「Treasures of Nagasaki」銀座久兵衛とStellar at 1-Altitude の競演

公開日 : 2017年01月18日
最終更新 :

1月17日に、マリーナベイサンズを望む絶景レストラン、Stellar at 1-Altitude で行われた、「Treasures of Nagasaki」のスペシャルディナーにお邪魔してきました!

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長崎県知事、シンガポールの飲食関係者を招いての、輸出促進の目的もあるイベント。ディナーには、地元のマスコミ関係者も大勢集まりました。

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(Stellar at 1-AltitudeのChrisシェフと乾杯する中村法道長崎県知事)

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目の前で、70キログラムはあろうかという巨大マグロの解体も。漁協の方に、どうやって良いマグロを見分けるかを教えていただきました。仲買人の方々は、尻尾の肉や、内臓を外しているので、開いてあるお腹の中を触って見て、脂のノリを見たりするそうですよ。

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まずは、山田錦を5割磨き、マスカットのような香りを引き出した、横山五十純米大吟醸(重家酒造、

長崎県壱岐市)で乾杯。華やかな香りとスムーズな飲み口で、特に人気でした。

合わせたのは、

RAMEN(Fish consommé | shoyu & dashi caviar | prawn somen noodles)

葛粉のようにとろりとした食感のエビの麺、魚のコンソメ、醤油と出汁で作ったキャビア、というイノベーティブな一皿。

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セロリなどの西洋野菜の効いた出汁に、醤油と日本の出汁のアクセントが弾ける組み合わせ。

続いて、長崎産の真鯛の刺身

SASHIMI(Madai | watermelon | heart of palm)

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どこか甘酢を思わせるような、甘いワサビベースのソースは、ワサビで作った「ガリ」のような印象、出汁を効かせた旨みのあるポン酢のソースを合わせて。上に乗せたナスターチウムの、ホースラディッシュを思わせる若々しい緑の香り、そして薄切りにされたスイカのピクルスが、きゅうりのようなみずみずしさを与え、ココナッツの果肉が自然な酸味とほのかな苦みをプラス。

あえて日本の薬味を使わず、シンガポールらしい食材を使って薬味の構成を再現した味わい。

続いては、福田特別純米(福田酒造、長崎県平戸市)

ボディのしっかりとした味わいで、酸味のキレもしっかりあります。

作り手の福田さんは、「ウニのコクと酸味が合い、後味をスッキリさせてくれる組み合わせです」とのこと。

UNI(Liquid mango | pickled sansho pepper | nori)

やってきたウニの一皿は、マンゴーのスフィアとピンクペッパー、海苔の組み合わせ。

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ウニと上質な海苔の香り高さはもちろん、強すぎないマンゴーのフルーティーさと、同じく華やかさのあるピンクペッパーが、ウニと海苔、という日本的な組み合わせに程よいアクセントを加えていました。

長崎美人大吟醸(福田酒造、長崎県平戸市)

どこかリンゴを思わせるような清々しい香りのある日本酒。「蔵の裏にはヒラメが沢山獲れる漁港があり、白身の魚との相性も抜群です。地元の酒に地元の魚が合うと言いますが、まさに長崎の風土に育まれた味なんです」とのこと。

それに合わせたのが、フルーツとの相性の良いフォワグラ。

FOIE GRAS(Strawberry | soy sauce brioche | squid ink)

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長崎産のイチゴのコンポート、醤油を練りこんで旨みをプラスしたブリオッシュ、そして、イカスミといちごのソース。

表面をカリッと焼き、程よく塩気をまとったフォワグラに、甘いイチゴのコンポート、そしてイチゴの香りを凝縮したソース。フォワグラのコクに、酸のしっかりしたフルーティーな長崎美人がよく合います。ブリオッシュはバターの香り豊かで、スコーンのような、周りはサクッと中がふんわり、しっとりとした食感。この食感の組み合わせもフォワグラのバランスと重なります。

続いては、魚の一皿。グリーンフィッシュと呼ばれる、スズキのような魚の松笠焼。

CRISPY GREEN FISH(Ginger infused oil | eggplant | black garlic)

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外はカリッと、中は半生でしっとりと焼き上げてあります。生姜のオイルと、長崎産の茄子のグリル。香ばしさと甘味を引き出した焼き茄子に黒にんにくを加えたソースで、コクとうまみを足しています。

ここで、麦焼酎の焼酎ちんぐ(親友)黒麹仕込み(重家酒造、長崎県壱岐市)。

寿司のシャリに香ばしい麦のロースト香を加える組み合わせ。

この日限定で、久兵衛三代目の今田景久さんの握るお寿司が楽しめます。

Sushi by Ginza Kyubey Restaurant

(ヒラマサ、鯵、メジナ、ウマヅラハギ、本マグロ)

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普段は佐渡と新潟のコシヒカリをブレンドして使っているそうですが、今回は長崎のつや姫を使用。魚はもちろん、酢や醤油に至るまで長崎産にこだわった特別なお寿司を楽しみました。

魚を知り尽くした長崎漁協の方も、「同じ魚でも、温度管理や切り方、下ごしらえで全く味が変わるけれども、さすが今田さん、本当に美味しく仕上げてもらいました」と感動する仕上がりに。

「銀座の久兵衛でも、長崎の穴子やスマガツオをよく使いますよ。昔と比べて、築地でも長崎の魚を見かけることが多くなりましたね。寿司を握る時にいつも大切にしているのは、魚を獲った漁師さんにしても、酢にしても米にしても。作り手の思いをしっかり乗せて握ることです」と今田さん。

2012年3月に、震災復興イベントの一環として訪れて以来、5年ぶりのシンガポール。前回はマンダリン・オーチャードホテルとフラトンベイホテルで寿司を握ったそうですが、「シンガポールの人たちは食に対する好奇心、探究心が非常に旺盛」という印象を持ったそうです。

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オープンカウンター形式で今田さんが寿司を握る姿が見えるようになっていたこの日も、地元メディアからも、「動きがエレガント」「リズムに乗ってスピーディーに握っていて素晴らしい」との声が上がっていました。

続いて、焼酎醸造用のサツマイモではなく、焼き芋などに使う紅あずまを使った焼酎、芋大尽(福田酒造、長崎県平戸市、長崎県産のサツマイモが原料)。

PORK(Kurobuta pork | miso | rhubarb)

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クリーミーな、ほんのわずかに味噌を加えたソースをまとった黒豚のロースト、それに相性抜群の甘く煮てリンゴのような味のルバーブ。そこに、芋大尽の皮のポリフェノールの香りと、サツマイモならではの甘い、黒糖や蜂蜜のような香りが寄り添います。今回、本当に素晴らしいと思ったペアリングの一つ。さらに、トリュフとマッシュルームのソースが敷かれていて、旨みを後押しします。

WAGYU(Wagyu beef | dragon potato | foie gras snow)

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そして、ジャスパーオーブンで焼き上げた長崎和牛。こちらには、個人的には先ほどの麦焼酎ちんぐを合わせてみました。

香ばしい麦の香りに、ジャスバーオーブンの炭火で焼き上げた長崎和牛の味がぴったり。長崎和牛に関しては、クリスシェフも「脂が上質でしつこくなく、赤身の味もしっかりしていると太鼓判。」

長崎産のレッドドラゴンという品種のサツマイモのように甘いジャガイモを添えて。焦がしたシャロットが炭火焼の香ばしい旨みを強調します。すっきりとしながらも独特のコクのある豆苗が全体を軽くまとめています。

デザートはジャスミンシェフによるもの。

MELON(Roasted sweet corn ice cream | cantaloupe melon granita | brown butter)

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長崎のメロンは香りが高くて甘みがしっかりある、それをしっかり生かしたいけれど、同時に香ばしさを出したい、ということで生み出したデザート。焦がしバターのパルフェの上に飴を敷き、長崎産のカンテロープメロンと、スイートコーンのグラニテをふりかけたもの。

焦がしたバターコーンのような味わいの中に、スイートコーン本来の自然なミルキーさと甘み、そこに清涼剤のようにメロンが際立つ組み合わせ。

バターの濃厚さを洗い流す、酸味のしっかりとした柚子のリキュール、リキュール梅ヶ枝柚子(梅ヶ枝酒造、長崎県佐世保市)とともにいただきました。

長崎食材をたっぷり使ったこの特別メニューは22日日曜日まで(S$190、酒ペアリングは+S$85)。 この機会に、ぜひ、選りすぐりの長崎食材を楽しんでみてくださいね!!

<DATA>

■Treasures of Nagasaki Prefecture(トレジャーズ・オブ・ナガサキ・プリフェクチャー)

日時:2017年1月16日(月)〜22日(日)(久兵衛三代目今田さんによる寿司の提供、本マグロ解体ショーは17日のみ)

■Stellar at 1-Altitude(ステラ・アット・ワン・アルティチュード)

営業時間:ランチ 11:30~13:45(平日のみ)、ディナー 17:30~21:30、(いずれもL.O.)無休

住所:1 Raffles Place, Level 62, Singapore, 048616

電話:+65 6438 0410

アクセス:MRTラッフルズプレイス駅徒歩1分

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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