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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

シンガポール・シンガポール特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2017年6月25日

シャングリラホテルに新オープン、和食「波心」


シャングリラホテルに新オープン、和食「波心」

オーチャード駅から徒歩圏にある緑に囲まれたホテル、シャングリラホテル。シンガポールの中心にあるとは思えない、広大な敷地と落ち着いたロケーションから、今は世界各地にあるシャングリラホテルですが、このシンガポールが1971年に最初にオープンしたホテル。

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以前はBluというレストラン・バーで、ミシュランのシェフのイベント なども行なっていましたが、今月1日に完全改装されて、日本料理店「波心(なみ)」に生まれ変わりました。

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オープンに合わせて、6ヶ月前にシンガポールにやってきたという秋葉重雄料理長は、横浜のなだ万、料理の鉄人、中村孝明さんの店で料理長を5年間勤め、右腕として働いてきました。さらには、なだ万時代に明仁天皇のための料理を作った上、横浜プリンスホテル時代には、秋篠宮殿下と紀子さまの結婚式の料理も手がけるなど、31年のキャリアの持ち主です。

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明るく開放感あふれる広々としたカウンター、そして24階からの、緑が眺められる落ち着いたロケーションは、ビジネスの会食などにも良さそう。個室も2室あります。
夜のおまかせコースは150、190、220ドルの3種類です。
今回はランチタイムということで、料理長おまかせのコース(110ドル)をいただきました。

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飲み物は日本酒などもありますが、昼間ということで、オススメの果実をたっぷり使った、梅の宿のあらごしみかんをいただきました。

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先付

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手作りの卵黄入りのホワイトアスパラガスの豆腐に、ジュンサイと出汁のゼリー、上にはウニと、グリーンアスパラガスを針のような細さの千切りにしたもので、ほろ苦い春の名残の味わい。
秋葉料理長は、「特に出汁にこだわっている」と語ります。基本的には関西風の、昆布の旨みを生かした出汁が中心だそうですが、こちらは、昆布の丸みよりも、しっかりと枯節の旨みとスモーク感を感じる味付け。お聞きすると、鹿児島・枕崎産の、血合いのある部分を使っているのだそう。ミネラルウォーターでとった出汁ゼリーに、つるっとした食感のジュンサイのゼリー感を合わせ、ウニと卵豆腐の卵黄のコクが重なります。

そして、八寸。

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右から、牡蠣のしぐれ煮。ほのかなニンニクの香りがすると思ったら、太白ごま油にニンニクを漬け込んだ油に、最後にくぐらせているのだとか。「シンガポールの人は、油で旨みを感じやすい」ということから、考えたアイデア。花紫蘇ですっきりと仕上げてあります。

姫サザエ、ウコンを入れたサツマイモの甘煮、真蛸の梅肉あえ。
活けで仕入れている真蛸は高温でさっと素揚げしてから、丁寧に細かく包丁を入れて行っています。
酸味が立ちすぎないまろやかな味わいは、みりんと砂糖をほんの少し加えているだけでなく、程よく酸味を残す程度に梅肉の塩を抜いた上、普通の赤梅だけでなく、白梅の南高梅で旨みをプラスしているそう。

笹の葉に包まれているのは、穴子ご飯。

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ツルムラサキのごまあえは、甘くないすっきりとした味付け。


椀物

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春キャベツのすり流し。シンガポールの人が好きなモチモチした食感があるから、と、中の豆腐は葛でもっちり感を出した卵黄入りの胡麻豆腐にエビを合わせて。上に乗った青ネギの香りと合う、ほんのり動物性の出汁の味がするのでお聞きすると、実は鳥の出汁を入れているのだとか。カツオと昆布の二番出汁で春キャベツを煮てから、低温で沸騰させないように取ったクリアな鶏ガラの出汁を加えているのだそう。上に散らされた黒胡椒も、いいアクセントになっていました。牡蠣のしぐれ煮のニンニク油といい、和食の味でありながら、日本人以外の人も美味しいと感じる隠し味を加えてあります。

和の出汁はこだわりの利尻昆布から。築地の、20年以上付き合いのあるお店から特別に取り寄せているそう。「厚めの昆布から、贅沢な出しかたをしていると思いますよ」とのこと。出汁を取るときも、最後の一滴まで取るのでなく、素早く最初に濾した出汁だけを一番出汁にして、残りは二番出汁に回してしまうのだとか。

向付

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上にわさびの葉が飾られたお刺身は、しまあじ、金目鯛、長崎産本マグロの赤身と中トロ。
そして、特に印象的だったのは、アオリイカの甘み。裏表両側に、1ミリほどの間隔で細かく包丁が入り、ねっとりとした甘みを引き出しています。

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添えられていた粉砂糖のように細かいヒマラヤの塩も、この繊細な印象とよく合いました。

強肴

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マグロの頭の部分の煮込みと、佐賀牛のすき煮から選べます。私はすき煮を。
温かいやや甘めの出汁ですが、べたつかない甘さですっといただけました。

食事

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鯛のカマと新生姜の炊き込みご飯。鋭すぎない程よい香味の新生姜と、丁寧にほぐしてある鯛の上品な甘みに、出汁があいまったバランスの良い味。

赤出汁の味噌汁には、なめこと豆腐、みつばの定番の味をしっかりと。

水菓子

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求肥や白玉まで秋葉料理長手作りのぜんざい。シャインマスカットやとちおとめなど、フルーツもしっかりとこだわっています。

野菜も含めた、ほとんどの食材は日本から。

料理長として、料理の鉄人、中村孝明さんのお店で、数々のメニュー開発に取り組んだという秋葉料理長。そのとき教わったのは、型にとらわれすぎない、自由な発想。

この波生のテーマも、フュージョンでもトライディショナルでもない、モダンな和食。若者にも敷居が高くないように、ということで、盛り付けなども立体的な高さのある盛り付けにしたり、トライディショナルでない盛り付けを工夫しているのだとか。秋葉料理長は、「世界に和食を広めるのが自分の仕事」と語り、本物の味を守りつつ、見た目で新しさを感じて欲しい、と言います。

ビジネスに、プライベートに、いろいろな使い方ができる素敵な和食店です。

<DATA>
■ 波心(なみ)
営業時間:ランチ 12:00~14:30(レストラン・テラス席とも)、ディナー 18:00~22:30(レストラン)〜24:00(テラス席)、無休
住所: 22 Orange Grove Rd, Singapore 258350 (24階)
電話: +65 6213 4398
アクセス:MRTオーチャード駅から徒歩15分ほど

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カテゴリー レストラン・料理・食材 旅行・ツアー・ホテル
2017年6月25日
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    • 特派員プロフィール
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      シンガポール特派員
      仲山 今日子
      元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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