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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

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2017年4月29日

Esquina 5周年記念、二ツ星 Odetteとのコラボレーションディナー


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Esquina 5周年記念、二ツ星 Odetteとのコラボレーションディナー

今年5周年を迎えるということで、去年の12月から、「Amigos de Esquina(エスキーナの友人たち)」と銘打って、5回のコラボレーションを行なってきた、Esquina(エスキーナ)。

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ヘッドシェフは、三代目のCarlos Montobbio、スペイン・バルセロナ出身です。29歳の若さながら、El Celler de Can Roca、Cinc Sentitsなど、ミシュラン星付きのレストランで活躍してきました。

コラボレーションの締めくくりを飾るのは、シンガポールのミシュラン二ツ星のフレンチ、Odette のJulien Royerシェフ。

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2015年11月にオープンしたOdetteですが、2016年7月のミシュランでは二ツ星を獲得、今年の世界のベストレストランでは初登場で86位にランクイン、最近は4月に、Gallery Vask の Chele Gonzalezシェフなど共に、フィリピン・マニラでコラボレーションディナーを行った他、来月は5月5日〜7日の日程で台湾のLe Mout 、日本のGoh とスペシャルディナーを行うなど、積極的な活動を行なっています。

どんな体験が楽しめるのか、一夜限定のディナー(S$188)にワクワクしながらお邪魔しました!


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まずは二人のシェフの合作のアミューズから。
まずは上から、Odetteの、Sugar Snap Peas, Nori, Mint。
サクサクしたタルト生地にはスナップエンドウの実とミントのクリーム。一口で食べると、爽快さとコク、どこか抹茶のような緑の印象を重ねた春らしいタルト。
そして、同じくOdette から、Comté Sponge, Maple Vinegar, Walnut。
ひんやりとしたコンテチーズのムースのようなしっとり、ふわふわのスポンジに、メープルビネガー、細かく削ったくるみを添えて。コンテチーズのコクに重なるくるみ、メープルの甘み、そしてその印象をきりっと引き締めるはっきりとした酸。
この二つを食べると、一つの春のタルトが出来上がるような、再構築のように感じる組み合わせ。

そして、
Esquina の Zucchni Sphere, Mint Flower, Khuri Poire(写真一番手前)は、ズッキーニのピュレの詰まった球体に、同じテクスチャーが天然で楽しめるイクラを添えて。モレキュラー発祥の地、スペインらしいスタート、イクラはおそらく干し草のスモークの香りがつけてあって、この香りがとても食欲をそそります。
Foie Gras Terrine, Leeks, Sherry Vinegar こちらは、スペインを代表する酒、シェリーで作った酢を使ったフォワグラのテリーヌ、表面はカリッとごく薄いキャラメリゼされた飴のような層ができていて、酸味と甘みでこのフォワグラの旨味をいただく一品。下にはフィロペストリーが敷いてあり、上の飴の層と違ったカリッと感を2通り楽しめる仕掛け。

ワインペアリング(S$128)は、Eric Rodez Grand Cru Brut Cuvée des Crayeres, NV。

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これは、以前アンドレでも頂いたのですが、シャルドネとピノ・ノワールのバランスの良い、すっきりとした酸味も複雑味も楽しめるシャンパンでした。

前菜の二品目は、
OdetteのBBQ Sardine Tomato, Fennel, Filo Pastry。

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サクサクの軽いフィロペストリーの上には、表面をほんの少しだけ焦がした脂の乗ったイワシに、コンフィしたトマト、太陽の力を感じるパプリカのソース、プチプチとした食感と酸味が楽しめる、フィンガーライムを乗せて。上にはトマトの透明なエキスだけで作ったエスプーマを乗せた、フェンネルのジュースを添えて。フレッシュ感を強調する、雑味のない透き通った味わいは、現代のフレンチのトレンドにもマッチしている印象。

Esquinaは、Tsarskaya Oyster,Cauliflower, Smoked Eel, Topinambour, Caviar

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カリフラワーのフランの上には、ロシアのツァーリ(Tsars)のための牡蠣、とも呼ばれることのある上質の生牡蠣。そしてキャビア。エルサレムアーティーチョークのカリカリのチップスと、刻んだオイスターリーフ、そして酢漬けにした生姜の花を添えて。カリフラワーの甘みにキャビアと生牡蠣のコクを合わせた組み合わせ。スモークしたうなぎは、ベーコンのシーフード版というような、旨味をプラス。エルサレムアーティーチョークは、カリフラワーに香ばしい甘さと、ごくごくわずかな苦味を加える役割。

ワインは、Nadine Ferrand Mâcon Solutré-Pouilly, 2015。

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シャルドネですが、樽を使わず、ぶどうそのものの味を楽しめるような作りの、すっきりとした白でした。

続いて、野菜の競演。
Odette からは、Trombetta Zucchinia Burrata, Basil, Olive Nicoise

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ズッキーニの様々な姿。ヤギのチーズを詰めて揚げたズッキーニの花、そして生のスライス、少しもちっとした食感がある、低温調理したズッキーニに唐辛子とライム、バジルの芽や黒オリーブを散らしたもの、そしてブッラータチーズと、バジルのソルベが添えられています。トマトのチャツネには、クミンが加わり、どこか地中海〜中東を感じるアレンジに。


そしてEsquina は、White Asparagus, Conté Whey, Corn, Lemon Balm

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器にコーンのクリームを敷き、グリルしたホワイトアスパラガスに、レモンバームの芽、カリカリにローストした、ペルー産の粒の大きく香ばしいコーンを使い、上からコンテチーズの乳清のスープをかけて仕上げます。とても上品なコーンクリームスープのエッセンスだけをいただいているような組み合わせに、ジューシーに仕上げたホワイトアスパラガスの自然な甘みが調和しています。コンテチーズのチュイルがカリカリ感と香ばしい焦げ感をプラス、甘さの中にすっきりとしたレモンの印象のあるレモンバームが、強すぎずいいバランスでした。

この、以上2品に合わせたワインが印象的で、ソーヴィニョンブランにもかかわらず、6ヶ月間フレンチオークの樽で熟成させてあるというMatarromera (Barrel Fermented) Verdejo, 2014。

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元々はスペイン大使館でしか飲めない、限定のワインだったのだそうなのですが、ズッキーニと合わせた時はナッティーな印象が強く、アスパラガスと合わせると、フローラルな印象が際立って、二つの側面を楽しめる素敵なペアリングでした。ちなみに、アジアでの初上陸は、シンガポールだったとか。

Odette のJulienシェフは、以前にいたレストラン、Jaanにいた時からのシグネチャー、The Egg, Smoked Potato, Chorizo Iberico.

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オーガニックの鶏卵の温泉卵をスモークしたポテトのピュレ、イベリコ豚のチョリソーの角切り、そしてクルトンを上から散らして。

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濃厚な旨味とコクを重ねた、安定度抜群の品。サービスされる際に、ローズマリーの枝と共に提供されるのですが、テーブルに置かれたこのローズマリーの香りも、演出の一つ。

それに対して、Esquinaは、魚の一品。
Meunière Grilled Sole & Allium
Onion "Doux The Cevennes", Spring Onion, Chive Oil, Garlic Flower

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シンプルにグリルした魚に炒めた青野菜。こういった組み合わせは、下手をすると醤油などを使いすぎて中途半端にアジアだったり、えぐみが際立ったりと、微妙に楽しめないこともあるのですが、きちんと西洋料理の構築になっていました。グリルしたヒラメに、フランスのセヴェンスオニオンと呼ばれる強い甘みが特徴の玉ねぎを添えて。下にはピュレ、サイドにはスープ。炒めた玉ねぎの葉と、酢漬けにした茎も、上には玉ねぎの花。スープには、スペインらしくシェリー酒、Amontillado(アモンティリャード)の甘いナッツの香りをスプレーで一吹き。キャラメリゼした玉ねぎのピュレのようなスープは、濃厚な旨味を出そうとすると、どうしても香りに雑味が出てしまうので、それをアモンティリャードの甘い香りで包み込むような構成の気がしました。

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そして個人的に感じた味わいの一番のキーは、黒にんにくのアイオリ。黒にんにくの、玉ねぎより一段トーンの高い甘み、そしてさらに卵黄をたっぷり使って、濃厚なコクをだし、雑味を包み込むように作っている印象で、ヨーロッパ料理として楽しめました。
Guy Amiot Clos Saint Jean Rouge 1eR Cru, 2013

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こちらには、まだ酸味の生き生きとした印象が残るピノ・ノワールを。

そして、料理のコースの締めは、Odette の、Baby Lamb Axuria 'A La Basque' Espelette Harissa, Eggplant, Confit Garlic

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バスク風の子羊は、腰肉の部分はステーキ風に仕立てで、きっちりと作られたジュで。腹身の部分は、じっくりと火を通してとろとろに仕上げた後、ギリシアヨーグルトと細かく刻んだレモンのコンフィをかけて。薄切りにしたきゅうりは酢漬けにして。ラムラックの骨の下には、柔らかくジューシーな一口大のフィレが隠れていて、これは塩のみの素直な味付け。添えられたナスは、外側はキャラメリゼされてカリカリに、そして内側は柔らかくジューシーに仕上がっています。
ラムラックの肉汁を受け止めているのは、ミントとレーズンの入ったクスクス、クミンを効かせたエスペレット唐辛子とパプリカのソース。アーモンドとこのクスクスを一緒に食べると、中東で食べた味そのまま。中東に影響を受けたバスク風の仕立て、というのに納得です。
Château Haut-Maurac, 2009

スパイス感、果実味、ボリューム感ともにこの子羊の香りや中東風の味わいに負けない、メドックの赤を合わせて。

そしてここからがデザート。
オデットは、Cucumber, Bay Leaf, Mint, Verbena

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肉料理の中東風の流れを受けて、きゅうりを使ったすっきりとしたデザート。きゅうりのソルベには、ベイリーフをごくごくほのかに効かせて、この後のデザートへの橋渡し。ミントのフォームと、レモンのような香りのバーベナ葉のピュレ、カリカリのメレンゲを添えて。

Esquina からはデザートが2品。
Strawberry, Mannitol, Fines Herbes

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スペイン産のイチゴは、表面を砂糖とレモンの衣で薄くコーティングして、温かい状態で提供されます。個人的にはカリッとした砂糖の衣から弾けるジューシーなほんのり温かいイチゴがとても気に入りました。ほんのりと温めたことで、甘みを強く感じ、横に添えられているレモンとバニラビーンズのソルベとの温度の対比も楽しめます。


そして、"Plantation Pineapple" Rum Baba, Coconut Espuma, Mango プランテーション・パイナップルという、珍しいパイナップルからできたラム酒を使ったババ。

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焼きたてに、スポイトでラム酒を入れて。下のココナッツのエスプーマ、マンゴーのピュレと、南国風の仕上げです。

これに合わせたのは、コニャック、Rémy Martin XO。

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特にアルコール感も味のボリュームも高い、ババとの相性はバッチリでした。

二人のシェフの出身地、スペインとフランスの魅力が詰まったコラボレーション。
Esquinaの普段のメニューは、こちら から見ることができます!

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<DATA>
■Esquina
営業時間:ランチ 12:00~14:30 (平日のみ)、ディナー 18:00~22:30 (日曜休)
住所:16 Jiak Chuan Rd, Singapore 089267
TEL:+65 6222 1616
URL: http://esquina.com.sg/
アクセス:MRTアウトラムパーク駅から徒歩9分程

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カテゴリー レストラン・料理・食材
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      仲山 今日子
      元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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