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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

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2016年10月11日

ハル山下シェフ&Scott Websterシェフ、リゾートワールドセントーサ、二人のセレブリティシェフの競演!


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ハル山下シェフ&Scott Websterシェフ、リゾートワールドセントーサ、二人のセレブリティ...

シンガポールにあるResort World Sentosa内の唯一の和食店で、TV出演などでも知られる「ハル山下」こと山下春幸シェフと、2010年に、シンガポールをはじめ世界各国で行われた食の祭典、World Gourmet Summitで知り合って以来の友人という、今年シンガポールに初上陸したミシュランで一ツ星を獲得したコンテンポラリーオーストラリア料理"Osia(オシア)"のScott Webster(スコット・ウェブスター)エグゼクティブシェフが、2日間限りのスペシャルイベントを行います。

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オーストラリア・ハンターバレー出身、30年間世界で働き、世界各地に友人を持つScottシェフが、
年に4回行っているという"Cooking with Friends"というイベント。記念すべき20回目が、山下シェフとのコラボレーションになったのだそう。

「HAL YAMASHITA」で東京・大阪に出店している山下シェフですが、初めての海外店舗が2015年2月にここシンガポールにオープンした春(Syun)。名前の由来は、「季節感のないシンガポールで、味覚から「旬」を感じてほしい」という思い、そして春幸というご自身の名前から。

実家が和食店を営んでいたため、和食はとても身近だったという山下シェフ。西洋料理を学ぶためにアメリカに渡りますが、日本人、かつ、魚をおろすのがとても上手だったため、魚の担当になることが多かったのだとか。「アメリカで学んだ西洋料理の技法や食材を、日本に帰って神戸にある実家の店で作ろうとしたら、バルサミコも、舌平目もない」自然と今のようなミックスカルチャースタイルが生まれていったのだそう。

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食材の組み合わせを重視する山下シェフは、それぞれの食材を「音階」に例え、「似た『音階』の食材を組み合わせるのが自分の料理」と語ります。

尊敬するシェフは、16年ほど前にそのためだけにシドニーに行って食事をした、というTetsuya'sの和久田哲也シェフ。「油を大胆に使いながらも、酸で味の奥行を出すなど、味のバランスが素晴らしく、どれを食べても『おいしい』と思う音階の組み合わせ」と語ります。

和食をベースにしたオリジナル料理ですが、ここシンガポールでは、ファミリーが多いリゾート施設内という事もあり、手ごろな価格で、良質な食材をシンプルに提供するのがコンセプト。特にこだわるのは「香り」。「日本人は料理を鼻腔で味わう。柚子にしても、紫蘇にしても、舌で味わう味そのものというより、香りが味覚の重要な構成要素になっている」。

使う素材は3つ。見た目はシンプルだけれども、どうやれば一番おいしさを引き出せるか、を考えて丁寧に下ごしらえされた味。素材のクリーンでピュアな味を引き出すために、水の質にもこだわります。例えば、日本を含めると年間8万皿提供しているという、シグネチャーの「近江牛雲丹巻きアブリューガキャビアを添えて」は、牛肉でウニを巻き、醤油とお酢のゼリーをかけた一品。このお酢も、ミネラルウォーターで割って、日本の和食らしい雑味のないクリアな味を表現しています。

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甘さやスパイス、油も強いシンガポール料理に慣れた地元の人たちに、どうやってピュアでクリーンな日本の味を伝えるか、そんな課題にも、こんな解決法があるのだとか。

例えば、なんにでもチリ・パディと呼ばれる唐辛子と一緒に食べる習慣のあるシンガポール。
刺身を出しても、「チリ・パディ」を出してほしい、というリクエストが後を絶たなかったそう。
でも、そのままチリ・パディを出せば、クリーンな味のバランスが崩れる。そこで思いついたのが、自家製のチリ・パディ。シンガポールのチリ・パディをそのまま使い、焼酎と米酢で漬け、ほんの少しだけ火を通して、辛みをまろやかにした、「辛みも、酸味も控えめで、和食に合うオリジナルチリ・パディ」を生み出したのだとか。

そして、シンガポールでは、塩辛すぎる味が受けないため、ラーメンのスープなども、日本より塩が軽くなっているのは有名な話。山下シェフは、「僕は関西出身だから、出汁をしっかり、塩を控えめに、というバランスは得意なんです」と語ります。


目指しているのは、その土地に根付いた、地元の人に愛されるレストラン。そして、価格帯も「わざわざセントーサまで来てもらうのですから、往復の交通費を払ってもお客様にメリットがあるようにしたい」と、原価率は上げても、価格は抑えめにするように努力しているのだとか。

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出身地でもある神戸の酒蔵、「福寿」で知られる神戸酒心館に作ってもらっているという「素材の味を邪魔せず、アルコール度も低め」というオリジナル日本酒をはじめ、日本酒のラインナップも豊富。将来はアラカルトや料理の種類も増やして、「気軽においしい料理とお酒を楽しんでもらえる場所にできれば」と考えているそう。さらには、「Resort World Sentosa内に、和風カフェのような茶寮を作るのもいいな」とアイデアをふくらませているそうです。

今回のイベントでは、シグネチャーの前出の近江牛の前菜以外は、この時にしか食べられないオリジナルのメニューを考えているのだとか。「Scottシェフのメニューは、肉がメインになるので、セッションのように、どんな風に味を組み合わせるか楽しみ。そんなライブ感を楽しんでもらえれば」と語ります。


さて、一方のScottシェフは、1992年から1997年にかけて、恵比寿のWestin HotelのVictor'sでゲストシェフとして招かれていたとういうだけあって、大の親日家。

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素材への敬意、シンプルな料理法は、山下シェフとも重なる部分。「素材を大切に、シンプルに料理をするという哲学は、日本で学んだ。だから、素材は料理にとって最も大切な部分。だって、僕が野菜を作ったり、魚を獲ったりできるわけではないからね。だからこそ、できるだけ産地に足を運ぶようにしている」と語ります。

オーストラリア、シドニーの北、Hunter Valley(ハンターバレー)出身。
料理上手な母のもと、3人の姉妹、祖母や父と家族でにぎやかに囲む日曜日のディナーが特に楽しみだったとか。ワインの産地として有名なHunter Valleyですが、牛肉や羊肉の産地としても知られるエリア。母が地元の羊肉で作ってくれるローストラムが大好きだったのだとか。
そんな思い出をさらに洗練された一皿が、今回のコラボレーションでも登場する予定。残念ながら、
ハンターバレーの生産者は小規模で、輸出の免許を持っていないため、オーストラリアの外では食べることができないのだそうですが、今回のコラボレーションでは、Scottシェフが実際に農場に足を運び味を確かめたラムを使っているそうです。

「今は、オーストラリアに古くから住む先住民族の食材に興味を持っていて、時間さえあれば色々なところに足を運んでいる。珍しい胡椒の仲間だとか、本当に面白いものがあるんだ。問題は、全部野生のもので、栽培方法などが確立されていないところ。それでも、そういったものを見つけ出して、料理にする、今一番夢中になっているのはそういう部分」と語ります。

提供している料理は、コンテンポラリーオーストラリアンで、エスプーマなど最新の機械も使いますが、味わい自体はクラッシックなヨーロピアンスタイルにこだわります。
「尊敬するシェフは、Paul Bocuse(ポール・ボキューズ)。ほら」と茶目っ気たっぷりにみせてくれたのは、携帯のケース。Paul Bocuse氏の肖像が入っています。

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「1965年からミシュラン三ツ星を取り続けている、まさに歴史を作ったシェフ。インスピレーションを受けるのは、味そのもの。高いスタンダードで、絶対にぶれない、おいしいものを作り続けている。その味を求めて、多くの客が何度も訪れている」と語ります。

「Auguste Escoffier(オーギュスト・エスコフィエ)、Paul Bocuse...そして、あと何十年かしたら、歴史を作ったシェフとして、El Bulli(エル・ブリ)のFerran Adria(フェラン・アドリア)の名前が挙がるかもしれない。だけれども、個人的には、El Bulliのようなモレキュラー(分子料理)はあまり好きではない。自分の料理は、もっとクラッシックな、骨太の料理。シンプルで、一生に一度の体験、ではなく、週に何度でも、また食べたくなる料理を目指しているよ。」
冗談を至る所に織り込みながら、ユーモアあふれるインタビュー、こんな開放的な雰囲気は、レストランのスタッフからも感じられます。

今回のコラボレーションの会場でもあるOsiaは、明るい日差しが差し込み、フレンドリーなスタッフが程よい距離感で接してくれるレストラン。「オーストラリア料理というのは、自然の中で、のびのびと楽しむ料理。ちょうど、この店のように。皿の上の料理はもちろん大切だけれど、スタッフや空気感、それも全部含めて味わってほしい。」

そして、山下シェフに関しては、「彼の料理は大好きだし、彼のスタイルは自分と重なる。素材を大切に、そして料理をしすぎないところ。自分も、一皿の中に、4つ以上のメインの素材が存在しないようにしている。そして、調理のステップも4つ以内。良い素材をシンプルに料理する、そして、オープンキッチンならではのライブ感を味わってほしい」と語ります。

素材に敬意を払い、シンプルに調理する。お互いの哲学をよく知るシェフ同士の味の競演、二人のエグゼクティブシェフが揃う機会は本当に貴重。
下にある5コースのメニューがS$158、ワインペアリング込みでS$198 とお得な価格で楽しめます。

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10月14日、15日の2日間限定の企画です、予約は下の電話番号、またはメールで行えます!

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<DATA>
■ Cooking with Friends Scott Webster & Hal Yamashita
会場:Osia Steak & Seafood Grill(オシア・ステーキ・アンド・シーフードグリル)
開催日時:10月14日(金)、15(土)19:00~
住所:Resort World Sentosa 8 Setosa Gateway, Festive Walk
電話: +65 6577 6688
Email:osia@rwsentosa.com
アクセス:シンガポール中心地からタクシーで30分ほど

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カテゴリー イベント・行事・お祭り レストラン・料理・食材
2016年10月11日
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      仲山 今日子
      元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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