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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

シンガポール・シンガポール特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2017年11月 2日

ミシュラン一ツ星中華Summer Pavilionへ


ミシュラン一ツ星中華Summer Pavilionへ

リッツ・カールトンホテルにあるミシュラン一ツ星の中国料理、Summer Pavilionに行ってきました!香港から3年前にやってきたCheung Siu Kongシェフによる、体に優しい中国料理を提供しています。

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まずは、オリジナルのライチ烏龍茶を。上品な味わいの烏龍茶に、ほのかに甘いライチの香りをつけてあります。

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お茶請けにはカラフルなオランダ産の人参とパパイヤのピクルスに、

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自家製のXO醤。ここのXO醤は油も唐辛子も控えめで、高タンパクで低脂肪の七面鳥を使っている、ヘルシーな味。

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以前 Kongシェフにお話をお伺いした際にも、油をあまり使わず、茹でたり蒸したりする調理法で食材の味を引き出したいと行っていたKong シェフのポリシーは、こんなところにも見られます。

ほんのり温めて提供されているのも、嬉しい心配りです。

まずは、特別にアミューズを出していただきました。

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生の人参のとても印象的なはっとする大地の香り、サクサクに揚げた紫蘇の天ぷらの上には卵白と程よい塩気のKaluga Queenのキャビアが乗っています。

まるで秋の川面を思わせるような盛り付けも美しい点心の盛り合わせ。

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Steamed Dong Xing Grouper Dumpling, Water Chestnut, Black Fungus, Asparagus, XO Sauce

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ハーガオと呼ばれる海老の水晶餃子のアレンジ、イカスミの皮にウォーターチェスナッツと細かく刻んだ海老のフィリング、その上に黒きくらげや蒸したハタの一種、グルッパーを乗せた点心。

Baked Wagyu Beef Puff, Black Pepper Sauce

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ほろほろと崩れるパフの中身は、スパイシーな黒胡椒と醤油で煮込んだA5の日本産和牛のサーロインを使った、トロリとしたフィリング。


もう1つ、スペシャルで出していただいたアミューズ、イカスミ入りの腸粉をくるりと丸めてロールにしたもの。

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上には北海道産のホタテが乗っています。サイドには腸粉には欠かせない、ピーナッツソースと、スイートソースと呼ばれる、ホイシンソースと呼ばれる海鮮系のソースなどを使った甘い味噌のようなソースが添えられています。

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横には上湯と醤油、シャロットオイルのやや甘いソースも添えて。

Smoked Barbecued Iberico Pork, Honey Sauce, Wok-fried Prawn, Soya Sauce

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バーベキューをイメージしただけあって、ヒッコリーチップのスモークとともに現れたのは、イベリコ豚を使ったバーベキューポーク。とっても柔らかいので、低温調理を使っているのかと思ったら、蒸して仕上げているのだそう。

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そして、その横はタイガープラウン、頭から食べられるようになっています。

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高温の油で一度さっと揚げてから油を切り、醤油をかけてフライパンで炒めてあるのだとか。とはいえ、火が通り過ぎているわけではなく、殻はカリカリ、身はジューシーで甘くてしっとり。このコントラストが見事でした。2種類のバーベキューを楽しみました。

Double-boiled Sea Whelk Soup, Diced Scallop, Soaked Nostoc Algae, Pine Mushrooms and Angel Loffa Served in Whole Pumpkin

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そして、スープはハロウィン仕様。
オランダ産のミニパンプキンを使っているのは、このサイズのカボチャが出回る来週辺りまで。それ以外の時期は、普通にポットに入れて提供しているそうです。シーウェルクと呼ばれる貝に、豚肉や鶏肉を加え7時間煮込んで作ったダブルボイルドスープ。

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自然な甘みが溶け込んだ上品なスープの具は、シーウェルク、オーストラリア産の帆立貝、Bamboo pithと呼ばれるきのこ、サクサクのアスパラガス。もっちりして柔らかめのさざえのような旨味のあるシーウェルクが特に美味しかったです。

Pan-fried Canadian Lobster, Wok-Seared Green Asparagus, Black Truffle Sauce

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カナダ産のロブスターは片栗粉をまとわせた後、フライパンで軽く火を入れて。中はしっとりと水分を残した焼き加減も絶妙で、みずみずしさとプリプリ感、どちらも楽しめます。

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オーストラリア産のグリーンアスパラガスは、Wokと呼ばれる香ばしい油の焦げた香りをまとわせて。こちらも、アスパラガス本来の緑の香りを残し、シャキシャキに仕上げてあります。Kongシェフは、野菜本来の独特の香りをとても上手に使っていると感じます。

添えられているのは、椎茸とトリュフをほんの少しのバターで炒めて水を加えてから、ライトソヤソースとダークソヤソースを加えて煮詰めたもの。どこか海苔の佃煮を思わせるような、程よい甘辛い味わいです。

"Ancient" Style Braised Lamb Brisket, Mushroom, Lotus Root, Lettuce

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伝統的な子羊の横隔膜の豆腐よう(発酵豆腐)煮込み。ほんのり生姜が効いた煮込み自体は伝統的な方法ですが、湯葉で包んで揚げてある、というのは、Kongシェフならではのアレンジ。

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カリカリの香ばしい湯葉は、とろりと煮込んだ中身との食感の対比が楽しめるだけでなく、子羊の香りを、まるでローストしたような香ばしいものに感じさせてくれます。

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横隔膜や胃のゼラチン質の部分も嫌な臭みが全くなく、子羊本来の香りがあります。ゼラチン質の部分に軽く油通しをしてから、竹とウォーターチェスナッツ、レモンの葉、水で下ゆでした後、2種類の豆腐ようと塩と砂糖で煮込んでいるのだとか。サイドにはキャベツと、一緒に煮込んだレンコンを取り出して添えてあります。そして、印象的だったのは、サイドに添えられた酒粕のような香りの豆腐ようのソース。ラムと一緒に食べると、野性味とよくあい、味のボリューム感と印象が一気に増幅します。ラムだけ、ソースだけだとそういった印象はなかったのですが、合わせて食べるとこんなに変わるソースは珍しいと感じました。

Poached Rice, Estuary Grouper, Ginger, Salted Vegetables, Black Fungus in Fish Broth

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締めのご飯は、グルッパを使ったフィッシュヘッドスープのようなコクのあるスープとともに。生の頭と骨を、色がつかない程度に軽くフライパンで火を入れてから熱湯に入れ、1時間ほどかけて煮出したスープは、滋味溢れる味わい。

グルッパは、もっちりとした分厚いゼラチンの層があるとても大型のものを使い、片栗粉と塩、砂糖をまぶしてから蒸してあります。セルクルで抜いたご飯に、揚げたサクサクのライスパフ、濃厚な白濁したスープとコリアンダーと生姜という組み合わせは、少しチキンライスを思わせる味わいで、チリソースを入れても美味しそうです。
そして、良いアクセントになっていたのが、とても細かいみじん切りになっていたパプリカ。長時間加熱した煮込み料理は旨味はあってもどうしてもフレッシュ感が失われてしまうところを、パプリカの土の力強さを感じる香りが生かされていて、新鮮な印象になっていました。また、ライスパフの香ばしさが、魚の香りとマッチしているように感じました。


"The Sweet Potato Dessert" Hot Sago Pudding, Crunch Bar, Chilled Osmanthus Jelly

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健康的な中国料理を意識しているKongシェフは、アントシアニンを多く含む紫色の食材をよく使うのだそう。デザートも紫芋を使ったもの。


皿にはレモンバームの芽と、金箔でコートしたパチパチキャンディが飾ってあります。レモンバームはゼリーとの相性がよく、見た目だけでなく、味も考えられていました。

美しい紫のグラデーションのゼリーは、ゼラチンを使ったナタデココと紫芋、金木犀のゼリー。その後ろは、卵黄のカスタードがとても濃厚で、エッグタルトのフィリング思わせるあたたかいタピオカ入りカスタードプリン。バニラの香りがふんわりと漂い、下には紫芋のピュレ。もったりしないように、少しだけ酸味を効かせてあります。この紫芋のピュレも、しっかりと芋本来の香りを感じる仕上がりになっています。

バー状のものは、紫芋とさつま芋それぞれを蒸してから小麦粉と混ぜて生地を作り、それを細かく切ってから揚げ、おこしのように、濃い砂糖のシロップでまとめてあります。甘すぎず、ほんの少し塩気を効かせてあります。

こちらを一番最後に食べるように、と言われたのですが、最後に口に甘さが残らない締めくくりの仕方は、とても現代的だと感じましたし、個人的に好みでした。

そして、Kongシェフは今年2017年のミシュラン授賞式のガラディナーで、デザートを担当。その時に作ったメニューを特別に出していただきました。

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モノトーンをテーマにした一皿は、スタイリッシュな印象。右はアーモンドと黒ごまのプリン、ウォーターチェスナッツの粉で作った、アーモンドと黒ごまの餅ロール、バターを使って手で折ったパイ生地にアーモンドを乗せたもの。


前回 お邪魔した時も思ったのですが、Kongシェフは、味や食感、ポーションを含めたバランス、プレゼンテーション、素材の生かし方など、モダン料理の話法で中国料理を作れるシェフ。特に野菜の味わい、香りのアクセントの利かせ方がとても好きでした。
上品だけれどもしっかりと味わい深い、身体が癒されるヘルシーなモダン中国料理が楽しめるお店です。


<DATA>
Summer Pavilion
営業時間:ランチ 11:30〜14:30 、ディナー 18:30〜22:30 
住所:7 Raffles Avenue, Singapore 039799 Singapore
TEL:+65 6434 5286
URL: http://www.ritzcarlton.com/ja/Properties/Singapore/Dining/SummerPavillion/Default.htm
アクセス:MRTプロムナード駅から徒歩6分程


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カテゴリー レストラン・料理・食材
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      仲山 今日子
      元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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