旧正月@シンガポールは、「チンゲイパレード」で大盛り上がり!

公開日 : 2015年03月05日
最終更新 :

今年の旧正月は2月19日。

「旧正月が明けると暑くなる」と言うのは、本当によく言われることですが、ここの所のシンガポールはとても暑いです。

そんなシンガポール、旧正月シーズンの最後を飾るイベントが、チンゲイパレード。「チンゲイChingay」とは、「衣装と仮装の芸術」を意味する、中国の福建地方の言葉がもとになっているそうで、1972年に旧正月につきものの爆竹で事故が起きたのをきっかけに、翌年から爆竹の風習の代わりにと新しく作られたイベントです。

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様々な国の衣装を着た人が山車と共に練り歩き、華やかなムードに包まれます。会場はウォーターフロントエリアのF1ピットで、今年も2月27日(金)、28日(土)と開催されましたが、シンガポールの建国50年と言うことで、いつもに増して盛大に行われました。

更に、今年は特別に、翌3月1日(日)、オーチャードロード(ショッピングモールIONから高島屋まで)でも行われました! 実はチンゲイパレードは2007年まではオーチャードロードで行われていたそうで「チンゲイパレードがオーチャードロードに帰って来た! 」と、こちらも大にぎわい。

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F1ピットではチケット制で有料ですが、こちらは無料でした。

ちょっとのぞいて来たので、ご紹介します!

今年のテーマは、建国50年の節目と言うこともあり、"We Love Singapore"。

午後7時の開始に合わせて、バイクのパレード、クラッシックカーのパレード、そして、電飾のついたカラフルな山車が登場します。

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それに合わせて、各国からやってきた、色鮮やかなコスチュームをまとった人々のパレードが。途中までは通りに入ることが出来ませんでしたが、オーチャードロードにまんべんなく山車が並ぶと、規制解除。80〜90年代を思わせる?懐かしい音楽が大音量で流れる中、自由に山車を回り、ダンサーと一緒に踊ったり、写真を撮ったりすることができます。

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こちらはインドネシアから参加したグループ。エキゾチックな飾りが素敵です。

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いわゆるクラブのようなにぎやかな音楽が大音響でかかっていますが、アナウンスは、「We are the one! (私たちは1つ)」など、愛国心を持たせる内容。

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ダンサー達が手に持っている花は、実はビニールのスーパー等の袋をリサイクルして作られた、エコ・フレンドリーなもの。合計10万個も作られたそうで、道行く人にも配られていました。

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ダンスが特に盛り上がっていたのは、アフリカのグループ。全員でしっかり合った踊りを披露した後は、即興のダンスタイムに。即興とは言え、アイコンタクトだけで間合いをはかり、ばっちり揃ったペアダンスを披露したりと、完成度は抜群。見ている人も、一緒に踊り始めたりと、大盛況でした。

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さて、そうこうしているうちに、「(シンガポールの)Tharman Shanmugaratnam副首相が来ました!」とアナウンスが。

司会者が音頭をとる中、テーマでもある、「We Love Singapore! 」とみんなで声を合わせて唱和します。「We are the one」のアナウンスもそうでしたが、かなり熱狂的な雰囲気に、逆に多民族国家ならではの「民族融和」を強調する必要性を感じました。

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一番先頭にある山車の上に副首相が登場すると、大声援が上がります。

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皆で、「We Love SG」という歌を歌った後は、ここで壇上の人たちから、リサイクルフラワーのブーケトス! 先を争って受け取る姿に、上棟式の餅投げを思い出しました。

たまたま、副首相が投げたブーケのうちのひとつが、私の前にいた人のバッグにぽとりとぶつかり、私の元へ。縁起物?なので、有り難く受け取っておきました。

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シンガポールの政治家と一般の人たちの距離を知りたくて、山車を降りた副首相の様子を見てみることに。副首相にも関わらず、特にSPの姿は見えず、押し寄せて来る人々と握手をしたり、日本人からすると、「なれなれし過ぎるんじゃない?」と思える、携帯での自撮りツーショット撮影にも気軽に応じています。

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まるで、有名タレントのような、黒山の人だかり。およそ数十メートルを練り歩くように歩いて、車に乗り込みます。護衛の車もなく、さすがに車に乗る直前は、ここから入らないでください、と、Tシャツ姿のスタッフが人を止めていましたが、むしろ車が動くので危ないから、という感じでした。

シンガポールのイベントでいつも感じるのは、「よく考えられているなあ」ということ。

民族融和の為に、このイベントをやる、国民の学力向上、健康増進の為にこれをやる。と言うことが、イベントの根底に明確にあります。

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これからの国の形あるべきイメージを、迷いなく持っていて、現在の所、それがとてもうまくまわっているように見えます。

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さて、この、チンゲイパレードで、シンガポールの旧正月の一連のイベントは終了。それでもちまたでは、「ハッピーニューイヤー」の言葉が飛び交い、いつもよりちょっぴりのどかな雰囲気が漂っているシンガポールです。

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筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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