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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

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2016年9月30日

20年の友情が紡いだコラボレーション「Lewin Terrace x beni」


20年の友情が紡いだコラボレーション「Lewin Terrace x beni」

日比谷のフレンチレストランにやってきた料理学校を卒業したての新人と、その直属の上司。20年後、新人シェフは、ミシュラン一ツ星を受賞したフレンチ「beni」の山中賢二エグゼクティブシェフ、上司は日本で多くのシェフを率いつつ、日本の食材を生かしたフレンチ、Lewin Terraceの松本圭介エグゼクティブシェフ。二人は縁あって同じシンガポールの地で働くことになります。
プライベートでも仲の良い二人は、シンガポールでも、一緒に市場に出かけたりと、友情を深めてきました。

ちょうど、山中シェフのレストラン、beniが改装中という事もあり、9月30日に、一夜限りのコラボレーションの企画が実現。ジャパニーズフレンチフュージョンの松本シェフと、クラッシックフレンチの山中シェフ。現在の料理のスタイルは違うものの、「お互いがどんな料理を作るかわかっているから、まったく違和感がない」「とにかく楽しかった」と口をそろえます。

そんな二人の友情が生み出した、スペシャルコースにお邪魔してきました!

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最初に、二人のサインが入った特別なメニューが渡されます。

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最初は桜のチップでスモークした日本産の鰻、Smoked Eel~Our Memories~。

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20年前に、二人が一緒に働いていた、日生劇場の地下にあったフレンチレストラン、Les Saveur。
そこで出されていたメニューを、二人でコラボレーションメニューとして再度作り上げたという一品。

バジルやタラゴン、セルフィーユ、チャイブでできたソースを塗り、一度桜のチップでスモークした後、オーブンで軽くあぶって仕上げたという品。クリーミーなワサビのソースとバルサミコと合わせて仕上げます。香りはまるで生ハムのようですが、ウナギの持つ川魚の香りをみずみずしいキュウリのサラダで表現しています。

ここが、二人の原点。ここからは、20年で進化した、二人のそれぞれの世界観を表現していきます。

まずは、シーフードを使った前菜を、それぞれに。松本シェフが選んだ素材は牡蠣、"Oyster"。

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お茶碗に繊細な和紙のカバーをつけた一皿は、牡蠣のフラン。上にはホタテのスープをかけて異なった貝の出汁が深みを与えます。

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「ジャパニーズフレンチフュージョン」を打ち出し、プレゼンテーションや味わいも、和の要素を生かした、松本シェフらしい一品です。
ほうれん草とレモン、しょうがのピュレに、ほんのりカフィライムを効かせて。
下には、揚げてコンソメに浸した柚子麩が隠されていて、もっちりとした食感と柑橘の香りを楽しめます。

ちょっと和風の仕上がりですが、サイドに添えられた白ごまとアマランサスのパフ、カルダモンをかけていただくと、どこか洋風の仕上がりに。

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続いては、山中シェフのシーフードの前菜、ロブスター、"Lobster"。

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試行錯誤して見つけたという、たんぱく質が硬くならない温度と時間は59度で30分。真空低温調理でゆっくりと火を通したロブスターはとてもジューシー。
添えてあるソースは、卵を5分間ゆでて、半熟状になったものに生クリームを混ぜたもの。そこに、「普段は使わない」という日本の味噌を隠し味に加えて、ジャパニーズフュージョンの松本シェフのスタイルに少し寄り添う形。
あえて焦がし気味に仕上げたリークのローストが、クリームを加えてあり、バターのような乳製品の香り、味噌のコクがあるソースとよく合います。オリーブオイルとコリアンダーシードででマリネした人参やカリフラワーなどの野菜、そして、レモンが香るビーツのソースと、緑のルッコラのソースが、レモンのほろ苦さを表現。タラゴンとセルフィーユの甘い香りは、ロブスターとの相性も満点です。

今度は、二人によるお肉のメインディッシュの競演。まずは松本シェフの仔羊の一皿 "Lamb"。

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ドライにしたヨーロッパ産のオレガノの花と一緒にストウブでローストした仔羊のロース肉はしっとりと柔らかく、サイドに添えられたモリーユ茸のクリーム煮、ジロール茸のソテーとワサビのニョッキ、赤ピーマンとかんずりのソース。

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最初に提供されるパンも、海藻入りの自家製だったりと、海の香りを取り入れることで、どこか日本的なエッセンスを加えているLewin Terrace。

こちらも、アンチョビのソースで、ひとひねり。

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食欲をそそるスモーキーなオレガノの香りをまとった仔羊と、ジロール茸やモリーユ茸が秋の香り。赤ピーマンの力強い大地の甘味に、麹の力でマイルドになったかんずりの唐辛子と柚子の香りが添えられ、ワサビのニョッキがもっちりとした食感と同時に、どこかきりっとした印象を与えています。

NOMAやMugaritzなど、世界のベストレストランも使っている、京都・丹後の黒にんにく、フルーツガーリックが添えられ、濃厚なうまみをプラスしています。

そして、山中シェフの肉のメインディッシュは、プレミアムカットがシンガポールで食べられるのはbeniだけだという、シグネチャーの尾崎牛、"Ozaki Beef"。「せっかくだから、beniでは食べられないものを」と、通常の遊び心たっぷりにアレンジ。

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「いい部位しか仕入れてないから」という理由で、ステーキにするリブアイをなんとハンバーガーに、ほんの少しマッシュルームを加えただけというパティは、もちろん旨味十分。そして、とろりと内側が熟成されたブリーチーズ、エシャロットバターを塗った自家製のバンズ、日本の甘いフルーツトマトとサラダ菜。サイドに添えられているのは、北海道のジャガイモのムースに、シャドークイーンというメークイン系の紫芋のチップ、そしてサマートリュフ。

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そして、お皿にあらかじめ敷かれているマディラソースに加え、beniのシグネチャーソースと個人的には思っている、フォワグラソースは、山中シェフから直接サーヴされます。フォワグラソースの深みのある味わいは、4日ほどかけて、丁寧に取った野菜の出汁に自家製のフォンドボーを加え、フォワグラバターを加えたという手間のかかったもの。尾崎牛ならではのまろやかな味わいにしっかりと寄り添います。

デザートは、再度2人のコラボレーション。

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マスカルポーネを卵白と合わせてふんわりと仕上げ、生クリームを加えた軽やかなデザート。まず、その見た目の美しさにノックアウト。
「世界で一番おいしいと言われているエディブルフラワー」、Yves Piaget(イブピアッチェ)。バラの花なのですが、酸味も渋みもなく、甘いバラの香りだけが純粋に楽しめます。その上に、ライチとバラのジュレに金箔を混ぜたものをひとしずく。黄金色の朝日を映した露のような姿、そしてふんわりとした雲のようなマスカルポーネクリームのクリーンな味わい。フレッシュなラズベリーの酸味と、ラズベリーパウダーを混ぜこんで焼き上げたシューが、アクセントになっています。


7歳差ながら、元々仲がよく、波長が合うという二人。松本シェフが、「山中シェフの料理は、伝統的な手法をきちんと踏襲しているからこそ出せる、濁りのない味。フレンチの骨組みの大切さを改めて感じた」と評価すると、山中シェフは「好奇心を持って、日本全国を駆け回って食材を集めてくる松本シェフ、その自由な発想に改めてインスパイアされた。beniはリノベーションの為クローズしているけれど、ミシュランの星をもらって初めての仕事が、敬愛する松本シェフと一緒にできて、とてもうれしい」と返します。
ちなみに、beniのオープンは11月になる予定。
「また一緒に色々やりたいね」と笑顔を交わす二人のシェフ、もしかしたら次のチャレンジも何か考えていたりして。
20年の絆が生み出したコラボレーション、ここからまた、新しい化学変化が生まれていくかも、と感じたひと時でした。

<DATA>
■ Lewin Terrace (ルウィンテラス)
営業時間:ランチ 12:00~15:00、ディナー 18:30~23:00 (無休)
住所:21 Lewin Terrace Singapore, Singapore 179290(Coleman Street の消防署とプラナカン博物館の間から入ります)
電話: +65 6333 9905
アクセス:MRTシティーホール駅から徒歩10分ほど

■ beni (ベニ)※改装中、11月頃オープン予定
営業時間:ランチ 12:00~15:00、ディナー 19:00~22:00 (日曜休)
住所:333A Orchard Road #02-37 Mandarin Gallery Singapore 238897
電話: +65 6235 2285
アクセス:MRTサマセット駅から徒歩6分

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カテゴリー レストラン・料理・食材
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      仲山 今日子
      元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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