「Punjab Grill」ヒンズー教の光の祭典を、インド料理のファインダイニングで祝う

公開日 : 2014年10月17日
最終更新 :

シンガポールには、お正月が4回あると言われます。

一つはいわゆる日本や欧米での新年、1月1日、そして、シンガポールで一番大掛かりに祝われているのが、中華系の「旧正月(チャイニーズニューイヤー)」、そして、イスラム系のお正月(祝日にはなっていませんが)、そして、今度の水曜日、10月22日は、ヒンズー教のお正月で、「光の祭典」と呼ばれている、「ディーパバリ(ディワリ)」。光が暗黒と戦い、勝利したという由来があるのだとか。

リトルインディアではライトアップも行われ、出店もありにぎやかです。

そんなディーパバリですが、 中国の旧正月のように家族で食事をし、お世話になった方に、月餅と同じように、お正月のスイーツを送りあう習慣があります。そんなディーパバリを、マリーナベイサンズのインド料理のファインダイニング「Punjab Grill」でお祝いして来ました!

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こちらのお店は、インドのカリスマ、ジグス・カルラシェフがプロデュース、海外に初出店したレストラン。シンガポール店で腕をふるうジャベッド・アフマド(Javed Ahamad)シェフは、インド料理の古典的な手法を生かしつつ、上質な食材を使った油っこくなく、洗練されたインド料理を目指しているとか。スペシャリティーは、特別なクレイオーブンで焼き上げられたケバブの数々。ケバブは、素材によって4種類の焼き方があるのだとか。

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このクレイオーブンは、ライブキッチンのようになっていて、調理している様子を席から見る事も出来ます。

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世界中からお客さんが来るシンガポールだからこそ、伝統を守りつつも、新しい食材やプレゼンテーションを考える事に余念がないというジャベッドシェフ。

フォワグラを使ったり、モレキュラー(分子量理学)スタイルの、泡のソースを乗せたものなど、新しいスタイルのインド料理を創って行っているそう。ただ、今回はお正月料理だけに、伝統的なスタイルを中心にしたお料理をいただきました。

「ディーパバリスペシャルメニュー、88シンガポールドル(税・サ別)」

ベジタリアンもありますが、頂いたのは、ノンベジタリアンメニュー。まずはアミューズです。カクラ(Khakhra)と呼ばれる、レンズ豆で作った薄いパンのようなものに、マンゴーチャツネ、ミントソース、ガーリックソースが添えられています。元々はガンジーの出生地、グジャラート地方の郷土料理なんだとか。タマリンドの酸味が効いたソースのかかったポテトのコロッケは、軽やかな味わいでした。

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続いて前菜。

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METHI CHICKEN TIKKA

新鮮なフェヌグリークの葉でマリネしたチキンティッカ(タンドール窯で焼いた串焼き)炭焼きなので、外側が香ばしく、中が柔らかくしっとりしています。

どこか草原の香りを思わせるフェヌグリークの香り、カシューナッツのコクが旨味を加えてくれます。

SHAHI SHAMI KEBAB

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ラム肉にチェダーチーズとワイルドベリーを混ぜたケバブ。外側はカリッと、内側はとってもジューシー。クミンとイエローペッパー、ほのかに入っているサンダルウッドパウダーの芳香が隠し味になっています。

SHAKARKANDI KAMRAKH KI CHAAT

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チャートというインド伝統のスナックに使うスパイスを、お洒落な前菜にアレンジしたもの。中は、リンゴの木でスモークしたサツマイモとスターフルーツを、タマリンドのソースで和えたもの。優しい甘みのタルト生地の中には、スターフルーツのさわやかな刺激とじっくりと甘さを引き出したサツマイモとザクロの実が。チリの入ったトマトソースが、甘みを引き立ててくれます。

そして、メインは、美しく盛りつけられた、スチームライスとポテトのコロッケ、MASAALEDAR ALOO KI SUBZ。

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カレー3種とガーリックナン、そしてプリをいただきました。

SHAHI MURGH KORMA

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鶏肉の濃厚でクリーミーなカレー。カルダモンの香りが効いた、リッチな味わいです。

SARSON KA SAAG

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土鍋で炊き上げた芥子の葉。ぴりりとした味わいがありますが、まるでペーストを頂いているかのように濃厚でコクがあります。マスタードオイルの香りも豊かです。

KURKURI DAAL PAALAK

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5種類のレンズ豆とじっくり焼き上げたニンニクを使ったスープ。レンズ豆の香りが良く、また上に乗ったカリカリのほうれん草が、アクセントになっていました。

そして、インドでディーパバリの定番なのがPURIというパン。

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これに、ヒヨコ豆を添えて食べるのが、ディーパバリの食卓には欠かせないのだとか。通常はシンプルな小麦の味だけですが、こちらはスパイスの効いた、MASALA PURIです。小麦の生地を揚げてあるのですが、外側はサクッと、薄い内側はしっとりときめ細かい、美味しいパンでした。

デザートは、薔薇の香りのチーズケーキと、ピスタチオ入りのお米をミルクで煮た甘いお粥のようなもの。

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チーズケーキは、薔薇のすっきりとした甘い香りが濃厚なクリームチーズとよく合い、ピスタチオ入りのお粥は、お米の粒感と、カルダモンの香りが効いた、程よいエスニックテイストのお菓子でした。

最後は、ディーパバリを祝うお菓子で締めくくり。

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マンゴーとミルクを甘く練り上げたもの、薔薇の香りのピスタチオのお菓子など、ナッツのコクが生きた、今だけの味わい。

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デーツとアーモンド等のナッツで出来た、砂糖を使わない自然な甘さのお菓子が特に気に入りました。黒胡椒が入っていて、ピリッとした味わいが、全体を引き締めているのがお気に入りです。月餅と同じように、お世話になった方に配るのだそうで、お店の前にも特設ブースが出ていました。

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今の時期限定なので、ちょっと変わったお土産が欲しいと言う方にはぴったりかも。手作りなので、長期保存の場合は冷蔵庫へ。冷蔵庫に入れた場合、日持ちは7日程度と言う事です。

光の祭典、ディーパバリ。日本のお正月にはまだ早いけれど、明るい年になりますように!

<DATA>

Punjab Grill By Jiggs Kalra

営業時間:ランチ11:30〜15:30、ディナー18:30〜23:00、日曜休

住所:B1-01A, The Shoppes at Marina Bay Sands,

South Podium, 2 Bayfront Avenue. Singapore 018972

TEL:+65 6688 7395

URL: http://www.punjabgrill.com.sg/

アクセス:MRTベイフロント駅直結

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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