子連れ旅行で、突然の雨! そんな時のおすすめスポット

公開日 : 2015年03月18日
最終更新 :

雨の多いシンガポール、せっかく旅行に来たのに、雨が降って来てどこにも出かけられない、ホテルの部屋で過ごそうにも、小さい子どもだと飽きてしまう、ショッピングモールのプレーグラウンドでは、日本にいるのとあまり変わらないし...そんな時のおすすめのスポットが、2015年3月14日〜7月19日の期間中、限定でオープンしている、「Imaginarium(イマジナリウム)」。

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現代アートの美術館として有名なシンガポール美術館(Singapore Art Museum)の別館、8Qで開かれている、子供向けのアートの祭典です。

MRTブラバシュ駅から徒歩2分ほど、その他ドビーゴートやシティーホール駅などから徒歩圏の便利な場所にあり、6歳以下は無料、子どもは5シンガポールドル、大人は10シンガポールドルと、手頃な値段も魅力です。

会場に入ってすぐ、広がるのは、柔らかいクッションのようなブロックを積み上げて街を作ろう! というコーナー。靴を脱いで、広々とした空間で遊べるので、小さい子でも安心。

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上のフロアに上がる壁には、今回の展示の為に描かれたポップなイラスト「Imagin-a-doodle」が。シンガポールにまつわるモチーフも隠れていて、どこにあるかな?と探してみるのも楽しいですよ。

階段を上がった先の2階には、お絵描きや折り紙ができるスペースが。座って手先を動かすのが好きな子にお勧めです。また、このフロアには、マレー系シンガポール人のアーティスト、Izziyana Suhaimiさんの、「Let's Make! Studio」が。

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糸を使った簡単な手芸の方法等が書かれていて、実際にそこにある糸を使って、文字を編んだりできるようになっています。

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作者のSuhaimiさんにお話を聞くと、「手芸が大好きな一家で育った私にとって、編み物や織物は、とっても身近なものだったけれど、今はバーチャルなものが多くて、実際に手で何かを作る、という体験をしている子が少ない気がするの。子供達には、そういうリアルな体験をしてもらいたい」、という思いがこの展示につながったそう。

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もっと体を動かしたいというアクティブなお子さんにお勧めなのが、Vincent Twardzik Chingさんの、「GreenroomⅡ: Interstellar Overdrive」。

自転車に乗ってペダルを踏むと、音楽が聞こえたり、文字が浮かび上がったり。未来のエネルギーについても考えさせられる内容です。

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ドアを開けると、異国情緒あふれる綺麗な模様が敷き詰められた壁が登場するのは、スリランカ出身のアーティスト、Kumkum Fernandoさんによる 「Kiko's Secrets」。

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この作品には小さなくぼみがあり、子ども達は前にある箱から様々な形のピースを取り出して、パズルのようにそこにはめて行くようになっています。子どもの脳のトレーニングにも良さそうです。

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それ以外にも、Fernandoさんの個性豊かな作品が色々。扉を開けると登場する昆虫や動物、

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なんと目玉焼きも......

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よ〜く見ると、精密部品で出来ています。Fernandoさんによると、子ども時代の驚きに満ちた発見や探索がテーマなのだとか。子どもの新鮮な感覚で見た世界を再構築して表現しているような印象でした。この目玉焼きのブースで流れている音楽も、調理するときの音をイメージしたものだとか。大人になると普通の「目玉焼きを焼く音」に聞こえる音も、子どもの感覚からすると、こんな風な音楽に聞こえるのかも知れません。

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この他にも、お菓子の家でキャンディーを取って、七夕のように木に吊るしたり、小さな子どもが楽しめるものが色々。

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そして、ぜひ忘れずにチェックしていただきたいのが、入り口にあるガラス張りの部屋の中の「木」。

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実は、インドネシアを拠点に活躍する、日本人アーティストの栗林隆さんの作品「Tree」です。

シンガポールの都市開発で切り倒されてしまう木を輪切りにして、ガラスのボックスに封じ込めたもの。

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栗林さんのテーマは、「ボーダー(境界線)」。自然とは何か?と考えると、公園の木は、「自然界に存在する」という意味では「自然」、だけれども、「人の手が加わっている」という意味では、「不自然」。自然なのか、不自然なのか?人間の解釈によって変わる、そのあいまいな境界線を表現したそう。

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木にからまるシダ類も、日向と日陰の間、つまり境界線に存在している、あいまいな存在を表現しているのだとか。

初日にも関わらず、木から出た樹液が既にたまっっているボックスもあり、切り離されたひとつひとつの生命体のような木が、閉じられたガラスのボックスの中に、まったく新しい小さな宇宙を創り出しているかのようです。

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「それぞれのボックスの中で、シダが生い茂るものもあれば、枯れてしまうものもあるでしょう」と栗林さん。これから先、どうなって行くのかを含めてのアート。人工的なガラスやコンクリートの建物の中生きている人間は果たして自然なのか、不自然なのか。グリーンシティーと呼ばれるシンガポールは、果たして自然が多い国と言えるのか。そんな色々を、考えさせられる作品。

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子どもと言っても、幼児から学生まで、年齢は様々。子どもに合わせて作るのではなく、この作品を子どもが見ることの意味を、見つけて欲しい、という栗林さん。

(ちなみに、シンガポールのFM局、96.3 Smile Wave でも4月24日、5月1日の2日間に渡り、栗林さんのインタビューをお伝えします。時刻は(シンガポール時間)午前8時12分頃〜、インターネットで世界中から聞けますので、ぜひお聞きください!)

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退屈な雨の日が、刺激的なアート体験に変わるかも。

子どもと一緒に楽しめる、シンガポールならではのアート体験、いかがでしょうか?

もちろん、子どもの心を思い出したい大人も、大歓迎、とのことですよ!

<DATA>

■Singapore Art Museum 8Q

開館時間:10:00〜19:00、金曜のみ〜21:00

住所:8 Queen Street 188535

TEL:+65 6589 9580

アクセス:MRTブラバシュ駅から徒歩2分、シティーホール駅、ドビーゴート駅、ブギス駅から徒歩10分

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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