【Asia's 50 Best Restaurants】授賞式・アジアで一番美味しいレストランは?Day 2

公開日 : 2017年02月25日
最終更新 :

そして、翌日は今度は主なスポンサーでもある、S. Pellegrino(サン・ペリグリノ)のブランチへ。

同じ会場、マンダリンオリエンタルホテルのタイ料理レストラン、Sala Rim Naam前の広場でのバーベキュー。

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2015年のS. Pellegrino Young Chef 2015 for Southeast Asiaに選ばれたJaanのKirkシェフによるスピーチなども。

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この他にも、今徐々に美食熱が高まっているフィリピン・マニラで、フィリピンの奥地でしか手に入らない、伝統的なハーブやスパイスなどをはじめ、食材の多くに地元のものを使っているというGallery VaskのJosé Luis 'Chele' Gonzálezシェフ、魚介類はほとんど日本産、日本の食材を愛用しているという、香港のフレンチ、AmberのRichard Ekkebusシェフとも少しお話ししました。

メディアやシェフ同士との交流の場が、色々な形で取れるようになっているのがわかります。

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そして、夜6時からはいよいよ表彰式。

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日が暮れるとともに受付が備えられ、ドレスアップした参加者達で、華やいだ雰囲気に。

始まるまでの間にも、W Hotel 敷地内の会場、THE DINING ROOM AT THE HOUSE ON SATHORNでは、食事やドリンクが提供されました。

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2013年、2014年のベストペストリーシェフ、Janice Wongさんの姿も

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ここはアフターパーティの会場でもあります。

そして、夜8時半から、会場をW Hotelに移し、表彰式が行われました。

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日本勢としては、

特別賞として前回の記事でご紹介した、Esquisse cinqの、成田一世シェフが、Asia's Best Pastry Chef 2017 を受賞。

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また、The Art of Hospitality Award 2017には和食の傳が選ばれました。自分は一方後ろに下がり、まずは女将を務める奥様のえみさんを始め、スタッフだけを壇上にあげた長谷川在佑シェフ。

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「ホスピタリティ、おもてなしの心、というのは、自然に沸きあがる相手を思いやる気持ち。冬に旅館に行ったときに、出された靴が暖かい、というような。僕は、お客様にそんな暖かさを感じてもらいたい。なので、お店に着いたときに、今どういう状態なのか、お昼ご飯にはなにを食べたのか。会話を通して、気を配るようにしています。とても疲れてらしたら、短めのコースにアレンジしたり、その人の心地よい、とは何なのかに、心を巡らせて、その一人一人に合わせた料理を出して行くのです。」最近は、今回1位を獲得したGagganをはじめ、毎月のように各国のシェフとのコラボレーションも行なっている長谷川シェフですが、「一番大切にしているのは、料理は心で作り出すもの、ということ。同じ気持ちを持つシェフ達と、これからもコラボレーションしていきたい」と語ります。

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(左から、長谷川シェフ、佐藤シェフ、川手シェフ)

ランキングでは、今年初の料理本を出版する予定という6位のNarisawaの成澤シェフを筆頭に、7位に龍吟、11位に前出の傳、12位にL'effervescence(レフェルヴェソンス)と続きます。

前回One to watch(注目のレストラン)として表彰された、Florilege(フロリレージュ)は初登場で14位と大躍進。

川手寛康シェフは、「本来殺処分されてしまう経産牛を肥育して、その旨みを生かした生ハム仕立てにして提供するなど、フードロスをなくす工夫や、食育に地道に取り組んでいることなどが評価されたのではないかと思います。今回の14位という結果は素直に嬉しいけれども、同時に責任の重さも感じています。来年も、みんなの笑顔に繋がる形にしていきたいです」とのことでした。

また、龍吟出身の佐藤秀明シェフが香港にオープンしたTa Vieは、開店数ヶ月でミシュラン1ツ星獲得、そして2年目の去年は2ツ星に昇格するなど、勢いに乗っていますが、今回も48位から33位に大躍進。

佐藤シェフは、「2016年は正直な所、Ta Vie にとって試練の年でした。でも、そんな中で模索して来たことがこの結果につながったと思うと、良かったなと思います。この評価の中で、更に成長して行くことの難しさも、同時に感じています」と控えめなコメントでしたが、海外で活躍する日本人シェフとして、ますますその知名度がアップしていきそうな予感。

シンガポール勢では、レストラン Andreの2位を皮切りに、初登場のOdetteが9位にランクインしHighest New Entry Awardを受賞、Burnt Ends が 10位、同時にChef's Choice Award を受賞するなど健闘しました。

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3年連続、ハットトリックで1位を奪ったGagganのGaggan Anandシェフは、満場のスタンディングオベーション、大喝采を浴びながら登場。

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ステージに、数日前にコラボレーションを行なったばかりの傳の長谷川シェフ、Florilegeの川手シェフなどを始め、多くのシェフを壇上に招き、ともに祝いました。

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「この賞は自分だけのものではなく、この会場にいる全員のもの」とのスピーチには、この仕事と、同じ志を持つ仲間に対する愛情に溢れていました。

インド・カルカッタ出身、10年前に、かき集めた500ドルの借金と、1足の靴、4枚の着替えだけでバンコクに到着したというGagganシェフ。今は、美しい一軒家のレストランにラボ、新しくカジュアルレストランMeatliciousをオープンするなど、アメリカン・ドリームならぬインディアン・ドリームを実現させ、まさに快進撃を続けていますが、Gagganシェフにお聞きしたところによると、実は2020年には現在のGaggan を閉店、カレーなどを提供するインド料理店に変え、自らは日本の福岡に移り、昨年ランクインしたLa Maison de la Nature Goh(ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ)の福山剛シェフとともに、2021年に新店Gohganをオープンする予定とか。挑戦を続けるGagganシェフの、これからの活動にも注目です。

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今回の結果は以下の通りです。( )内は昨年の順位

No.1 GAGGAN(Bangkok, Thailand、1位)

No.2 RESTAURANT ANDRÉ(Singapore、3位)

No.3 AMBER(Hong Kong, China、4位)

No.4 8 1/2 OTTO E MEZZO BOMBANA(Hong Kong, China、13位)

No.5 NAHM(Bangkok, Thailand、8位)

No.6 NARISAWA(Tokyo, Japan、2位)

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(成澤シェフと、シンガポールのフレンチ、Corner HouseのJason Tanシェフ)

No.7 NIHONRYORI RYUGIN(Tokyo, Japan、5位)

No.8 ULTRAVIOLET BY PAUL PAIRET(Shanghai, China、7位)

No.9 ODETTE(Singapore)

No.10 BURNT ENDS(Singapore、14位)

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(写真右がDaveこと、David Pyntシェフ)

No.11 DEN(Tokyo, Japan、37位)

No.12 L'EFFERVESCENCE(Tokyo, Japan、16位)

No.13 SÜHRING(Bangkok, Thailand)

No.14 FLORILÈGE(Tokyo, Japan、前回One to watch)

No.15 MINGLES(Seoul, South Korea、15位)

No.16 LES AMIS(Singapore、12位)

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(Sebastien Lepinoy シェフと、奥様でおなじくシェフの、Olivia Younghee Leeさん)

No.17 LUNG KING HEEN(Hong Kong, China、10位)

No.18 QUINTESSENCE(Tokyo, Japan、20位)

No.19 BO.LAN(Bangkok, Thailand)

No.20 WAKU GHIN(Singapore、6位)

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(右が井上正彦ヘッドシェフ)

No.21 ISSAYA SIAMESE CLUB(Bangkok, Thailand、19位)

No.22 LOCAVORE(Bali, Indonesia、49位)

No.23 CORNER HOUSE(Singapore、17位)

No.24 RAW(Taipei, Taiwan、46位)

No.25 JUNGSIK(Seoul, South Korea、22位)

No.26 SUSHI SAITO(Tokyo, Japan、26位)

No.27 TIPPLING CLUB(Singapore、31位)

No.28 LE MOÛT(Taichung, Taiwan、30位)

No.29 MINISTRY OF CRAB(Colombo, Sri Lanka、25位)

No.30 INDIAN ACCENT(New Delhi, India、9位)

No.31 EAT ME(Bangkok, Thailand、23位)

No.32 JADE DRAGON(Macau, China)

No.33 TA VIE(Hong Kong, China、48位)

No.34 HAJIME(Osaka, Japan、11位)

No.35 GALLERY VASK(Manila, Philippines、39位)

No.36 THE DINING ROOM AT THE HOUSE ON SATHORN(Bangkok, Thailand)

No.37 LE DU(Bangkok, Thailand)

No.38 LA YEON(Seoul, South Korea、50位)

No.39 THE TASTING ROOM BY GALLIOT(Macau, China)

No.40 L'ATELIER DE JOËL ROBUCHON(Bangkok, Thailand)

No.41 L'ATELIER DE JOËL ROBUCHON(Hong Kong, China、40位)

No.42 JAAN(Singapore、29位)

No.43 MUME(Taipei, Taiwan)

No.44 SHINJI BY KANESAKA(Singapore、21位)

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(左が押野亘一郎マスターシェフ、右が吉澤俊亮ヘッドシェフ)

No.45 RONIN(Hong Kong, China)

No.46 WASABI BY MORIMOTO(Mumbai, India、44位)

No.47 THE CHAIRMAN(Hong Kong, China、27位)

No.48 FU HE HUI(Shanghai, China、18位)

No.49 NIHONBASHI(Colombo, Sri Lanka、47位)

No.50 TAKAZAWA(Tokyo, Japan、24位)

The Diners Club® Lifetime Achievement Award: Umberto Bombana (8½ Otto e Mezzo Bombana, Hong Kong)

Asia's Best Female Chef: May Chow(Little Bao, Hong Kong and Bangkok)

Miele One to watch: TOC TOC(Seoul, South Korea)

Highest Climber Award: Locavore (Bali, Indonesia)

この後は、2017年のWorld's 50 Best Restaurant 2017の表彰式が、4月5日、オーストラリア・メルボルンで行われます。

当日は、公式Facebookでインターネット生中継も行われますので、ぜひご注目くださいね!

■Asia's 50 Best Restaurants 2017(アジアのベストレストラン50)

公式ウェブサイト:http://www.theworlds50best.com/asia/en/asias-50-best-restaurants.html

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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