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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

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2014年4月30日

プロに選ばれたプロ、気鋭の日本人シェフが生み出す、絶景イタリアン「Forlino」


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プロに選ばれたプロ、気鋭の日本人シェフが生み出す、絶景イタリアン「Forlino」


今回は、ずっと気になっていたレストラン「Forlino」に行って来ました!
先日のSavor2014 の記事でもご紹介した、鳥居健太郎シェフ。若干31歳という若さながら、シンガポールのイタリア料理界を代表するトップシェフの一人です。

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世界70カ国、2200組織ものイタリアンシェフが加盟する協会、Itchefのベストシェフに選ばれる等、まさにプロが認める腕前で、シンガポール国内だけでなく、世界的にも活躍中。様々なイベントでも引っ張りだこの鳥居シェフの料理が食べられるレストラン、しかも、目の前にはマリーナベイサンズが広がるという絶妙なロケーション! シンガポールのベストレストランにも選ばれ、連日大人気というのもうなずけます。

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場所はシンガポールの象徴、マーライオンの目の前(ちなみに、席によっては大きい方のマーライオンの後ろ姿が見られます)のレストランやオフィス等が入っている複合施設、「One Fullerton」ですので、アクセスの良さも抜群です。

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照明を落とした入り口は、重厚な印象。

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「Forlino」とお店の名前が書かれた渋いゴールドのプレートが飾られたエントランスを入り、ゆっくりと螺旋階段を上がって行くと、温かくほのかな灯りに照らされた小さなデスクと、案内の男性。お店の中の様子はいっさい見えず、期待が高まります。男性のエスコートで、お店のテーマカラーである、淡いブルーグリーンの迷路のような回廊を、ちょっとドキドキしながら通り抜けると......突然、目の前に広がる、開放感あふれる空間。右手には、大迫力のマリーナベイサンズ。
観光に来て、皆さんがマリーナベイサンズの写真を撮る定番のスポットがちょうど眼下に望めることからも、このロケーションの良さ、分かっていただけるでしょうか?

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ちなみに、お洒落をして訪れたいファインダイニングですが、お子さんの年齢制限はないとの事。ただ、雰囲気のいいレストランなので、泣き出したら外に出てあやすなど、最低限のマナーは守りたいですね。家族や仲間の集まり等、大勢での利用の場合は、オーダーの最低金額はありますが、個室を利用すれば、更に安心かも知れませんね。落ち着いた雰囲気の個室は、ビジネスでの利用も多いそうですよ。

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この日いただいたのは、88シンガポールドル(税・サ別)のランチコース。(メニューは季節に合わせて変わるので、詳しくはウェブサイト をチェックしてくださいね)。

席に着いて、まずサーブされたのは、ふわふわ、という表現がぴったり来るくらい極薄くカットされたパルミジャーノチーズ。軽やかなのに、旨味がしっかり感じられる濃厚な味わいです。この日は頂きませんでしたが、これだけでワインが進みそうです。同時に出て来た、タイムの入ったフォカッチャもしっかり温められていましたよ。

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前菜は、タスマニア産のオーシャントラウトに、ブッラータチーズ、フランス産のキャビアが添えられたもの。そして、フットワークの軽い鳥居シェフが自らドライトマトのソースをかけにいらしてくださいました。こうして、時間が許す場合は、なるべくお客さんの顔を見るようにしているのだとか。

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ナイフを入れると、チーズからじゅわっとクリームが溢れ出します。肉厚のオーシャントラウトと共に口に運ぶと、まず、良質のオリーブオイルの、植物のエッセンスを凝縮したような香り高さに、嗅覚が刺激されます。それを追いかけるように、フレッシュなミルク感と、脂の乗ったトラウトのまったりとした旨味という、何ともリッチな味わいが広がります。そして、端に添えられたドライトマトのソースの酸味が、きりりと全体を引き締めてくれます。

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ソースがお皿の外側に添えてあるので、最初から酸味を加えるのではなく、チーズのミルク感とトラウトのコクを思う存分旨味を楽しんだ後、ソースを一口いただいて口の中をリフレッシュ、と言う食べ方が出来るのが嬉しい所です。また、トラウトとキャビアの相性も抜群。キャビアの独特の旨味と塩気がいいアクセントになっていました。
鳥居シェフによると、ブッラータチーズは今シンガポールでも大人気の、イタリア産のフレッシュチーズ。とにかく鮮度が命で、イタリアから空輸して、楽しめるのはわずか5日ほどだとか。後で調べてみると、一部では賞味期限の短さから「幻のチーズ」とも呼ばれているそう。このチーズをさりげなく、いい状態で提供できるのは、一流店の証でもあるのでしょうね。


続いては、鳥居シェフのスペシャリテでもある、5種のチーズのトルテリーニ。使われているチーズは、パルミジャーノ、モッツアレラ、ゴルゴンゾーラ、アジアーゴ、スカモルツァだとか。

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まず、上に乗っているサマートリュフを一口。香りを楽しみながら、手打ちのトルテリーニを頂くと、中から温かいチーズがジュワッと広がり、絶妙にブレンドされた、味わいも食感も異なる様々なチーズが楽しめます。添えられた、マルサラワインで今にもとろけそうなほどトロトロに煮込まれた黒豚は、トルテリーニのもっちり感を引き立ててくれる優しい食感です。この黒豚、日本人にはどこか「角煮」を思わせる懐かしい味わいだったので、ついつい「お醤油は使っていないんですか?」とお聞きしてしまったのですが、なんと、一滴も使っていないそうですよ。

続いて出て来たのは、牛肉のテンダーロインのロッシーニ。私の大好物のフォワグラとのコンビネーションです。

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上にかけられているのは、なんと日本の山椒の粉!でも、フォワグラと言えば、元々フルーツ系のソースとも相性が良く、甘いソースに柑橘系の香りのある山椒をかけるのは、確かに良く合っています。コクのある甘めのタレと言えば、ウナギも同じ。何だか納得してしまいました。

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とは言え、鳥居シェフが目指しているのは、「フュージョン料理」ではなく、あくまでも「イタリアン」。今回のロッシーニのように、イタリアンとの親和性の高いフランス由来の料理も取り入れますが、日本人シェフだからといって、日本の食材を乱用する事はしないし、自らの中に、一定の基準を置いているのだと言います。例えば、発酵の香りが強い、味噌や醤油、かつおぶしはいっさい使わない。でも、自然界に普通に存在する海藻をそのまま干しただけの「昆布」の出汁は使う、と言った具合です。

このロッシーニも、サイドにあったマッシュポテトはローズマリーで香り付けされていて、まさか山椒とローズマリーが合うなんて考えた事もなかったけれど、しっかりイタリアンの一皿に仕上がっていました。
そして、添えられていたのは、ピリリと辛い、カイワレダイコンの芽の部分。ローストビーフにホースラディッシュが欠かせないように、しっかりとお肉を味わうお皿に、こういったアクセントは嬉しいもの。

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また、春が旬のホワイトアスパラのみならず、旬のズッキーニの花が添えられているのも、日本人シェフらしい季節感を大切にする演出だと感じます。

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鳥居シェフに、「日本人イタリアンシェフで良かったと思う事は?」とお聞きすると、やはり、「四季の自然の変化を感じながら育った事」を、挙げていらっしゃいました。

そして、デザートはパッションフルーツのソースやパイナップルなど、南国のフルーツがたっぷりあしらわれたパンナコッタ。

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一口食べると、滑らかさの中に、濃厚なコクが感じられます。鳥居シェフにお聞きすると、なんとシンガポールでお菓子によく使われる、ココナッツミルクが入っているそう。下に敷かれたプロセッコのゼリーの優しい香り、パッションフルーツの酸味とも良く合います。

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鳥居シェフは、世界中のものが手に入るシンガポールにいるのだから、様々な新しい素材に挑戦し、「クラッシックなものを尊重しつつ、新しい自分のスタイルのイタリアンを作って行く」事を心がけているそう。シンガポールのローカル料理でよく使われる、カイランや空芯菜も、ローカルの調理法を学び、取り入れる事もあるそう。以前番組で取材した現代書家の方が、「書道の基礎を知らずにスタイルを崩す事はやりたくない、基本を極めてこそ崩す事ができるんだ」と話していた事を、何だか思い出しました。

食後は、ミルク感の濃厚なカプチーノを頂きながら、更に色々とお話を伺いました。

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鳥居シェフは、イタリアンのシェフになりたいと、20歳で単身イタリアに渡って以来、地域地域に伝わる料理の伝統を大切にするイタリアンを学ぶには、イタリア各地の郷土料理を知らなければと、北から南まで、イタリア各地を回り、数多くのレストランで修行をしてきたそう。とは言え、その心の奥底にあるのは、父親のように面倒を見てくれた、最初の修業先であるミシュラン星付きのイタリアン「Al Pino」のMario Musoniシェフの言葉だと言います。「素材を生かすこと。今ここにあるものを大切にするのが、イタリアンなんだ」という言葉。シンガポールの良さを取り入れながらも、イタリアンの伝統を大切にしていく、鳥居シェフの料理をいただいて、納得しました。

世界中の食材が手軽に手に入るシンガポール。「今ここにあるもの」の可能性は無限大。鳥居シェフは、「時間があれば、世界中を旅して、良い食材の産地を訪ね、その地域の調理法を知って行きたい」と、考えているそう。「素材を大切に」という言葉は、そのまま、地域に対するオマージュとも言えるかも知れません。世界を旅して、その土地が育んで来た食文化を貪欲に吸収し、「自分の」イタリアンを作って行く。鳥居シェフの料理が、どんな風に進化して行くのか、注目して行きたいと思います!

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そんな鳥居シェフですが、グルメ・ジャパン と言うイベントに参加していて、5月17日には、鳥居シェフから直接料理を教えてもらえるワークショップ も、予約受付中だそうですよ。タイミングの合う方は参加してみるのも良いかも知れませんね!


<DATA>
■Forlino
営業時間:ランチ12:00~14:30 ディナー18:30〜22:30 無休  
住所:1 Fullerton Road, #02-06 One Fullerton, 049213
電話:+65 6690 7564
アクセス:MRTラッフルズ・プレイス駅から徒歩8分

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カテゴリー レストラン・料理・食材
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      仲山 今日子
      元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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