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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

シンガポール・シンガポール特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2014年11月15日

今年、世界で最も熱いレストラン! 「Burnt Ends」


今年、世界で最も熱いレストラン! 「Burnt Ends」

アメリカのレストラン情報誌、ザガット2014で、「世界で最も熱いレストラン10店」に選ばれた名店がシンガポールにあると聞いて行って来ました。
気鋭のシェフの名前は、David Pynt(デビッド・ピント)シェフ、30歳。

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オーストラリアのパース出身で、和久田哲也氏率いる、シドニーのフュージョン料理レストラン「テツヤズ(Tetsuya's)」でキャリアを積んだ後、熾き火(おきび)焼きの名手として知られ、「炎の魔術師」とまで呼ばれるスペインのヴィクトル・アルギンソニスシェフの「エチェバリ」で研鑽を積んだと言うキャリアの持ち主。去年4月のオープン以来、美味しいものに敏感なシンガポールの人たちの間で話題になっているお店です。

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「Burnt Ends」という名前通り、お店に入ると鎮座しているのは、特注で作られたと言う、耐火レンガ製のこだわりの窯。新鮮な食材がここで焼き上げられています。使われるのは、香りにこだわり、マレーシアとタイから取り寄せた、林檎とアーモンドの薪です。

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最初にまず頂いたのは、スモークの香りをまとった半熟のウズラの卵にキャビアを載せたもの(15シンガポールドル)と、ウニとカリフラワーに、海ぶどうが乗った前菜。もちろん、ウズラの卵はこのオーブンで焼き上げられたもの。スモークの香りをしっかり付けつつ、半熟状態をキープするのは、卓越した技術があってこその事でしょう。

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続いては、窯から取り出した薪を使ったグリルで焼いた仔羊。グリルの下にハンドルがあり、操作すると上の網が上下して、遠火にしたり、火に近づけたりと、調節が出来るようになっています。

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仔羊の自家製ハリッサソース、Lamb and Harissa(18シンガポールドル)。

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元々ハリッサソースは、北アフリカのチリペーストの一種なのですが、ここでは青唐辛子を使い、こちらの窯で甘さを引き出してから、塩に2日間漬け込んだ上で、コリアンダーやクミン等のスパイスを混ぜて作ったそうで、辛みより、むしろ野菜の旨味が引き立つソースです。
そして、このラムの火加減がすごいのです!切るとまるで生と見まがうような色なのに、中までしっかり火が入っていて、一滴の肉汁すら垂れません。全ての旨味が、しっかりと中に閉じ込められているのが分かります。

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草原を思わせるラムの香りと熾き火の香りが混じり合い、しっとりとした食感です。この、生のようで生でない、水分をしっかりと含んだきめ細かい肉は、なかなかお目にかかれません。まさに絶品でした。

デビッドシェフによると、火の管理で大切なのは、「素材の外側と内側のバランス」なのだとか。そんな話をしながらも、火加減を調節したり、裏返したり(このタイミングも重要なのだとか)火から外して寝かせたりしながら、ベストの状態になるまで丁寧に焼き上げて行きます。もちろん、素材によって、どのような火の通し方がベストかは異なるので、夜のピークの時間帯は3人のスタッフがこのグリル台に掛かり切りになり、ものすごい熱気になるようです。

そんな風に仕上げられた次の品は、ブリやサワラの仲間、キングフィッシュを味噌とレモングラスで仕上げたKingfish Head, Miso and Lemongrass(30シンガポールドル)。

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ブリカマの味噌焼きのような、日本人には親しみ易い味。そして、これもまた、魚の身の中に絶妙に閉じ込められた水分が最高です。この、生のようで生でない食感がたまりません。

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添えられているのは、青リンゴと海藻のサラダに、クルトンのような、バターのしみ込んだ香ばしいパンの欠片がちりばめられています。脂の乗ったキングフィッシュと、焦げた味噌の香り、バターの染みたカリカリのパンの濃厚な旨味に対して、青リンゴのシャキシャキ感と海藻の瑞々しさが良い対比になっています。

「『エチェバリ』では、熾き火焼きの技術をとことん学んだよ。同じような窯や手法を使っているけれども、エチェバリはとても伝統的な料理。僕が作る料理は、もっとどんどん変化して行くもの。シンガポールにいると、世界中の食材が手に入る。毎日新しい食材が入るから、それを見て何を作ろうか考えるのが至福の時間なんだ。常に新しい食材を探しているよ」というデビッドシェフ。今気になっているのは、イクラと、肉の中でも内臓系の料理だとか。

続いて仕上がったのが、オーストラリア産の和牛の横隔膜辺りのお肉「サガリ」(Onglet)のロースト、Onglet, Burnt Onion and Bone Marrow(100g辺り23シンガポールドル、写真は230g )。

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一頭の牛から1〜2キロしか取れない、希少部位でもあるサガリは、赤身でとても柔らか。上に乗っているのが、牛の骨髄の部分、ボーンマローです。柔らかい牛肉と、コクのあるトロッとしたボーンマローの組み合わせで、赤身の肉と脂身の味わいを同時に楽しめます。

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リンゴとアーモンドの木のどこか甘い香りは、このボーンマローのコクと良く合いました。下のオニオンのソースも、もちろん窯で焼いて甘みを引き出したもので、旨味たっぷりでした。
添えられているのは、軽いビネグレットで和えた、瑞々しいクレソンの若葉のサラダで、酸味が口の中をすっきりとさせてくれます。

続いてはデザート。窯で焼いた熱々のパイナップルの上にバニラアイスクリームとラムレーズン、キャラメルソースをかけたもの。

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この、端がスモーキーでカリッとしているパイナップルがとってもジューシーで、果物の旨味が全部閉じ込められたような濃厚な味わい。火を通す事で、こんなにも味わいが変わるなんて、という驚きでいっぱいでした。

最後に「最新作なんだけれど」と出していただいた薔薇胡椒のチョコレート。

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食べると、中からスモークの香りの効いた、キャラメルのリキッドが飛び出して来ます。薔薇胡椒の上品なスパイス感と、岩塩の塩気と相まって、キャラメルの味わいが引き立ち、とっても気に入ってしまいました。この香ばしさは、窯を使ってキャラメルを作ったのだとか。

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言うのは簡単ですが、普通のオーブンと違って、自然の薪を使うが故に、目も手も話せない作業です。どれも一つ一つ手間をかけて、丁寧に手作りされているのが分かります。

とはいえ、デビッドシェフが料理を作る際に大切にしているキーワードは、「Easy」。簡単、という意味ではなくて、難しく考えずに、ただ直感的に美味しいと思える事。「じっと眺めて、これは何なんだろう、と考えなくてはならない料理ではなくって、食べてみて、好きか、好きじゃないか。僕は、料理で一番大切なのはそこだと思っているよ」というデビットシェフ。

理屈抜きで美味しいと思える、本能に訴えかける味、とでも言うのでしょうか。

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(小さな樽で熟成されたオリジナルカクテルベースもあり、アルコールの種類も豊富です)


カジュアルな雰囲気の店内には、食べる事を楽しもう、というオーラに満ちていて、一流の技術で手間をかけて作った美味しいものを、気取らず思いっきり食べたいと言うシチュエーションにぴったり。どこか漂うアットホームな雰囲気も、居心地の良さを醸し出しています。家族や気の置けない仲間と、ぜひ訪れたいお店です。

<DATA>
■ Burnt Ends
営業時間:ランチ11:45〜14:00(火曜〜土曜)、ディナー18:00〜深夜、日曜休
住所: 20 Teck Lim Road, Singapore 088391
TEL:+65 6224 3933
URL: http://www.burntends.com.sg/home/
アクセス:MRTアウトラム・パーク駅から徒歩8分ほど

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カテゴリー レストラン・料理・食材 夜遊び・クラブ・お酒
2014年11月15日
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      仲山 今日子
      元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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