【ミシュランシンガポール2016】三ツ星はどの店?Award Ceremony

公開日 : 2016年07月22日
最終更新 :

*ミシュランシンガポール、ガラディナー&授賞式

2016年7月21日、ついにシンガポールに上陸したミシュランシンガポール。

食べることが大好きなシンガポールの人たちの間で、どこの店が星を取るのかは大きな話題になっていました。

セントーサ島のResort World Sentosaのコンベンションセンターで行われた授賞式に行ってきました!

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入口には、大きなミシュランの本が。

会場のボールルームではガラディナーが行われ、フランスからJoel Robuchon(ジョエル・ロブション)さん本人が来て料理をするということで、ミシュランカラーでありロブションカラーでもある赤でまとめられた大人な空間になっていました。

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ちなみに、前菜はCandlenutのMalcolm Leeシェフによる、シンガポールらしいプラナカン料理でした。

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Michelin Asia PasificのVice President、Chan Hock Senさんによるオープニングスピーチに続いて、ミシュラン・ガイドのInternational DirectorのMichael Ellisさんによるオープニングスピーチも行われました。

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オープニングのダンスパフォーマンスが行われた後、いよいよ、一ツ星のレストランの発表です。

アルファベット順に読み上げられたお店は、全22店。

(これまでに私が取材したお店は、店名をクリックしていただくと記事のページにリンクします)

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Alma(アルマ/ヨーロピアン・コンテンポラリー)

Crystal Jade Golden Palace(クリスタル・ジェイド・ゴールデン・パレス/中華)

Forest(フォレスト/チャイニーズ・コンテンポラリー)

Hill Street Tai Hwa Pork Noodle(ヒル・ストリート・タイ・ワ・ポーク・ヌードル/ストリートフード)

Hong Kong Soya Sauce Chicken Rice & Noodle(ホンコン・ソヤ・ソース・チキンライス・アンド・ヌードルス/ストリートフード)

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Lei Garden(レイ・ガーデン/広東料理)

Osia(オシア/オーストラリアン・コンテンポラリー)

Puiten(Kitchener Road、プイテン・キッチナー・ロード/福建料理)

Rhubarb(ルバーブ/フレンチ)

※Shinji(Beach Road、真次・ビーチロード/寿司)

※Shinji(Tanglin Road、真次・タングリンロード/寿司)

※Sushi Ichi(鮨一/寿司)

※Terra(テラ/イタリアン)

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続いて、二ツ星は

Andre(アンドレ/イノベーティブ)

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L'Atelier de Joel Robuchon(ラトリエ・ド・ジョエル・ロブション/フレンチ・コンテンポラリー)

Les Amis(レザミ/フレンチ)

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Odette(オデット/フレンチ・コンテンポラリー)

※Shoukouwa(小康和/寿司)

そして、注目の三ツ星は、

Joel Robuchon(ジョエル・ロブション/フレンチ・コンテンポラリー)

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の一店のみという結果でした。

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(ロブションさんとは、局アナ時代に取材した世界料理サミット以来7年ぶりにお会いしましたが、覚えていてくださって驚きました!)

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*日本人シェフの喜びの声をご紹介

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※印が日本人のシェフによるお店ですが、8店入っていたのはうれしい限り。

発表順に、日本人シェフの喜びの声をまとめました。

◎beni 山中賢二 エグゼクティブシェフ

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日本の生産者の思いを世界に発信したいという気持ちで作ってきた、日本人=和食での受賞ではなく、フレンチで受賞できたというのは非常にうれしい。お店は今リニューアルの真っ最中、再オープンの際には、さらにグレードアップした王道のフレンチを提供していきたい。

◎Shinji Beach Road(Raffles ホテル内)押野亘一郎 マスターシェフ

東南アジア初のミシュラン、そして自分たちは開店から6年、東南アジアに本来の江戸前の寿司を伝えるという使命感を持ってやってきました、そのご褒美かと思っています。

◎Shinji Tangling(St.Regisホテル内)菊地俊輔 ヘッドシェフ

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銀座の寿司店の雰囲気をそのままに持ち込んだラッフルズホテル内の店舗と違って、セントレジスは裏に会席料理のシェフがいるので、焼き魚でも、ちょっと一工夫して手の込んだ前菜にして出したりと、寿司プラスアルファのスタイルをとっている。ラッフルズと違う面白さがあるのをわかってもらえて嬉しい。

◎鮨一 石橋正和 総店主(小康和エグゼクティブシェフ) 

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小康和とともに合計3つの星をいただけたことは大変うれしい。銀座仕込みの職人、食材、本物を出していったのが評価されたと思う。シンガポールでは珍しい赤酢の寿司を出しているので、もっと江戸前の本物の寿司にフォーカスしてやっていきたい。

◎Terra 中原勢太 オーナーシェフ

イタリアンで唯一星をいただいたのが、日本人の僕ということで、非常に気持ちが引き締まる思いです。日本の食材を海外に、和食でない形で伝えたいという思いが受け入れられてうれしい。日本の食材をフットワーク軽く探して、料理に生かしているのが、日本人シェフである自分の持ち味だと思う。

◎Waku Ghin 和久田哲也 オーナーシェフ

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ミシュランの星を取ったというのは、Waku Ghinのすべてのチームスタッフにとって名誉なこと。スタッフ全員を誇りに思います。

◎Waku Ghin 井上正彦 ヘッドシェフ

来年もっとたくさん星がもらえるように、チームスタッフ一丸となって頑張っていきます。良いモチベーションをいただきました。

◎四川飯店 陳建太郎 エグゼクティブシェフ

祖父陳建民が生みだし、日本の風土に育まれた味が、中華圏であるシンガポールで、中国料理として最高の2ツ星として評価されたことはとてもうれしい。四川料理は、辛いだけでなく、発酵調味料の数が多いのが特徴。その全てを四川飯店では手作りしている。そして、祖父の口癖は「今作っている料理を、自分の大切な人に出せるか」ということ。その日の気候や食材に合わせて、一皿一皿、微調整をし、心を込めて提供している、それが評価されたのではないか。

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*ミシュランガイドブック総責任者、Michel Ellis氏インタビュー

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シェフ全員が集まってのグランドフィナーレの後に行われたMichel Ellis氏の会見では、

地元の大手新聞・雑誌の記者が集合、インスペクター(調査員)になるための資格や、将来ミシュランのインスペクターにシンガポール人が選ばれるか、などについて質問が飛んでいました。

気になる、シンガポールのホーカーがビブグルマンのみならず、一ツ星に選ばれた点については、シンガポールの独自の食文化として、ホーカーを選んだということでした。また、ビブグルマンと一ツ星のホーカーの違いについては、「手ごろな価格でよい料理を出しているのがビブグルマン、ミシュランの基準である、上質の食材、卓越した料理の技術、味わい、シェフの個性が料理に反映されているか、味が安定しているか、という5点を満たしているのが一ツ星」という答えでした。

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私も、東京23区とほぼ同じ広さ、かつ世界中から美食が集まるシンガポールで、今回三ツ星が一店だった理由をお聞きしました。

「東京は13店三ツ星レストランがあるけれども(ミシュラン東京は2007年11月発売。初回の三ツ星は8軒)、やはり日本には長い食文化があり、また食材も、ブランドの和牛から海産物、果物に至るまで、地域毎の多様性や、素晴らしい独自性がある。私は友人によく、『パリよりも東京の星が多いのはなぜか』と聞かれるが、そう質問する人は日本に行ったことがない人ばかりだ。日本に行ったことがある友人には、『なぜ東京にもっと星がないのか』と聞かれるよ」と、お世辞かも知れませんが日本人としては嬉しいコメント。

とはいえ、「シンガポールより広く、また豊かな食文化を持つ香港でも、ミシュランが上陸した際には、三ツ星が1店、二ツ星が7店、一ツ星が14店だった。今回、シンガポールは三ツ星1店、二ツ星6店、一ツ星22店と格段に多い」とのことでした。現在香港の三ツ星点は6店。来年以降シンガポールも、もう少し三ツ星店が増えるかも?

星がついたお店には、早くも予約が殺到しているようで、シンガポールのフードシーンに一石を投じたのは間違いなさそう。ますます期待が高まりますね!ちなみに、ガイドブックはシンガポールの書店で購入可能、ウェブサイト(Michelin Guide Singapore Official Website、英文)も最新のレストラン情報が満載でおすすめです!

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■Michelin Singapore 2016(ミシュラン・シンガポール)

発売開始:2016年7月21日

公式ウェブサイト:https://guide.michelin.sg/

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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