリンには、スイートポテトやタピオカを入れて。程よい甘みでするりと食べられるプリンでした。


スペインの柿のデザート。

生の柿は砂糖を乗せて、バーナーであぶり、表面をブリュレのように飴の層を作ってあります。タヒチ産のバニラビーンズを使ったクリーム、
タロのピュレ、キャラメル味のライスパフ、 クッキークランブルと共に。

そして、最後には、まるでフランス料理店のような、デザートトローリー。

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「フランスのお菓子でも、アジアのフレーバーを使って、ここらしく仕上げています」とTamシェフ。ふんわりとした口どけの栗と小豆のマカロンのクオリティも高く、思わずびっくり。お聞きすると、マカオのWynn Resortのペストリーの責任者、Yoann Mathyさんは、元ジョエル・ロブションで働いていたそうで、デザートトローリーの完成度の高さにも納得。

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以前のJade Dragonの時よりも、フランス料理など、洋風料理の影響が強く感じられました。さらに、Wynn Lei Palaceでは、より一層季節の食材に寄り添って、以前よりももっとピュアな、季節の移り変わりに合わせた料理を作るつもりでいるとか。

「中国料理の季節感とは、中国漢方の発想による使うものの違い。例えば、夏場には体を冷やすと言われている冬瓜を使ったり、冬は肉を多く使い、スープにはとろみをつけるなど、中国料理というと、テクニックで季節を表現してきた。ただ、もっと季節の食材を使って、季節感のある中国料理を作っていきたい」と語ります。

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例えば、中国には同じ鶏肉でも、品種によって、フライに使う鶏肉と、茹でる料理に使う鶏肉の種類が違うなど、食材の違いによって、調理方法を変えるということは行われているので、食材によって調理を変える、というのは、よく行われていること。それを、季節による食材の味の違いにフォーカスして変えていきたい、と考えているそう。

また、印象的だったのは、例えば中国の上質な酒を料理に使うなど、伝統的な味わいを昇華させているだけでなく、フランス料理に使われる上質な食材、ブルーロブスターやトリュフなどを、積極的に取り入れていること。また、味わいの構成要素も、茶碗蒸しのような卵料理にミルクを加えたり、中国黒酢にバルサミコ酢を加えたりと、味わいの上でも、西洋的なバランスをとって、ワインにも合うように工夫していること。「料理においてエレガンスは大切。デザートトローリーも、そんな考えから導入した」とTamシェフ。

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新しい中国料理のファインダイニングの形が、これからどうなっていくのか、とても楽しみです!

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<DATA>
■Wing Lei Palace
営業時間:ランチ 11:30~15:00(月曜〜土曜)、10:30〜15:30(日曜、祝日)、ディナー 17:30~22:30、(無休)
住所:Wynn Palace, Av. da Nave Desportiva, Macau
電話: +853 8889 3663
https://www.wynnpalace.com/en/restaurants-n-bars/fine-dining/wing-lei-palace



2018年10月13日
2018年10月11日
2018年9月27日
2018年8月21日
2018年7月26日
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    シンガポール特派員
    仲山 今日子
    元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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