ガーデンバイザベイPOLLENとオランダシェフの夢の競演

公開日 : 2015年10月27日
最終更新 :

10月から2人で100シンガポールドルのランチがスタートするなど、新しくなった、$100グルメ。大好きなPOLLENでのコラボレーションディナーに行ってきました!

POLLENのColin Buchanシェフが作る味はとても好きで、プライベートでも何度かお邪魔しているのですが、去年、レストラン格付で知られるゴーミョで"Rising Talent of the Year"賞を受賞した、Joris Bijdendijkシェフとのコラボレーションが素晴らしかったのでご紹介します!

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Jorisシェフは、フランスのミシュランの二つ星、Jardin des Sensでスーシェフとして活躍した後、

28歳の若さでふるさとアムステルダムの5つ星ホテルのメインダイニング、

Bridgesにエグゼクティブシェフとして迎え入れられ、ミシュランの1つ星を獲得しました。

現在はアムステルダム国立美術館のレストラン、RIJKSでエグゼクティブシェフとして、

「スローフード」をテーマに、地元オランダの食材や伝統的な食文化を取り入れた料理を提供しています。

最初に出てきたパンは、粒マスタードとタラゴンを混ぜた、ふわふわで少し酸味のあるホイップバターと合わせて。

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マスタードの酸味と、タラゴンの香りが、地中海料理のPOLLENらしい感じ。

まず登場した前菜は、テーブルサイドでJorisシェフがソースをかけて仕上げを。

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スライスした黒大根の下には、牡蠣のムースと、根セロリのピュレ。仔牛の出汁で作ったソースで仕上げてあります。牡蠣のムースは、牡蠣のミルキーな部分だけを食べているような印象。そして、牡蠣と大根の組み合わせは、日本の刺身に大根が使われるように、口の中をリフレッシュしてくれ、とても清涼感のある味わいです。

コースの一皿目の前菜は、シンガポールサイド、Colinシェフの、RAW HOKKAIDO SCALLOPS。

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生のホタテと、様々に姿を変えたキュウリが登場するのですが、脇役的な存在だと思っていたキュウリの美味しさにびっくりしました。

液体窒素で凍らせたキュウリ、キュウリを分子量理学でタピオカ状にしたもの、そして何より驚きの美味しさだったのが、ユズと共に真空パックに入れて加熱してから、表面をバーナーで焦がしたというキュウリ。

表面はスモークのような香ばしさをまとい、食感と緑の香りは、昔のトマトのようなフレッシュさ。

さらにここに、ユズのソースとカリカリのメレンゲとバジルソースを合わせています。

Colinシェフは、前回の取材の際も、緑の味の生かし方が印象的だったのですが、このフレッシュな味がホタテの甘さを引き立て、ユズのすっきりとした甘みが後押しする、とても印象的な一皿でした。

続いては、Jorisシェフのシグネチャー、ROASTED PRAWN TAIL。

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ラングスティーヌに、カレークリーム、Jorisシェフがはるばるオランダから持ってきた、ブラックキヌアをパフ状にしたもの、そしてイクラ。イクラのプチっ、カレーソースのふわっ、キヌアのカリカリ、そしてラングスティーヌのやわらかい身。味わいも、酸味とうまみのバランスが良い一皿。

イクラといえば、醤油味をイメージしていましたが、こちらはレモンとシロップ、オリーブオイルで仕上げていて、レモンの香りとイクラのコクがよく合っていました。そして、「郷土食にカレーがあるシンガポールの人に、カレー味のものを提供するのは勇気がいったんだけど」とJorisシェフが語るカレーソースは、コリアンダーの実やシンガポールならではのフレッシュなライムリーフ、ターメリック、ジンジャーなどを使って手作りしたカレーオイルがベース。加熱せずに引き出した味は、スパイシーでありながら雑味がなく、穏やかな味わい。

ラングスティーヌはやわらかく内側がジューシー、自然で、濃厚なうまみがあります。エビの角を模した部分は、カリカリの細いパンでした。ブラックキヌアは、通常のキヌアよりもナッツのような豊かな味わいがあり、バルサミコのパウダーのコクと相まって面白いアクセントになっていました。

そして、コラボレーションディッシュが、SMOKED GOAT CURD。

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スモークしたヤギのチーズ、ということでしたが、ピューレ状のヤギのチーズに、ミントのビネグレット、そしてオーブンで焼いたジャガイモが載っています。お皿が運ばれてきた瞬間から、バタースコッチキャンディーのような香りが。熱々の焦がしバターがかけられていて、その香りと共に、ベイクドポテトとヤギのチーズをいただくという趣向。

さっぱりしたミントのビネグレット、芽紫蘇と、POLLENのある温室の中で育ったという、摘みたてのパイナップルミントの芽がすっきりとした後味を実現しています。

同じくコラボレーションの、ROYALE OF FOIE GRAS, POACHED LOBSTER。

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フォワグラのロワイヤルは、もう少しでクリームと呼べそうな、フォワグラのフランに、たっぷりの泡を乗せた繊細な一皿。

鴨との相性の良いオレンジの実、黄ワイン(Vin Jaunce)が隠し味に使われていて、フルーティーな一皿に仕上がっていました。

ANGUS BEEF SHORT RIBは、たっぷりの牛肉にナスのピュレ、黒カレーとヨーグルトのソースをあしらっています。

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やわらかい牛肉に、ローストビーフの脇役になっているように、牛肉の味を引き立てるホースラディッシュを液体窒素で固めたもの、黒カレーのソースのアクセントが抜群。この黒カレー、リコリスのような甘い香りがしますが、材料は黒オリーブのタブナード、カルダモンに、味噌やコーヒーと、意外性のある材料を組み立てて作っているのだとか。味噌とコーヒー、思いもつかない工夫にびっくりです。

そして、デザートはSALTED CARAMEL FUDGE。

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ここでは、雷おこしのようなライスパフを砂糖で固めたものに、乳製品を使っていないカカオの香りが際立つソルベ、ローストピーナツに塩キャラメルソースを加えたもの。

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もっちりしたおこしと、香ばしい塩キャラメルソースとピーナッツ。某ピーナッツ入りチョコレートバーを洗練させて再構築したような、面白いデザートに仕上がっていました。

全体を通して、味と食感のバランスが考えられ、酸味とグリーンの香りが上手に使われている感じがしました。

そんなJorisシェフの料理は、この後場所を変えてThe Disgruntled Chef で行われます、

興味のある方は以下のサイトを見てみてくださいね!

http://100gourmet.sg

■Chef Joris Bijdendijk X Chef Daniel Sia at The Disgruntled Chef

ランチ: 10月29~31日

ディナー: 10月28~31日

会場: The Disgruntled Chef (28 Ann Siang Road、2店ありますのでご注意を!)

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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