はし田 x 京都の酒蔵・玉乃光 のコラボレーションイベントへ
寿司に欠かせない、日本酒。日本には現在1200の酒蔵があり、そのうちの50が京都にあるのだとか。
中でも玉乃光は340年前に設立された、長い歴史を誇る酒蔵です。醸造アルコールを使用せず、純米酒だけを醸すというこだわりの酒蔵。そんな玉乃光と、はし田の初のコラボレーションイベントが行われました。
提供されるのは5種類の玉乃光の日本酒。
まずは、純米吟醸「祝」で乾杯。京都産の祝という酒米100%、米のエッセンスをそのまま日本酒にしたような、水の柔らかさを感じながら、さらっといただける一品です。
こちらにあわせたのは、八寸。
若干の食感を残して煮あげた、柔らか煮のタコに粒マスタードを乗せたもの、
淡白なタチウオにコクのある卵黄味噌を乗せて焼き上げた焼き物。
茄子を敷いたアワビの器の中にはアワビの酒蒸し。
竹の器の中には、出汁の効いた春菊とえのき、食用菊のおひたし。
きぬかつぎに胡麻味噌を乗せたものなど、秋の季節感満載の内容です。
続いての日本酒は、年間4000本のみの生産で、海外でははし田だけが扱っているという日本酒、美山錦の純米大吟醸。
美山錦らしいすっきりとしたキレ味、協会28号酵母によるはっきりとした吟醸香を感じる華やかな日本酒です。
焼いたあなご、山椒の実が入ったレンコン団子、麩を炊き合わせて葛でとろみをつけたものに、白髪ネギと木の芽を飾って。
あなごの香りを、木の芽の甘い香り、日本酒の華やかな吟醸香と合わせていただく組み合わせでした。
一方で、同じ純米大吟醸でも、備前雄町100%を使ったこちらは、ボディのしっかりした酒。
先代社長がこの備前雄町を復活させたということもあり、蔵としてもとても思い入れの深いお酒で、シンガポール航空のビジネスクラスにも採用されているのだとか。
刺身の盛り合わせ。
酢を使わず、醤油と酒でつけてある鯖は、表面を炙って、柚子をほんのりと効かせています。滑らかな金目鯛も表面を軽く炙って。本鮪の中トロ、活けの水タコは足は細かく包丁を入れて食べやすく、吸盤はそのコリコリとした食感を楽しむように、同じタコを違う楽しみ方で食べられるようになっています。
しっかりとした米の味わいが、刺身に奥行きを与える組み合わせ。
もう一品は、京都らしさをイメージして作ったという、豆腐と蟹の飛竜頭。
下には蟹味噌のソースを敷いてあります。素揚げの銀杏、低温でほんの少しだけ火入れをしたイチジク。シグネチャーのあん肝には、橋田さんの父がその師匠から受け継いだという135年間継ぎ足したタレを使っています。
こういったしっかりとした味わいのものには、雄町のこっくりとした味わいがよく合います。
ここからが握り。
鯛は昆布の上に置いて、濃厚な昆布の旨味を移して。
そして、ここからは純米吟醸のひやおろし。
玉乃光では、限定2000本のみ醸造の秋を代表する酒、まだ日本でも出荷を始めたばかりのものを持ってきていただきました。一夏を越して熟成感が増した日本酒、こういった季節のものを、いち早くいただけるというのも、シンガポールではなかなかない機会です。
みずみずしい活けの石垣貝は、まだ動いているものをそのままいただきます。
天を向いている握りの姿が、縁起がいいと、同席したシンガポールの皆さんにも人気の一品。
鯵には、ネギと生姜混ぜたものを乗せて。
クリーミーと言いたくなるほど、脂のまろやかさを感じるカンパチ。
香ばしく皮目を焼き上げたかます。
メジマグロのづけは、出汁醤油に漬け込んで、柚子の香りもほんのりと。
木の芽の入った、ホタテ餅のお吸い物に、締めの定番、うにとイクラの丼。
酸味が控えめなはし田の酢飯とあいまって、とっても優しいほっこりとする味です。
最後は、カマトロの大トロを薄切りにしたはし田定番の一品。そぎ切りにすることで、ふんわりとした食感に、断面が大きくなることで、まろやかさをより強く感じる気がします。
デザートに合わせるのは、珍しい、清酒の梅酒。
梅を漬け込んで、温度管理のできるサーマルタンクを使い、5〜10度の温度帯で、3年間の長期貯蔵をすることで、丸みのある味わいとなっています。そして、しっかりと甘みがあってもしつこくないのは、完熟した梅からの甘みだけだから。
デザートは、メロンと定番の柚子餡の麩まんじゅう、そしてわらび粉にごぼう茶とカカオパウダーを加えて、大地の香りを加えたわらび餅。
玉乃光は、料理との相性を考えた、主張しすぎない日本酒造りを心がけて来たとか。最後は席札を使って、玉乃光が当たる抽選会も行われました。料理の魅力をさりげなく引き出す日本酒玉乃光と、はし田のコラボ。これからもはし田では12月に石川県の食材と天狗舞の日本酒を合わせたコラボレーションを予定しているそうです。
<DATA>
■Hashida Sushi Singapore(はし田寿司シンガポール)
営業時間:ランチ 12:00~15:00、ディナー 19:00~22:00(月曜休み)
住所:333A Orchard Road, #04-16 Mandarin Gallery, Singapore 238897
電話:+65 6733 2114
アクセス:MRTサマセット駅徒歩5分
筆者
シンガポール特派員
仲山今日子
趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。
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